rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

ワクチンの危険性について撤回された論文と講演会記録

2024-03-25 11:35:47 | 医療

I.  いまこそ問うコロナワクチン推進の責任 講演会

2024年3月24日に横浜県民センターで「2回連続セミナーin横浜 ほんとうに接種する意味はあったのか? ~いまこそ問う「コロナワクチン」推進の責任~ と題する講演会があり、参加してきました。主講演者の名古屋大学小児科名誉教授の小島勢二医師は、最新の厚労省資料などから特定の癌(乳がん、子宮がん、血液がん、すい臓癌)が日本においてもコロナワクチン接種前と比べて20-25%増加している事、自己免疫疾患の難病指定者数がやはりワクチン接種前と比べて10%以上増加していることなどを科学的に示し、ワクチン後長期後遺症に苦しむ患者さん達の各種自己抗体発現調査の結果などを示されました。獣医師のStray氏は私も以前紹介したワクチンで死亡した患者さんの各所病理組織にワクチン由来のスパイク蛋白が染色されている状況を説明し、後遺症と疾患の関連を説明されました。

質問の時間で、「がんの増加や自己免疫疾患の増加といった<免疫系の制御逸脱>をおこした原因は、(1)mRNAの機能を持った遺伝子ワクチンで<自己の物でない異物>を宿主の正常細胞に作らせた事が原因か?(2)作らせた異物が<スパイク蛋白>であった事が原因か?」を小島先生に尋ねた所、「自己免疫肝炎の一部などではスパイク蛋白に対する特異反応も見られているが、圧倒的に免疫異常をきたした主な原因は(1)の方だ」と言う答えで私の考えと一致する内容でした。

 

II.  撤回を強いられたワクチン接種再考を促す論文

 

ワクチン関連の医療記事はしばらくなかったのですが、少しずつワクチンの副作用を科学的に証明する医学論文が出てきています。しかし講演会でも指摘されましたが、「ワクチンの副作用」「危険性」を前面に(表題や抄録)に出すと採択acceptされないバイアスがかなり強く、一見ワクチンの有効性を推奨するような内容ながら、よく読むと「危険を指摘」といった工夫がされています。学問の自由、科学の公正は既にないのが現在の世界情勢なのです。

私が以前から指摘している「自分の正常細胞に異物を作らせる事でがん免疫が惹起されて正常細胞を攻撃する様になり、結果的に自分の正常細胞を攻撃する自己免疫疾患が増加する。また攻撃された全身の正常細胞が自分の免疫細胞を抑制するPDL1という因子を発現して、結果的にがん免疫監視機構を弱め、全身の癌出現が増加してしまう」というメカニズムを一部検証する論文が出ています。

ワクチン接種を受けた被検者(右の緑の箱ひげ図)の顆粒球や単球のPDL1が受けていない者(コントロール紫)より増加しているという図

 

また「Covid-19 mRNAワクチンの登録試験及び全世界に渡る接種キャンペーンから学んだ教訓」と題されて、293題の参考文献を元に書かれたCureusに2024年1月16日に発表された論文( 10.7759/cureus.52876)は2月26日に撤回させられました。結論には「利益よりリスクが高く、耐えがたい副作用を持つこのワクチン接種は少なくとも小児に対しては控えるべきであり、安全性が確立されるまでは政府は認可すべきでない」と書かれています。今はアクセス可能ですが、できなくなる可能性もあるので、以下にこの論文から主だった有用な図表を転載します。

クリーブランドクリニックでワクチンを複数回受けた職員(黒赤緑青黄土の順)ほど変異してゆく新型コロナに罹っていったという累積図

若年者ほど(横軸)心筋炎症例が増えたというワクチン回数別による表示(赤緑青の順)VAERSの報告例から(2回目が一番多いようだ)

インフルエンザワクチンに比べてコロナワクチンによる自己免疫の副作用が8倍に増加したというVAERSの報告

ファイザーのワクチン登録試験で、始めは解らなかったが、政府が緊急認可した後、33週目にはワクチン接種者の死亡例(実線)が非接種コントロール(点線)より増加したという報告

ワクチンはウイルスの変異(evolution)、免疫異常(immune dysfunction)、抗原原罪などの免疫回避(escape)を促し、何かいも打たせるし、失敗であるという図

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「混迷する世界情勢とメディアの情報操作」講演会

2024-03-15 09:54:07 | 社会

2024年3月9日に日比谷コンベンションホールにて「混迷する世界情勢とメディアの情報操作」と題する講演会が開かれました。基調講演として元外交官、東アジア共同体研究所所長の孫崎 享氏、第二部講演として経済・文明評論家の増田悦佐氏、政治経済学者の植草一秀氏とrakitarouが行い、その後パネルディスカッションに移りました。全体として内容の濃いまとまりのある講演会であったと自負しますが、以下に備忘録として概要を記します。

 

第一部  基調講演 孫崎 享 氏

 

1945年9月2日の日本の降伏文書調印と同時に日本は連合国軍最高司令官の命令に全て従う事を約束した。占領下において、日本を管理するため、戦前からの支配層を「生活と利権を保証」してそのまま使うことを決定。当時の支配層も米国に追従することで生き延びた。結果全て米国の支配に従う体制が戦後続くことが決定的になり冷戦後もそのまま続いた。細川政権、鳩山政権はその体制から逃れたが、官僚、経済界、メディアが総出で潰しにかかった。統一教会潰し、安倍元総理暗殺と安倍派潰しは現在のグローバリズム体制がそれらの勢力が残る事に不都合が生じたためであり、22年7月の安倍元総理暗殺は22年2月に始まったウクライナ戦争に対するロシアの立場を代弁する安倍元総理の存在が23年5月に開催された広島サミットの共同宣言に影響を与える事をグローバル陣営が嫌った可能性がある。いずれにしてもグローバル一極支配は限界に来ている(下図)。

2024年CIA資料によると購買力平価では米国は既に中国に経済力で抜かれている

 

第二部講演  増田 悦佐 氏

なぜ二酸化炭素が目の敵にされ、EVというエネルギー浪費がもてはやされるか

 

生物の大絶滅は歴史的にCO2が低く、気温が高いか、逆にCO2が高く、気温が低い時に起きやすい(下図)。三畳紀の生物80%絶滅時は、60万年かかってCO2が高く、気温が低い状態で絶滅が起きた。人間が100年かそこらで何かして起こる絶滅などない。アフリカで暑さによる死亡は殆どなく、寒さで120万人毎年死亡している。(下図)クリーンエネルギーは高コストで環境破壊でもある(下図)

 

第二部講演  植草 一秀 氏

軍産・戦争問題とメディア ウクライナ戦争と台湾有事

 

ウクライナ戦争でロシアの経済制裁に賛成しているのはG20では10国だが人口比では19%。(下図)

民主党2010年6月政変で尖閣漁船衝突事件が誘発され(下図)、尖閣棚上げ合意が反故にされた。

戦争と財政収奪、パンデミックと温暖化という国際的詐欺で断末魔のビジネスをグローバリストは展開。

 

第二部講演  rakitarou

 

2023年の死亡者数は2016年から2020年までの5年間の平均を23.5万人上回り、とびぬけて多かった2022年22.7万人増加よりも増えた。(下図)ワクチンを打つほどコロナ感染者数は爆増し、死亡者数も増加している(下図)。

 

第三部  パネルディスカッション

 

議題 1  米国の意思(Deep state)とは誰が決めており、何を求めているのか。

 

孫崎 1%の富を独占する人達が国の方針を決定できるシステムができてしまっている。メディアも権力を見張る側でなく、権力機構の一部になってしまっている。

増田 1946年の連邦ロビイング規制法により、ロビー活動の合法化がなされて、贈収賄による政治が確立された。イスラエルロビー(AIPAC)やライフル連盟は目的があるが、WEFや巨大資本は人口削減を狙ってくる。

植草 利潤追求の資本主義は結局少数の人間が意思決定をする機構に集約する。資本主義と民主主義は対立するので、民主主義側の多数の人達の意思決定をゆがめるためにメディアの偏向が行われる。

 

議題 2  社会を本来あるべき姿に戻す方策はあるか

 

孫崎 個々の事例で是々非々を皆で考えられる体制を作る。

増田 ガザの虐殺を批難する世界中の声を現実に反映することの方が容易だ。

植草 選挙で50%を占める無党派層が情報統制で無関心になっている状況を変えられる公益に徹した政党集団やメディアの確立が急務だ。

 

議題 3  今後グローバリズム一極主義がのこるか、多極主義に向かうか

 

孫崎 G7の凋落は著しく、一極支配はすでにないが、多極陣営がどこに向かうかの道標も現在存在しない。

増田 一極支配自体が幻想であり、グローバリズムは計画性のない出鱈目な政策で人間を殺している。愚かな大統領が核のボタンを押してしまう事が一番恐ろしい。

植草 G7が応援しているウクライナは負ける。力ずくの支配がもう不可能になり、日本も一極支配側の従僕にとどまると一緒に没落してしまう。

 

議題 4  IT化やAIが世界情勢に影響するか

 

孫崎 AIは人類よりも進化が早いから将来人類の脅威になりえる。

増田 AIは決まった計算をする事は早いが、曖昧を理解できない。IT化による経済成長は蒸気機関の普及による経済成長よりもはるかに小さい。

植草 AIによる意思決定、特に軍事的な意思決定をAIに任せるリスクが大きすぎる。

 

シンポジウム後の参加者からの質問

質問 通貨発行権が各国政府にない状態だが、問題か?

増田 通貨発行中央銀行が管理している金よりも市中でやりとりされる金が何倍も多いから経済そのものをコントロールすることはできない。

 

質問 良い情報を得る方策はあるか

各氏 基本となる良い書籍を読む。海外のサブスタックなどのネットを当たる。

 

質問 次期米国大統領候補とイスラエルロビー(AIPAC)の関係は?

増田 バイデンとトランプはAIPACからの支援が切れないのでガザ虐殺反対を強く出せないのだろう。RFKJr.は本人自体がシオニスト側だ。

 

質問 日米委員会が日本の統治に現在も強く関与しているか

孫崎 日米委員会自体は外務省管轄で米軍司令官と極めて事務的な連絡調整制度に堕している。米国の要望は大使館や国務省から直接該当部署や大臣に言われる事の方が多い。日米委員会は米国支配のシンボルとしてやり玉に挙げやすい存在だが、現実的にはそれほど重要ではない。

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トランピズム・国家資本主義・多極化

2024-03-07 11:43:44 | 政治

次期米国大統領の共和党候補はトランプ氏に決定し、次期大統領自体もほぼトランプ氏に決まった情勢ですが、「トランプ主義」を嫌うメディアはトランピズムに対するリスクを具体的に説明せず(できず)「独裁主義」「同盟軽視」「陰謀論」などという曖昧な恐怖感を煽る感情表現でしか示しません。小学生並みの稚拙さと言えます。それは世界の多極化によって命運を絶たれる「グローバリスト陣営」が多極化を決定づけるトランピズムを死ぬほど怖れているからと思います。そこでトランピズムの経済外交政策について幼稚で無能なメディアに替わってrakitarouなりに説明したいと思います。

朝日新聞の公式見解では、多極化世界は「ウソと陰謀論だ」らしい、日本人はこれを信ずるほど阿呆ばかりなのか?

 

I.  国家資本主義による多極化推進

 

2011年ユーラシアグループのイアン・ブレマーは、中国やロシアなどの後発国が国家資本主義政策をとることによって勢力・国力拡大を遂げているという分析を示しました。この「国家資本主義」の概念は1800年代の共産主義思想勃興の時代からあり、レーニンやヒルファディングといった思想家らが取り上げていたのですが、現大阪商科大学の坂田幹男教授がかつてから指摘していた様に、国家資本主義を古い概念でとらえていると新しい潮流としての国家資本主義の在り方を正しく把握できないことになります。スタンフォード大学のフランシス・フクヤマ氏経済産業研究所の分析の様に、国家資本主義による国家が設計図を描く「国家単位での経済発展」は、2000年代初頭の10年間において、米国(欧米)は資本と技術供給、中国は労働供給、中東やロシアは資源供給という国別の資本主義内分業を行っていた時代から夫々の国内で資本・技術・労働・資源の全てを成り立たせる「多極化」を促したという分析こそが正しいと言えます。

外務省系列の雑誌に紹介されたふくやま氏の論説

 

結果的に資本と技術のみで資本主義の上前を吸収し「良い所どり」を享受していた欧米は「一極資本主義(グロ-バリズム)」の態勢を維持するために多極主義陣営(大きくはグローバルサウスやBRICS)と対峙せざるをえなくなります。

これに対してトランプは米国内で資源(オイル)、工業生産、労働供給を復活させて米国を多極化の一極に据え直すことを第一目標にしてきました。この「米国も多極化」というトランピズムの本体をグローバル陣営はどうしても許せず、「米国第一主義(真の意味は米国を多極化の一つに育てる事)」「同盟軽視(グローバル的国家別役割分担の否定という意味)」と言い換えて批判しているのです。

 

II.  「ポスト・アメリカ」と言わず、「世界の分断」などと言い出したメディア

 

多極世界についての詳しい解説は2021年のアレクサンドル・デューギンの論文に詳しいと思いますが、米国一極主義の終焉については2008年のリーマンショック以降、2010年ころには頻繁に語られるようになっていました。しかし金融危機を無限の量的緩和(QE)などで「資本を無から生じさせる」ことで乗り切ると、巨大資本(ドルで)を独占する資産家達はドルを中心とするグローバリズムが終焉することは、莫大な利権が消失することと同じになり、多極化(特に貨幣の)は受け入れられなくなってきたと思われます。しかも刷り散らかした莫大なドル紙幣は、結果的に一部の巨大資本化達の所に収斂してしまい、ドルという富の集中をかえっておこしてしまいました。結果としてグロ-バリズム陣営が占有する大手メディアが「多極化を議論」することもなくなり、「非理論的感情的なナラティブ報道ばかり」になってしまったと言えるでしょう。

デューギンの著作「多極化世界の理論」グローバリズムとは対立する運命と指摘 増えた貨幣は結局行き渡らずに収斂するというOxfamの報告

 

III.  資本帝国主義が見えない人達

 

中国やロシアが18世紀型の帝国主義で軍事力による領土拡張を図っているから日本も憲法改正をして正規軍を強化する必要がある、と説く右翼系論客が未だに多くいます。ウクライナ戦争以降は、日本共産党でさえ「即時停戦」(戦争反対)を言わなくなりました。つまり「ウクライナは戦争を続けよ」というスタンスであり、「日本の左翼は反戦思想を捨てた」ということです。

中国が海洋利権獲得のために軍備増強をし、南沙諸島などに勝手に侵略をして周辺国と紛争をおこしていることは事実ですし、台湾を名実とも中国統一化を目標に据えている事も事実でしょう。しかし中国は常に内側から壊れる歴史を繰り返してきたので、脆弱な共産党政権が列島線構想などで日本をテリトリーに入れている事に震え上がる必要はないと思います。私も元自衛官なので必要最小限の軍備は必要と考えますが、大国の鉄砲玉として隣国と戦争をさせられるウクライナのような為体は未来の日本人の子孫のためにも示してはいけないと考えます。今現在憲法改正や軍備増強を唱える人達は「米英の鉄砲玉になって中露と戦争する阿呆にはならない」という覚悟はあるのでしょうか。

日本の土地や株が外国資本に買われて、日本人の労働によって得た国富が資本帝国主義によって外国巨大資本に吸い上げられている現状について憂いている「愛国を自称する右翼」はいるのでしょうか。統一教会とずぶずぶの自民党議員、日米委員会の決定に異を唱えない政権、グローバリズム世界経済フォーラムやWHO,IMFの決定を全て受け入れ、ワクチンを打ち、温暖化詐欺を信じ、異論を簡単に「陰謀論」呼ばわりするレベルの人達は国防や愛国を語る資格はないと私は考えています。

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スウェーデンのNATO加盟に思う

2024-03-02 18:42:25 | 政治

2024年2月27日スウェーデンは1843年以来の中立政策を棄ててNATOに加盟しました。フィンランドは昨年31か国目のNATO加盟国になったのでスウェーデンが32か国目になります。元々ロシアに挟まれた北欧国家であったスウェーデンはイギリスとロシアとのバランス外交として中立主義を選択し、第二次大戦では枢軸よりではありましたが、独自の兵器開発にも従事しながら戦争に加担することなくうまく振舞ってきたと言えます。

ここで国民投票も行わず、EUに加盟していて、EUがウクライナを支援しているという成り行きのみであの第二次大戦中を含めて180年堅持してきた中立主義を廃棄する愚かさは「あはれ」なほど愚かな事です。

フィンランドに続いてスウェーデンNATO正式加盟を伝えるBBCの記事 銃身は伸ばされたということ

 

I.  プーチン拡張主義(ロシア帝国主義)神話の馬鹿馬鹿しさ

 

21世紀になってから、普通に新聞などのメディアで知識をえていたヒトはプーチン大統領が就任初期以来、資源と工業を中心としたロシア経済の立て直しと西側と通じたオリガルヒの排除を行ってきた事は理解できるでしょう。そしてグルジア、ウクライナなどのロシアと国境を接する国のNATO加盟に対して警鐘を鳴らしてきた事も明らかです。しかし19世紀型の領土拡張による帝国主義を進める意図は全くなかったと言っても良いと思います。それは陸軍の編成を見ても明らかですが、今回のウクライナ戦争初期、Special Military Operationと称していた時点では、ロシアは平時の兵力と装備で作戦を行っていました。2022年の夏以降は動員令をかけて軍内の編成、経済体制も戦時体制に移行しました。「ロシアはウクライナと戦争しなければ日本に攻め入る予定であった」などと言う根も葉もない噂を広めて日本をNATOに加えようとする勢力がいるようですが、軍事音痴すぎるフェイクであり、信ずるほうも軍事音痴過ぎると言えるでしょう。19世紀型の帝国主義で資本主義的に儲けが出る時代ではない位少し考えればわかります。「土地がどの国に属するか」ではなく、「資本を持つ者」が儲ける事ができるのが資本主義なのですから。

 

II.  今までのNATO拡大とプーチンの対応

 

プーチン拡張主義が作り話である客観的証拠として、今までのNATO拡大とプーチンの対応について、コロンビア大学のジェフリー・サックス教授がまとめた年表があるので備忘録として以下に記します(赤字はrakitarou)。

 

1990年1月31日。ドイツのハンス・ディートリッヒ=ゲンシャー外相は、 ドイツ の再統一とソ連のワルシャワ条約機構の軍事同盟の解消を背景に、NATOは「東方への領土の拡大」を排除するとソ連のミハイル・ゴルバチョフ大統領に約束した。

1990 年 2 月 9 日。米国国務長官ジェームズ・ベイカー 3 世は 、ソ連のミハイル・ゴルバチョフ大統領と「NATO の拡大は容認できない」という意見に 同意した。

1990年6月29日~7月2日。NATO事務総長マンフレッド・ヴェルナー ロシア高官代表団 に対し、「NATO理事会と彼(ヴェルナー)はNATOの拡大に反対している」と語った。

1990 年 7 月 1 日。ウクライナ議会は 国家主権宣言を採択し、その中で「ウクライナ・ソビエト社会主義共和国は、軍事ブロックに参加せず、非核の 3 つの原則を遵守する永世中立国になる意図を厳粛に宣言する。核兵器を製造せず、購入しないこと。」

1991 年 8 月 24 日。ウクライナは、 中立の誓約を含む 1990 年の国家主権宣言に基づいて   独立を宣言。

1992年半ば。ブッシュ政権の政策立案者らは、 最近ソビエト連邦とロシア連邦に対して行った約束に反して、NATOを拡大するという秘密 の内部合意に達した。

 1997 年 7 月 8 日。マドリッド NATO サミットで、ポーランド、ハンガリー、チェコ共和国が NATO 加盟交渉を開始するよう招待されました。

1997年9月から10月。『フォーリン・アフェアーズ』(1997年9月・10月)の中で、元米国国家安全保障問題担当補佐官ズビグネフ・ブレジンスキーは、 ウクライナの交渉が暫定的に2005年から2010年の間に開始されるというNATO拡大のスケジュールを詳しく 述べている。

1999年3月24日~6月10日。NATOがセルビアを爆撃。ロシアはNATO爆撃を「国連憲章の重大な違反」と呼んでいる。

2000 年 3 月 ウクライナのクチマ大統領、 「この問題は極めて複雑であり、多くの角度から関係しているため、今日、ウクライナが NATO に加盟することに疑問の余地はない」と 宣言。

2002年6月13日。米国は弾道兵器禁止条約から一方的に離脱したが、ロシア下院国防委員会副委員長はこの行動を「歴史的規模の極めて否定的な出来事」と 特徴づけた 。

2004 年 11 月から 12 月にかけて、ウクライナで「オレンジ革命」が起こります。この出来事を西側諸国は民主主義革命と特徴付け、ロシア政府は米国の公然および秘密裏の支援による 西側が仕組んだ 権力掌握と特徴付けています。   

2007 年 2 月 10 日。プーチン大統領は、 ミュンヘン安全保障会議での演説で、NATO 拡大を支援して一極世界を築こうとする米国の試みを強く批判し、次のように宣言した 。「相互信頼のレベル。そして私たちには、この拡張は誰に対して意図されたものなのかと問う権利があります。そして、ワルシャワ条約機構の解散後、西側パートナーが行った保証はどうなったのでしょうか?」

2008年2月18日。ロシアの激しい反対にもかかわらず、米国が コソボの独立を承認 。ロシア政府は 、コソボの独立は「セルビア共和国の主権、国連憲章、国連安保理決議第1244号、ヘルシンキ最終法の原則、コソボの憲法枠組みおよびハイレベルのコンタクトグループ協定」に違反していると宣言している 。

2008 年 8 月 20 日。米国は ポーランドに弾道ミサイル防衛 (BMD) システムを配備し、その後ルーマニアも配備すると 発表。ロシアは BMDシステムに対して 断固たる反対を表明している。

2014年1月28日。ビクトリア・ヌーランド国務次官補とジェフリー・パイアット米国大使は、2月7日に傍受され YouTubeに投稿された通話でウクライナの政権交代を計画 しており、その中でヌーランドは「(副大統領)バイデンは協力する用意がある」と述べている。

2014 年 2 月 21 日。ウクライナ、ポーランド、フランス、ドイツの政府は、 ウクライナの政治危機の解決に関する合意に達し、年内の再選挙を呼びかけました。極右右派セクターや他の武装勢力は代わりにヤヌコーヴィチ氏の即時辞任を要求し、政府庁舎を占拠した。ヤヌコーヴィチは逃亡する。議会は弾劾手続きを経ずに直ちに大統領の権限を剥奪する。   

2014 年 2 月 22 日。米国は 政権交代を直ちに承認

2014年3月16日。ロシアはクリミアで住民投票を実施し、ロシア政府によると、ロシア統治を支持する票が多数を占める結果となった。 3月21日、ロシア下院はクリミアをロシア連邦に加盟させることを可決した。ロシア政府は これをコソボの住民投票に例えている。  米国はクリミア住民投票を不当なものとして拒否している。

2015 年 2 月 12 日。ミンスク II 協定の署名。この協定は、 2015 年 2 月 17 日の 国連安全保障理事会決議 2202によって全会一致で支持されています。アンゲラ・メルケル元首相は後に 、ミンスク II 協定がウクライナに軍事強化の時間を与えるために設計されたものであることを 認めました。この協定はウクライナによって履行されず、ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は 協定を履行するつもりがないことを 認めた。

2019年2月1日。米国は中核戦力(INF)全廃条約から一方的に離脱。ロシアはINF撤退を安全保障上のリスクを煽る「破壊的」行為として厳しく批判している。

2021年6月14日 ブリュッセルで開催される2021年のNATO首脳会議で、NATOはウクライナを拡大し包摂するというNATOの意図 を再確認し 、「我々は、ウクライナが同盟の一員となるという2008年のブカレスト首脳会議での決定を繰り返し表明する」と述べた。

2021年9月1日。米国は、「米国・ウクライナ戦略的パートナーシップに関する共同声明」の中で、ウクライナのNATO願望への支持を改めて表明した。 

2021年12月17日。プーチン大統領は、NATOの非拡大と中距離および短距離ミサイルの配備の制限に基づく「安全保障に関するアメリカ合衆国とロシア連邦との間の条約」草案を提出。

2022年1月26日。米国はロシアに対し、米国とNATOはNATO拡大問題をめぐってロシアと交渉しないと正式に返答し、ウクライナ戦争の拡大を避けるために交渉による道への扉を閉めた。米国は NATOの政策を援用し 、「同盟への加盟国を招待するいかなる決定も、全同盟国の合意に基づいて北大西洋評議会によって下される。第三国はそのような審議において発言権を持たない。」

2022 年 2 月 24 日。プーチン大統領は 国民に向けた演説の中で次のように宣言します。「過去 30 年にわたり、我々は平等かつ不可分な安全保障の原則に関して NATO 主要諸国との合意に達するために辛抱強く努力してきたのは事実です」ヨーロッパで。私たちの提案に対して、私たちは常に冷笑的な欺瞞や嘘、あるいは圧力や脅迫の試みに直面しましたが、一方で北大西洋同盟は私たちの抗議や懸念にもかかわらず拡大を続けました。その軍事機械は動いており、先ほども言ったように、まさに国境に近づいています。」

 

NATOの勢力範囲を一貫して拡大してきたのは西側であって、プーチンが領土拡張主義を画策してきたわけではない事は明らかと思います。

―――そしてウクライナ戦争につながります。―――

 

III.  Nation Statesの両義性

 

Nation Statesという英語には「国民国家」「民族国家」という二つの意味があることは以前説明しました。Nation Statesの概念はウエストファリア条約に遡って、封建制、民主制に関わらず、領土と支配権が確立された土地に住む者を国民として全体を国家と定義づけてゆく体制にあります(国民国家)。そしてフランス革命によって住民に主権の概念が生まれると、同じ生活習慣や言語を共にする人々の集団を「民族」として一体感を持って考える概念が芽生え、第一次大戦後の民族自決主義の高まりによって一民族一国家を望む風潮が高まったと言えます(民族国家)。ウクライナが国境を守る事は国民国家として正義ですが、ドンバス・ルガンスクのロシア語圏住民が自治を求めて独立し、ロシアへの帰属を国民投票で決めたのなら独立勢力とロシアに正義があります。米国は2008年にコソボの独立を認めたのですから、ウクライナ東部のロシア語圏の独立も認めないと矛盾してしまいます。ミンスク合意というのは国民国家、民族国家の両義性を両立させた優れた解決法だったのですから協定の遵守がウクライナ国民にとって最大の利益だったことは間違いありません。

 

IV.  EUという資本主義による政治支配体制に国家の命運を委ねて後悔しないか

 

EUは一時独自の軍備をフランス主導で検討したことがありましたが、現在は非軍事的な経済中心の連合国型合同政治組織で、米国はEUに加盟していません。また2020年1月に英国がEUから正式に離脱しましたが、コロナ騒動が始まり物流やヒトの移動も制限されたので、ブレグジットの冷静な分析はなされていないようにも思います。2022年のウクライナ戦争開始からは、EUも戦争当事国の様にウクライナへの武器支援などに積極的にコミットしており、EU自体がNATO加盟国の様な印象を持ちます。

マクロン大統領は参戦に前のめり(派遣していた特殊部隊がロシアのミサイルでやられたから?)

 

欧州のNATO加盟各国は、ウクライナ戦争にはやや腰が引けた対応であり、市民の選挙が関係ないEU政府の閣僚の方が戦争支援に積極的と感じます。要はウクライナ戦争は欧州内国家間の争いが趣旨ではなく、経済的欧米支配をロシアにも広げる、露中封じ込めを趣旨とした代理戦争であることが明らかなのだと思います。

他のNATO諸国は自国の軍は派遣しないと一斉に反論

EUを脱退した英国はむしろ主導してウクライナ戦争に関わっているよね、と暴露され。

核のボタンを押すのを拒否して首相を頸になった?トラス元首相は政治へのDS関与を暴露

 

そのような状況下で、スウェーデンが180年堅持してきた軍事的中立主義を易々と放棄してNATOに加盟することが国民の総意なのか、きわめて疑問であると思います。ちなみにフィンランド、スウェーデンは1995年にすでにEUには加盟して、経済的な恩恵は享受しています。

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