rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

テキサス州自衛権発動

2024-01-28 11:15:39 | 社会

日本ではあまりニュースになっていませんが、米国では余りの不法移民の多さにメキシコと国境を接するテキサス州では「不法移民」を「外国からの侵略」と考えて独自の警備増強策を講ずる決定をしました。

I.  テキサス州独立?

ブレグジットに合わせてテキシットか?とテキサス州の連邦からの独立を報じるニューズウイークの記事

次期大統領選挙は民主党劣勢が明らかで不法移民にも市民権を与える大統領令の有効期間が迫っていることから、現在が最後のチャンスとばかりにメキシコ経由の不法移民が雲霞の如く毎日押し寄せており、大問題になっています。米国は連邦国家であり、それぞれの州が準国家として独自の法律を制定し、外交など憲法に規定された内容について連邦政府に権限移譲している形態を取っています。江戸時代の幕藩体制に近いかも知れません。だからそれぞれの州は独自の自衛権を持っており、州を守る州兵がいて、民兵(ミリシア)の合法体系化されたものとも言えます。幕府軍が各藩から集めた兵を幕府軍として使う様に、州兵は米軍として国外に派遣されることもあります。その意味で州知事は藩主の様な莫大な権限もあると言えるでしょう。

アボット州知事の自衛権発動宣言と、それを支持する多数の州たち(赤色)(50州のうち27州が支持。米国の大勢はすでにバイデン政権ではない

テキサス州は独自の国境強化策として有刺鉄線を国境沿いに張るなどの処置を始めたのですが、連邦政府はそれを阻止する行動に出ようとしました。テキサス州は自衛権を発動して連邦政府の行動を阻止。それに対して連邦政府はテキサス州からの液化天然ガス輸出を制限するなど外交貿易という国家権限による制裁を加えてきました。しかしLNG輸出制限はロシアからのガス輸入を絶たれた欧州経済にさらなる打撃となり、ガザを制圧して地中海ガス田を利用するネオコン・グローバル陣営がバックにあるイスラエルの「悪だくみ」が頓挫する中、バイデン政権には益々マイナスになって行きます。

政権側の制裁はLNG輸出制限だが、ロシア制裁と同様もろ刃の剣どころかかえってマイナス

 

私は5月にテキサス州で行われる全米泌尿器科学会に参加する予定なので、ダラスやサン・アントニオの様子を見てこようと楽しみにしています。

 

II.  小国が世界の勢力図を変える

 

南アフリカはICJの決定を受けて、英米の裁判所にイスラエルの武器輸出が違法であり、差し止める訴訟を準備していると言われます。

イエメンではフーシ派が紅海のイスラエル関連の船舶に攻撃を加え続けており、米軍による攻撃にも関わらず紅海は封鎖の状態になりつつあります。長年闘争を続けてきたイエメンとサウジはすでにサウジが手打ちをしており、米軍のトマホーク程度ではフーシ派の意思を変えるほどのダメージは一切ないのが実情です。実質紅海を通過する船舶には保険が付かなくなるので、全ての船舶を破壊などしなくても封鎖の効果は出ます。イランは海中ドローンを装備し、イエメンも使用可能であるため、米海軍は近づけない状態で、バイデン政権は中国に何とか説得をと泣きついているのが現状です。

フーシ派の攻撃に降参状態の米国は、中国に何とかイランを説得して、と泣きついている。

 

III.  感染症Xが最後の手段?

WHOの指示に無条件で従う条約締結のデッドラインは5月ですとダボス会議で名言するテドロス氏  DiseaseXのワクチンを開発中と伝える英国SKYニュースの記事

 

今年のダボス会議は昨年ほど話題になりませんが、グローバル陣営がじり貧なので仕方のない事でしょう。その中でコロナより致死率の高い「感染症X」が5月ころから必ず流行ります。という宣言が出されています。ウクライナ・イスラエルが敗北し、トランプ政権が成立する今年、これらを転覆させる最後の手段が強力な感染症による世界的緊急事態、「コロナ騒動よ、もう一度!」以外ないのだとは思います。JN1など新しい株の新型コロナがどのように世界に流布・流行するかというシミュレーションは実行済みではありますが、彼らが期待するように「感染症X」がふるまってくれるか怪しいものだと思います。ダボス・グローバル陣営というのは、金でメディアを支配する能力は一流ですが、科学を支配する力は3流というか、元々「我欲煩悩の奴隷でしかない連中の集合体」にすぎない集団なので「粗が目立ちすぎ」であり、「神の領域に近いことは思い通りにはならない」事が戦争や感染症の騒ぎで証明された様に思います。

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国際司法裁判所の措置命令が意味するもの

2024-01-27 11:12:01 | 社会

2024年1月26日、オランダ・ハーグにある国際司法裁判所(ICJ)はイスラエルに対して、南アフリカが提訴したパレスチナ住民への虐殺を防止するため1)軍事作戦中止2)パレスチナ人殺害停止3)人道支援とそのアクセス確保、を求めた暫定措置への判定を下しました。ICJは措置命令として「即時停戦」という言葉は用いませんでしたが、イスラエルに対して「ジェノサイドを防ぐあらゆる措置を取る」様命じました。「停戦命令」でない事をもってイスラエルの勝利とする意見もありますが、私はかなり厳しい措置かなという感想を持ちました。以下に今後イスラエルが取りえる対応について検討します。

命令文 国家に対して「SHALL]を用いているのはかなり強い内容であると思う。

 

I.  ICJの暫定措置命令への対応

 

南アフリカはイスラエルのガザへの攻撃は「ジェノサイド条約違反」であるとして提訴していて、その判決が出るには数年かかるため「ジェノサイドの疑い」が生ずる行為が続く事、つまり「罪を重ねる」事を防ぐ目的で出されたのが今回の措置命令です。

この命令へのイスラエルの対応には

(1) 今まで通りの軍事行動を続ける

(2) 民間人への攻撃とみなされる軍事行動はやめる

(3) 即時停戦に応ずる

の3パターンがあると考えます。愚かな事に、ネタニヤフ首相は南アフリカの提訴を「根拠のない事」「イスラエルの行動はジェノサイドに当たらない」「民間人に被害がないよう国際法を順守して行動している」と宣言しました。この発言から導かれる結論は(1)の今まで通り、になります。これは後にイスラエルの行動が「ジェノサイド条約違反」という判決が出た場合、取り返しがつかない重罪に当たります。自分たちの行動が誤っているのに「正しい」と強弁して続ける事は「確信犯」であり、最も罪が重いというのが法律の世界では常識なのです。同じ殺人でも故殺と謀殺では罪が異なり、殺意がある方が重罪です。

全世界に動かぬ証拠が溢れる中、疑惑を全否定することが吉となることはまずない。

イスラエル政府の中でもGadi Eisenkot元将軍の様に、自身の子息と甥が今回の作戦で犠牲になっても「即時停戦」が人質を救出する最も確実な手段である、と言い切るまともな軍人もいます。多くの「正常」なユダヤ人達もガザへの攻撃は単なる虐殺であり、即時停戦を訴える人達が世界中で増えています。今回の軍事作戦に賛成しているのは一部の「極右シオニスト」の「異常者」だけで、特にネタニヤフ首相は自分の保身のためだけに戦争を続けているに過ぎません。ホロコーストの生き残りの90代の女性がインタビューで「今回の戦争は正しい」などとメディアで言わされているのを見ましたが、この様な報道に惑わされてはいけません。

自身の子息が戦死しても「停戦せよ」と勇気を持って説く政権幹部(元将軍)もいる。

 

(2)を選択した場合、今までの軍事行動が誤りであった事を認める事になります。しかしこれは罪を重ねないという点で「次善の策」と言えます。ネタニヤフにとっては国内法で裁かれ政治生命を絶たれる事になりますが、イスラエル国家、全てのユダヤ人にとって最善の選択は(3)になります。だから私は「かなり厳しい」裁定と感じたのでした。

「これは実質停戦命令です。」と会見で述べる南アフリカ外相。これが世界の声だと思う。

 

II.  松本氏の件

 

芸能界の三面記事についてブログで論ずるのは本意ではありませんが、上記にも関連があるので言及します。松本氏の件について「芸能人に公人としての倫理的高潔性を求めるのはおかしい」「何年も前の件を今掘り出す週刊誌や女性に問題がある」という意見があります。私も「お笑い芸人が遊んでもええじゃん。」と思っています。しかし今回最大の過ちは「私は倫理的高潔であり潔白です。」と自ら全否定をして「芸能人に倫理を求める風潮」に乗ってしまった事なのです。「済みません、遊びは芸の肥やし、素人さんとは知らなかったのです。」と言えば一時的に芸能活動自粛はしても復活可能でした。週刊誌側は圧倒的証拠があり、日本各地で「素人を騙して性的供応をさせるシステムがあった」と証明させてしまうと、最早松本氏個人の問題ではなく、「システムを放置した吉本のガバナンスの問題」となり、ジャニーズ事件と同じ会社全体の責任を問われる可能性が出てきます。松本氏以外にも同様の遊びをしていた芸人が出たら100%アウトです。関西を旅行すると分かりますが、吉本興業の政官界への介入ぶりは異常といえるほどです。万博の広告塔としても問題になるでしょう。むしろ文春の狙いはそちらにあるかも知れません。「確信犯」「組織ぐるみ犯罪」とみなされる恐ろしさはそこにあります。

 

III.  某大学病院の件

 

10年以上前になりますが、某大学病院で診療報酬不正請求事件というのがあり、件の病院はその後厚労省から「保険診療停止処分」という最も重い処分を受ける事になりました。不正請求の内容はその年の診療報酬改定で新たに厚労省から示された「加算事項」の要件を満たしていないのに、赤字だったその病院が黒字になるために加算要件を拡大解釈して請求した事にあります。

「不正」を指摘された時の初動が大きな過ちを招きました。「新しい加算項目(せいぜい一件で数百円)であったので、厚生局に疑義解釈の問い合わせをせず請求してしまい、間違えました。済みませんでした。全て返済します。」と記者会見で院長が釈明すれば保険診療停止処分などにはなりませんでした。それを「全て問題なく正しい請求をしています。」と院長が言い張ってしまった。厚生局は十分に不正の証拠を得て告訴していたのですから、「これは病院全体の組織ぐるみの犯罪である。」と解釈され、一般職員にいたるまで刑事事件の様に個室で尋問を受けて最終的に数年の審議を経て「保険診療停止処分」という最も重い裁定が下されました。

初動で「誤りを認めていれば軽く済んだ」事は厚労省職員からも後に話しを聞いたので事実です。

 

IV.  我欲煩悩に忖度するな

 

法的問題が生じた時、その対応に「個人の我欲煩悩」が入ると100%悪い結果になります。「個人の名誉」「地位」「利権」が絡み、「その場をしのげば何とかなるという思い込み」で判断すると悪い結果しか出ない事は古今東西大小どの事例においても同じです。今回のICJ措置命令が意味するところも同じ結末が待っています。

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欲望の資本主義2024 NHKBSスペシャル

2024-01-20 22:05:42 | 社会

正月恒例になったシリーズNHKBS欲望の資本主義2024を見ました。元日放送予定でしたが、震災で中止となり、1月11日の放送になりました。例年日本と世界の経済を分析、専門家により深堀をした内容の濃い良い番組で勉強になるので備忘録を兼ねてまとめをブログに記載しています。今年の内容は表題が?と思ったのですが、例年以上に良くできた内容で、通常問題点を抽出分析して終わるのですが、今年は日本の失われた30年を脱するヒントまで具体的に描いた点で素晴らしいと思いました。ご覧になっていない方は一見の価値ありと思います。以下章ごとにrakitarouが勝手にまとめてみます。

 

欲望の資本主義2024「二ッポンのカイシャと生産性の謎」

第一章 GDP4位「スローの国」ニッポンのジレンマ

GDPが4位に落ちたのは、それが日本の実力であり、早急な社会の構造変化を嫌ってスローな変化に甘んじた結果でもある。海外から見ると以前の様な魅力が日本の産業社会にない事も明らか。

円安と物価安定は外需型産業には利益を生んだが、内需型産業は物価が上がるだけで賃上げにつながらず、労働者が我慢をすることでしのいでしまっている。

日本の労働生産性が低い構造的原因は何か?

 

第二章 デジタル化の中忍び寄る「新しい封建制」

デジタル化、AIによって無形資産経済の占める割合が社会で増加して、労働者が締め出され、階層化、分断化がかえって進んだ。一方通行のデジタル化が必ず「良い社会」に向かうとは限らない。階層化が固定する新たな封建制ができつつある。

 

第三章 「新しい資本主義」の鍵は無形資産とジョブ型?

生成AIなどの無形資産の産生と活用をどう取り入れるかが鍵。無形資産は模倣(spillover)されやすく、回収できないコスト(sunk cost)もかかるが、拡張性(Scalability)があり、活用の仕方で相乗効果(Synergy)を生む。いかにマイナス面も認めながら総合的にプラスに持ってゆくかが経営者の手腕。日本のカイシャ構造の硬直性では対応しきれないだろう。

組織にとらわれず自分の得意とするスキルで生きてゆく「ジョブ型労働」が流動性を生む。終身雇用の「カイシャ」に固定されて、専門性を持たず種々の仕事をこなしてゆく「メンバーシップ型労働」が実は生産性が上がらない原因となっている。ホワイトカラー労働者に多機能性を求める事がいけない。戦前の日本の方が「ジョブ型」労働が主体であり、働き方改革はジョブ型への回帰を促している。

 

第四章 カイシャ逆襲の一手は?

日本でも素材や工作機械製造などのニッチを責める第二次産業の企業は中小企業でも世界でも認められている。多数の労働者を抱える第三次産業がデフレを作り出している。労働も商品とみなしてストを外国の様に行うべき。労働者もカイシャの一員という考えが家族的でありすぎて足を引っ張る。

 

第五章 ジャパン・アズ・ナンバーワンの逆説

日本の工場労働、ブルーカラーは世界の手本になったが、ホワイトカラーはならなかった。日本のカイシャはピラミッド構造で意思決定をするが、脳の認識と同じやり方をカイシャも続けて良いのか?メインバンクシステムが本当に必要か?

 

第六章 生産性の定義が変わるとき

日本人の半分は才能を仕事に生かせていない。生産性が低いのはそのせい。階層構造で社長に上げないと意思決定ができない構造では永久に未来はない。全員がブルーカラーで全員がホワイトカラーであるデンマークの例を紹介。出退勤の管理自体をすでにしていない会社が世界的に成功している。

 

最終章 シン中間層がピラミッドの呪縛を解くか?

従来の資本主義は資本家が生産手段を所有して労働者は労働を提供するのみであったが、無形資産を売る時代においては、労働者が生産手段まで所有して製品を作るので資本家は資本を出すだけになり、従来のピラミッド構造が崩れる可能性がある。ソースタイン・ヴェブレンは「営利を追求する企業は最終的には全てを失う」と予言したが、人間は労働に喜びを見出すものであり、「製作本能(instinct of workmanship)」を持っている。製作本能を開放することでホワイトカラーとブルーカラーの垣根を無くし、人それぞれが持つ才能が仕事に生かされるようになると生産性はもっと上がるのではないか。全ての人がシン中間層として小資本家、小経営者として生きることで世界に通用する産業構造を作ることができるのではないか。

 

以上まとめ。

正社員のホワイトカラー事務職全てにiPS細胞の様に多機能性を求める事が低生産性の元になっている。というのは鋭い指摘と思いました。仏教の教えに「人の役に立つ、人に必要とされる、人に褒められる」事が幸福を感ずる要素である、というものがありますが、人を社会に置き換える事で、「管理」などされなくても「製作本能」にしたがって仕事をすれば、幸福を感じて生産性も自然に上がるというのは無理のない改革案と思いました。それは現在世界を支配している巨大資本も、油断をすれば別の企業に替わられる可能性もあることを示唆していて、日本だけでなく世界の企業全てに当てはまる内容だと思いました。

追記2024年1月21日 日本でもモデル企業がある。

本日のTBSがっちりマンデーでは、ライザップの瀬戸社長の経営方法が密着取材で紹介されていましたが、トレーニングジムという「無形資産」の運用をまさに「ブルーカラーとホワイトカラーの垣根をなくす」「ピラミッド型決定の否定」を実践している事が分かりました。チョコザップを猛烈な勢いで展開している背景は、「社員の提案は一度全部採用」「最終決定は顧客のデータで」を社長が徹底している。NHKで紹介されていたデンマークのモデル企業と同じやり方。日本の大企業もこれができれば世界で生き残れるという事がよくわかりました。これは大学運営や病院運営にも言える事だと思います。

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国民国家か民族国家か

2024-01-07 13:44:13 | 社会

「国民国家」と「民族国家」という単語は、日本語では異なる意味になりますが、英語ではいずれもNation Statesという同じ表現になります。この混乱についての詳細な考察は関西学院大学教授の鈴木英輔氏の論文にあり、よくまとまっているので勉強になります。現在問題になっているウクライナもガザとイスラエルの紛争も実はNation Statesの定義の曖昧さが絡んでいると思います。日本は国民と民族が同一であるため問題を認識することはありませんが、大陸国家では国境をどこに引くかが常に争いの元になり、国民や民族の違いで対立してしまうのです。

Nation Statesの概念の元は論文でも示されている様にウエストファリア条約に遡って、封建制、民主制に関わらず、領土と支配権が確立された土地に住む者を国民として全体を国家と定義づけてゆく体制にあります。そしてフランス革命によって住民に主権の概念が生まれると、同じ生活習慣や言語を共にする人々の集団を民族として一体感を持って考える概念が芽生え、第一次大戦後の民族自決主義の高まりによって一民族一国家を望む風潮が高まったと言えます。ここで重要なのは、「民族」の定義が「生活習慣や言語」が同じ集団であって、必ずしも「血縁」は重視されない事です。勿論大まかに白人、黒人、黄色人種などの人種の違いは明らかにありますが、日本人と韓国、中国人は見た目には区別できず、血縁的には同じ民族でも良いように思います。歴史的移動のルーツを研究する上ではDNA型などの鑑定が行われますが、これで「民族」を定義しようという考えは現在ありません。そして生活習慣には「宗教」も含まれ、ユダヤ問題やイスラム教の派閥でもめる場合も血縁的なルーツは問題にされません。

 

I.  ウクライナにおける問題

 

第二次大戦後、ユーゴやチェコ、ボスニアなどの紛争では、生活習慣を共にする民族の対立でそれぞれが国家を設立する方向で決着を付けてきました。ウクライナの国境内に住む者はウクライナ国民であり、「国民国家」の概念から政府の統制に服するべきだというのは一理あるのですが、「民族国家」としての自決権を重視する現在の「民主主義」の定説からは、ミンスク合意こそがゴールドスタンダードの考え方であり、ウクライナ東部、ロシア語話者が中心となるドンバス地域の自主性を担保したうえで全体を「ウクライナ国家」として考えてゆくことが正義と言えます。2014年のマイダン暴力革命はこの民主主義を否定するものであり、欧米諸国、メディアはこぞって批判、否定するべき案件でした。

2022年にドネツク・ルガンスク両共和国が独立を宣言した上で、ロシアへの帰属を国民投票で決めて両共和国がロシアの一部となった上でロシアが自衛権の発動として戦争をしている事は力業ではありますが、一応理にかなっているとも言えます。Nation Statesの両義性を尊重したミンスク合意を守っていれば多くの若者が犠牲になったウクライナ戦争は防げた事が明らかですが、米欧軍産複合体にとっては「それでは儲けにならない」結果になったでしょう。

 

II.  パレスチナ問題

 

2024年新春のサンデーモーニングは珍しくパレスチナ問題を的確に解説していました。そこでも触れられていた様に、国家として独立してない植民地時代はパレスチナの地ではユダヤもアラブも「平和に共存」していたと言えます。そこに「民族国家」と「国民国家」の両方の思惑を持った国家が複数独立したことで、それぞれの国民が「民族自決」を求めて争う結果になっていると言えます。特にイスラエルは「民族国家」としての排他性と領土拡張を伴う「時代遅れの帝国主義」の性格を強めていて「手が付けられない」状態になったと言えます。19世紀以前なら「善」でも21世紀においては「悪」としか言えません。「二国家共存」ができないのならイスラエル・パレスチナという国家は消滅させてもう一度「国連」が統治する植民地に戻すしかないかも知れません。

 

III.  米国・中国、国民国家観の重視

 

米国は合衆国憲法を順守する事を誓った人によって作られた「国民国家」であり、民族は関係ありません。英語が話せないアメリカ人も沢山います。国民の生活習慣も様々なので、揉め事を仲裁するためには細かいことまで「法律」で決めないと生活できません。そんな米国が様々な生活習慣をもった世界を統治する事は不可能であり、米国人は民族的なしがらみがない分「単純」で複雑な各国の社会文化的背景を理解できません(する気もない)。あるのは金儲けの理屈と娯楽、時々行き過ぎた宗教への恭順くらいです(アメリカで短期間暮らした偏見ですが)。

一方で中国は多くの民族からなり、言語も様々で、共産党と言う専制組織によって統一、統治された国家です。人民解放軍230万人は国家でなく「共産党」に従属し、これに治安維持を目的とした「人民武装警察」66万人を加えた300万人態勢で共産党独裁を守っています。従って中国では民族自決的な「民族国家」の気風が芽生えることを極度に怖れていて、領土内に住む国民は全て中国人という「国民国家」観の徹底に余念がないと言えます。台湾に対しても台湾は中国の一部(中国全体が国民党の支配だった)と考える国民党の方が台湾の独自性を主張する民進党よりも中国政府からは歓迎されています。

 

始めに説明した様に、国民と民族が一致している日本の方が「国民国家」と「民族国家」を使い分けていて、Nation Statesという英語の方が使い分けられていないこともあって両方の意味合いで争う元になっている様に感じます。世界の争いを考察するときには、これらの概念を考慮した上で記述しないと「何が問題なのか」が分からず、解決策も見えてこない結果になると考えます。

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前提が誤りなら途中の論理展開が正しくても結論は誤り(2)

2024-01-04 15:41:40 | 医療

2年前の2022年1月9日に同じ題名でブログを記しました。2023年末になって新型コロナ感染症は衰えるどころか患者数を増大させています。すでに5類感染症扱いになり、全数調査を行っておらず、マスクや外出制限も行われていないので実感がありませんが、昨年秋から冬にかけてインフルエンザが流行した後に世界で問題になっているJN1変異種の流行が日本でも確認されています。NHKニュースでも紹介されていましたが、JN1変異種はオミクロン株の一種で、2022年に流行したオミクロン株BA2系統のウイルスがさらに変異したもので、昨年11月ころから増加し、検出割合は30%を超えています。日本のメディアでは詳しい解説をしたものを見かけませんが、このJN1は重症化リスクは高くないものの、今まで以上に感染しやすくなるようスパイクたんぱく質が変異しており、重要な点は今までのワクチンや既感染による免疫が効かない事です。JN1はスパイクタンパクのアミノ酸が11個(遺伝子が11個でなく)が変異しており、感染しやすくなると共に、タンパクの3次構造4次構造を認識して結合するワクチンや既感染で作られた既成の免疫グロブリンがアミノ酸の変異が多いために無効になっている(しかも類似点も多いから新たにグロブリンを設計作成しにくい)のです。「ワクチン地獄を永久に続けますか?」でも説明した様に、「ワクチンで耐性株の出現」は医学では常識中の常識です。だから同じワクチンを繰り返し打つ、変異種が出る度に後追いでワクチンを追加接種しろ、などと「医学や感染症の初歩を否定した主張をするバカ」をいつもまでも相手にしてはいけない。この人たちは「金」が目的でメディアに出て、製薬会社の儲けに貢献しているだけなのです。でもいくら「事実」を目の前につきつけられても真実が見えない人というのはいるものです。残念ながら日本人に多い。それは日本人が演繹法に基づく論理的思考に慣れておらず、周りと権威にとりあえず盲従することが身の安全を保障できる術だと長年の経験から身についてしまったからだとは思います。そこで2022年1月に記した「前提が誤りなら途中の論理展開が正しくても結論が誤りなのだ」という意味が今日でも生きてくると思います。

JN1変異種の増加を伝えるNHKニュースと日本を含む世界での増加を示すデータ(BA2.86.1はJN1類似種)

 

(以下2022年の再掲)

今更ながらの解説ですが、演繹法とは事実とされる前提を組み合わせて、論理的に正しい展開をして正しい結論を導く事で、科学(サイエンス)において正しい結論を得るために用いられます。しかし演繹法の欠点は前提が誤りであれば途中の論理展開が正しくても得られる結論が誤りである事です。

 

ウイーン生まれの英科学哲学者カール・ポパー(Karl Raimund Popper1902-1994)は、「探求の論理(1934)」において科学は帰納的学問ではなく演繹法に基づいた「反証可能性」という理論を提言し、受け入れられてきました。つまり反証の試みで「科学的研究によって得られた結論」が誤りであると証明されなければその結論は「科学的に真実だ」(=パラダイムの構築)とされるものです。大事な事は仮説の検証、反証が自由に行われる事であってこれがないものはサイエンスではなく宗教や政治の「主張」と同じであるという点です。

 

私は既にブログで何度も指摘してきましたが、現在の「新型コロナ感染症はエボラやSARS1型と同じ根絶せねばならない」という誤った前提に基づいて、種々の対策が立てられているのは、例え途中の論理展開が科学的に正しくても結論が誤りであると主張してきました。経済を破壊するロックダウンや大規模人体実験でしかない遺伝子ワクチンの強要など、もうデタラメとしか言いようのない政策がこの2年間行われ続けています。多くのまっとうな医師・科学者達が「これはおかしい!」と声をあげてきましたが、それらの声はメディアでは意図的に取り上げず、本来自由に情報発信できるはずのSNSではBAN(禁止)という処置が取られています。上記の様に、「反証可能性」を否定した段階でそれは「サイエンス科学」ではなく単なる宗教的・政治的主張にすぎないものになるのに、「科学の衣を着たプロパガンダ」としてあたかも科学的事実であるかの如く扱われているのが現状なのです。21世紀の人類は科学が発達して知性が20世紀の人類よりも秀でていると錯覚しがちですが、逆に科学の基本的な考え方さえ理解できない状態へ、知性が退化しているのです。

 

I.  オウム真理教事件を笑えるか

 

1980年代から90年代にかけて、教祖麻原彰晃を中心に「弁護士一家殺害」「松本サリン事件」数千人の負傷者を出した「地下鉄サリン事件」など様々なテロ事件を起こしたカルト宗教集団、オウム真理教というのがありました。特徴は多くの一流大学を出た(入学中)理系・文系の若者が入信し、一般社会から隔絶した特殊な社会、政治体制、小規模ながら化学工業・武器製造までオーガナイズされた別社会を構築していた事です。それは教祖麻原が主張する「ハルマゲドンが来る」を前提に「修行によって宙に浮くなど超越した能力を身につけ悟りに至ることができる」とする教えで、論理展開が精緻で科学的だった事が高学歴の若者に受け入れられる素地になったと考えられます。最終的にはテロを起こして罪のない人々を殺害する、という結論に至るのですが、これは前提となる麻原の主張が誤りであることを見抜けなかった事が失敗の始まりと言えます。新型コロナ感染症への対応で、多くのコロナと何の関係もない人々が傷つき、ワクチンで人類の健康が大きく損なわれた時、論理展開が科学的に正しくとも、誤った結論を導いた前提が誤りであったという事実を見抜けなかった責任を、21世紀の大人達は背負う覚悟が必要です。

 

II.  オミクロン株にワクチンは不要(むしろ有害?)

 

英国保健省が定期的に出しているワクチンレポートの51週目によると、α株、デルタ株に対しては2回のワクチン接種で重症化率、感染率が共に低下したが、オミクロン株に対しては2回のワクチン接種で感染率はむしろ悪化、3回目ブースター接種の効果も10週程度で半減したことが示されています。オミクロン株は気道感染が主体で肺まで到達せず、重症化しにくいというデータしか出てこないので「まだ結論は早い」「安心できない」といった不安をあおりたい意見しか言わない専門家(馬鹿じゃないのか?)ばかりですが、もう結論は出ています。オミクロン株にワクチンは不要です。オミクロン株のスパイク蛋白にある受容体結合部位はマウスのACE受容体に結合し易く、オミクロン株というのはマウス由来(マウスで変異した)ものだろうと言う論文が出ています。昨年9月の医学雑誌Lancetにも中和抗体の量が減っても重症化率予防の効果が残っている(細胞性免疫)から3回目のブースター接種は不要という専門家の論考が載っています。2021年2月26日のブログでも記した様にワクチンは1回でも接種すれば細胞性免疫は付きます。2回目接種以降は疑似感染を起こさせたと同じ事で、感作された細胞が指令を出して全力でウイルスをやっつける中和抗体が作られるだけの事であり、感染は防ぐ効果はあるでしょうが、重症化を防ぐ効果は免疫の機序から、細胞性免疫が主体になると考えます。

ワクチンのコロナ死亡を防ぐ上での有効率と感染を予防するブースター接種の効果持続性(英国保健省のワクチンレポートによる)

2回接種のみでは20週目以降は効果がむしろマイナスになっている(ADEによる逆効果というよりはサンプルの取り方によると説明される)。大事な点はブースター接種しても感染予防効果は2ヶ月程度。

 

III.  感染しない事でなく、治る事が免疫の仕事

 

免疫というのは一つのウイルスや病気だけを相手にしていて良い訳がありません。世の中には5万とウイルス、ばい菌、寄生虫などが存在し、毎日数千の癌細胞が普通に生活していても自分の体から生じて、免疫機構がくまなく目を光らせて必要に応じて排除してくれています。エボラ出血熱の様に感染したら最後高率に死につながってしまう感染症は「感染しない事」に予防の主眼をおかねばなりませんが、多くの者が軽症で済む新型コロナ感染症の場合は、感染しても重症化せずに済めば良い、「重症化の予防」に主眼を置けば良いという事は誰でも理解できると思います。多少タンパク質の構造が変わっても一度類似のスパイク蛋白で免疫細胞が感作されていれば、実物のウイルスが感染した際に免疫細胞が1から抗原の認識を行って抗体の鋳型を作るのではなく、素早く抗原に対応する中和抗体を作る作業に移れるから重症化を防げるのであろうと、上記のデルタ株にも中和抗体量が低下した時期においても重症化を防ぐ効果が残っている科学的説明が成り立ちます。一方でオミクロン株に対して感染を防ぐ効果が長続きしない(中和抗体の作用が直ぐに低下してしまう)のは変異種に対する免疫的多様性とワクチンで説明した様に、アミノ酸の成分がかなり異なるオミクロン株には中和抗体の力が従来の株よりも弱いことが推測されるのです。かかっても風邪程度の毒性であるならば、ワクチンなど打たずに普通の感冒と同様「罹って通常の免疫力で治る」で良いと結論づける正当性がここにあります。

 

IV.  早くパンデミックが終わり、with Coronaの時代へと言い出した人達

 

パンデミックの宣言は病原体が決めるのではなく、ヒトの都合で決まります。パンデミックの定義自体があいまいで「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」の状況に基づいて総合的に判断されるものだからです。本来パンデミック(世界的流行)と宣言した時点で「封じ込め」という戦略は失敗したことを意味するのであって、「ゼロコロナ」という目標が実現不可能なナンセンス、非論理的なものとなります。病気にかかったヒトに「病気の予防」を説く様なものです。With Coronaとしてどのように共存して被害を最小限に留めて行くかが求められる政策になります。その意味では初めから政策目標が誤りであったと言えます。もっとも「ワクチンパスポートを2022年までに導入」が政策目標であったならば恐怖を煽り、ワクチンを強制してパスポートを制度化したEU諸国は政策目標を達成したと言えるでしょう。だから英国などは堂々とwith Corona政策を採り出しているのかも知れません。日本は周回遅れのままいつまで「ゼロコロナ」を目指して終わりのないワクチン接種や自粛を続ける気なのでしょうか。

(2022年からワクチンパスポートを本格導入する予定だったが頓挫、でもあきらめてなさそうー2024年時点の感想)

(再掲終わり)

 

現在日本は幸いwith Corona政策に変更しましたが、諸外国はすでに否定している「遺伝子ワクチン」を今だに推奨しています。それどころかどの国も承認していない遺伝子増幅型ワクチン(レプリコンワクチン)などというとんでもない代物を日本人に使うことを承認してしまいました勿論長期動物実験さえ行っていない怪物ワクチンを人間につかって何が起こっても誰も責任は取れませんし、取るつもりもないでしょう。正体不明なものに責任を取ること自体不可能なのです。「日本人をモルモットにして世界が観察する」事態に日本人は立腹することさえできない「腰抜け」になってしまった。

今年秋には犠牲者が出始める予定とニュースで宣言している。

 

喧々諤々の議論、反論のないものは「サイエンスではない」という大原則を半分は理系大学出身のはずである日本人に再度つきつけたいと思います。

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グローバリズムの弱点は軍事力

2024-01-01 10:46:17 | 社会

2023年の世界の混乱はグローバリズムと多極主義の対立が全ての原因なのですが、それを認めない限り現在の混迷した情勢を理解することは不可能です。新聞やテレビ、欧米の大手メディアは表面的な状況を伝えてはいるものの、明らかな矛盾が同じ紙面で記されている状況を「グローバリズム対多極主義」の視点からの解説ができないので矛盾のまま放置せざるをえない状況です。グローバリズムは間接的に米国民主党政権をコントロールし、政権が米軍・CIAと予算を自由にできる範囲で世界をグローバリズム一極主義の支配下に置こうと試みてきました。グローバリズムのもう一方の武器は金で支配するメディアであり、メディアであたかも科学的真実と思い込ませた似非科学に基づいた「感染症対策」と「遺伝子ワクチン」の強要による人類支配です。WHOには優秀な科学者などいないのに世界的国際機関という権威のみで政治的政策を世界に強要し、政府はそれに従う事があたかも正義である様に装います。

 

I.  グローバリズムがウクライナで勝てない訳

 

2022年2月に始まったロシアとの直接戦争は圧倒的軍事力の差でウクライナグローバリズム側が敗北しつつあります。グローバリズム陣営は得意の経済制裁でロシアの国力が衰え、米欧のウクライナへの軍事支援でロシアが敗北するシナリオを描いていました。専門家と言われる人達が自信満々にロシアの敗北を予想していました。しかしグローバルサウスと呼ばれる人口では地球の半数を超える「資源や食料」という実体経済を支える国々とロシアが十分に交易し、ロシアが本格的に戦争経済体制に移行して米国を超える地上軍の軍事力を整えると2022年秋以降はロシア側の優勢が明らかになりました。2023年の稚拙な春季攻勢の失敗がウクライナの敗北を決定づけたと言えます。

ロシアの戦後処理政策の予想とされる図。場合によりオデッサまで含むかもしれない。

 

強い軍隊は「士気・統制・補給」が規模の大きさ、兵器の優秀さと共に必須の条件です。グローバリズム側の軍隊は優秀な兵器はあるかもしれませんが、多極主義がナショナリズムに基づいていた軍隊を持ち「士気・統制・補給」が充実している事に対して兵器の優秀さ以外優位な点を持っていません。アゾフなど一部ウクライナ兵の士気は高かったものの、地上戦の経験がないNATOの指揮・戦術は貧弱で、補給は限られていました。ミサイルや砲弾の補給はロシア10に対して欧米は1の状況が続き、精密な兵器は一度壊れるとウクライナ国内で修理することは不可能でした。

ちなみにガザにおけるイスラエル軍は予備役兵の士気は低く、統制は若い下士官ばかりで不十分であり、補給は米国だのみという状況です。国民は世界を敵にまわしてネタニヤフ政権が虐殺を続ける事に批判的であり、すでに厭戦気分が充満しています。イスラエルは間違いなく敗北するでしょう。

 

II.  グローバリズムがガザ虐殺を支援する訳

 

米民主党が国民を敵に回してもイスラエルの虐殺を支援する事に違和感を感ずる人は多いと思います。しかしグローバリズム陣営としては、ウクライナでロシアが勝利を収め、今後欧州へのエネルギー事情が厳しいままである現在、ガザ近海にある天然ガス田を欧州へのエネルギー補給のために獲得する必要があり、「ガザを住民ごと排除する必要」があったのです。だから子飼いのハマスによるイスラエル国内への襲撃を赦し、自軍にイスラエル国民をハマスごと銃撃・殺害して「ガザを住民ごと排除」する必要性を作り上げたと言えます。我々常人は「そんな悪い事は人間するまい」と考えがちですが、グローバル陣営の計画者たちにとっては、当たり前の範疇でしょう。

ガザ沖の天然ガス田・油田を示す図(桜井ジャーナルブログから)   10月7日に自軍がイスラエルの家屋を攻撃した事をテレビ取材で認めるイスラエル軍大佐

 

III.  ガザ虐殺で米民主党左派が離反

 

米民主党の左派を味方にしてグローバリズム支配を続ける事が多極主義のトランプを排除する上で必須の条件であったのですが、イスラエルのガザ虐殺はさすがに純粋なリベラル陣営をグローバリズムから離反させる結果になりました。最初に離反したのは真っ先に迫害され続けたパレスチナ住民への支援を表明したBLMであり、続いてバーニー・サンダースやAOCと呼ばれるコルテス議員らの明らかな離反を生みました。結果若者たちがグローバリズムの推進する政策に反対を表明しつつあり、今年の大統領選挙でグローバリズム・バイデン陣営が勝利することはまずないと言えます。

国連は米・イスラエル以外は虐殺に反対(当然ですが)  米国民主党もまともな左派は離反(ガザのパレスチナ人はユダヤに迫害されたキリストと同じと表明するAOC)

 

IV.  つくろいきれない哀れな日本のメディア達

 

日本のメディアは未だに米国グローバルメディアの報ずるままを報ずる痴呆メディア状態のままです。表面上ガザの虐殺を批判していますが、戦犯イスラエル政府を南アフリカ政府やヒトラーになぞらえたトルコのエルドアン大統領の様に明確に批難する勇気は一切ありません。結果国際面など見ても、何を主張したいのか、何が問題なのかさっぱり分からない矛盾だらけの紙面、あるいは中身のない薄っぺらの記事ばかりで、「お粗末」を通り越して「哀れ」という表現がぴったりです。もうジャーナリストたちは矜持などと呼べる物など欠片もなく、自分でも恥ずかしいという気もおきないのでしょう。

ロシアのウクライナ攻撃を「テロ」と書きながらイスラエルのガザ難民キャンプ攻撃は「テロ」と書けない東京新聞。雑誌「選択」の新年巻頭は「トランプ復活で世界は未曽有の混乱」とあおりながら中身は「バイデンが行ってきた政策ができなくなるから」とお粗末で空疎な内容。「グローバリズムの自由にならない世界」と明確に記した方が100倍分かりやすいのに「ガザ虐殺の批判」も一言もなく、「奴隷三流ジャーナル」に落ちぶれた結果と言わざるを得ない哀れな中身である。

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