厚生労働省が2022年の人口動態統計速報を発表して、2022年は前年に比べて13万人多く死亡者が出ていた事、死者が前年に比べて著しく増加した月が2-3月、8月、12月と偏りがあった事などを記事にして、死亡者数の増加が新型コロナ感染症の死者数より遥かに多数であり、コロナ感染のみでは説明がつかない事からワクチンとの関連が示唆されることを推測しました。今回「超過死亡増加とワクチンとの関連」について、某政策集団から講演依頼をされたので、各国の超過死亡とワクチンとの関連なども含めてrakitarouなりの考察をまとめました。
2022年の前年比超過死亡が13万人であったという厚労省の速報と死亡者数の月別推移
I. 用いたデータについて
使用した資料は以前から公開されているOur World in Dataのものを使用しています。超過死亡の計算は各国で若干の差異はあるかも知れませんし、インドの様に公開されていない(人口が多すぎて速報が出せない)国もあります。厳密なものにはなり得ませんが、各国の傾向を比較する事は可能と考えます。またワクチン接種率は、3回目以降の接種傾向が各国で異なるため、初回の2回セットを終えた人口の%で比較しています。「コロナ死亡者数」については、新型コロナ感染症に感染し、発症し、重症化して死亡した「真のコロナ死亡」以外の「コロナPCR検査陽性で亡くなった人」が多数含まれている事が各国で問題になっており、日本においても第7波以降の大量感染においては、他の疾患で重症化し、PCR検査でコロナ陽性であったためにコロナ病棟に入院して亡くなった方がコロナ死亡の多数を占めている事は「明らかな真実」であるため、「コロナ陽性で亡くなった人数」という記載で比較図を作成しています。超過死亡の比較はプラスかマイナスかが重要なので0%に赤線を引き、20%の増加はかなり大きな増加(通常大災害がない限り±2%と言われるのでその10倍)なので20%増加ラインを緑にして各国比較しています。
II. 超過死亡の増加パターンが、国民のコロナ接種率によって異なる
今回の検討で明らかになった事は、各国ともコロナ感染症が流行し、感染者数、死亡者数の増加と連動して超過死亡数も増加している事です。しかし、ワクチン接種開始以降、コロナ陽性者の死亡に連動して超過死亡も増加するのですが、その増加程度が大きい国とそうでもない国に分かれる事が判明しました。南アフリカは国民のワクチン接種率が35%と低いので、ワクチン接種が開始されても超過死亡の増加程度があまり変わらないのですが、日本(83%)や韓国(86%)、オーストラリア(82%)は増加が大きくなっている様に見えます。ドイツ(76%)、英国(75%)、米国(69%)もコロナ陽性死亡が余り増えていない状況でもワクチン接種後の超過死亡の波が大きくなっている様に見えます(オレンジ色の〇)。
日本と韓国は国民のワクチン接種率は同様に高い。韓国は2022年初頭の極端なコロナ陽性死亡と連動した超過死亡の増加が目立つが、その前から超過死亡がプラスに転じて増加しつつあったことが解る。
オーストラリアは極端なロックダウン政策を取っていたが、2022年にコロナのブレイクがあったがその前から超過死亡がプラスに転じていた。
米国英国はコロナ陽性者の死亡と連動して超過死亡が増加しているが、2022年以降それに伴わない増加が目立つ。
ワクチン接種率の低い南アフリカはコロナ陽性者の死亡と超過死亡の増加が連動するのみに見える。
III. コロナもワクチンも毒性の本態はスパイク蛋白で同じ
新型コロナ感染症が治癒してからも血栓症や神経障害など長期的に症状が継続するコロナ感染後遺症、Long Covid症候群と呼ばれる疾患群の本態はコロナウイルスのスパイク蛋白によって出現する慢性的な炎症である事が知られています。またコロナ感染後遺症と同様の症状を呈するワクチン後遺症も、ワクチンがコロナウイルスのスパイク蛋白をmRNAによって自分の細胞に産生させる事でそれらが全身の血管などに作用して出現することが解っています。
コロナ感染後遺症、ワクチン後遺症ともにアンギオテンシン変換酵素受容体を介したスパイク蛋白による毒性が原因であると既に報告されている。
つまり、ワクチン接種もコロナに感染する事も体の中で起こる障害は同じであると言えます。超過死亡の増加がコロナ陽性者の死亡増加と連動しているにもかかわらず、それだけで説明がつかないのは、不顕性感染であってもスパイク蛋白による血栓症や神経障害など他の死因でなくなる人がかなりいるためではないかと推測されます。優れた論説を数多く発表するThe Unz Review編集長のRon Unz氏は、超過死亡の増加はワクチンではなく、コロナ感染後遺症で亡くなるヒトが沢山いるからであるという論説を出しているのですが、ワクチン自体もスパイク蛋白によって同じ後遺症を起こすという事実を無視した意見と言えます。コロナ陽性の死亡者増加と連動して超過死亡も増加している事から、「超過死亡の増加は全てワクチンのせいである」は誤りと考えますが、不顕性であれコロナに感染してスパイク蛋白に接する事は、新たにワクチン投与された事と同等の抗原刺激を受けたに等しい結果になるはずです。ワクチン接種者の多くがコロナに感染、発症したことも事実ですから、コロナ陽性の死亡者増加と連動して超過死亡も増加した事は、コロナ感染に伴うスパイク蛋白による障害でその他の死因による死亡者も増加したと考えるのは自然であり、それ以前のワクチンによる複数回のスパイク蛋白抗原刺激が血栓症などの発症を容易にした事も考えられます。
米国のブースターワクチン接種から約5か月後に、コロナ感染症流行の波がないにも関わらず超過死亡が増加した事を受けて、Steve Kirsch氏は氏のサブスタックで英国の報告も含めてワクチンが血栓症や癌などを引き起こして人を死に至らしめるのに平均5か月を要し、これは統計的にも確証される、という論考を記しました。米英の2022年になってからのコロナ流行とは別の超過死亡増加の説明になっているかも知れません。
これらの結果から私は超過死亡が増加したのは、「新型コロナ感染症とワクチン接種両方の後遺症による死亡者増加の結果」だろうと考えます。
IV. ワクチンによる心臓を含む全身へのスパイク蛋白沈着の病理学的証拠
以下にPalmer M氏らが2022年8月に発表したワクチン投与後に死亡した患者を病理解剖した際に見られた組織の免疫組織(酵素抗体法によるスパイク蛋白検出)所見を示します。ワクチンによって強制的に産生されたスパイク蛋白が体内の各組織、血管に沈着しえる事は紛れもない事実である事が解ると思います。
ワクチン注射部位の筋肉細胞で産生されたスパイク蛋白(茶色の染色)
ワクチン接種後の心筋に染色されたスパイク蛋白、右はコロナウイルスの本体を包む蛋白の染色でウイルス感染ではないのでスパイク蛋白しか染色されない。ワクチン心筋炎のHE染色像(右側、左は正常心筋像)
微小な動脈(左)と静脈(右)壁に染色されたワクチン接種後のスパイク蛋白(茶色)