rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

イスラエルの狙いは米軍の中東戦争参戦?

2024-09-28 15:51:44 | 政治

2023年10月7日のハマスによるイスラエル攻撃(アル・アクサ洪水)以来、イスラエルはガザに対してハマス殲滅の目的でほぼ無差別と言える攻撃を1年続けてきました。現在4万人を超える主に女性や子供の民間人死傷者が出ているにも関わらず、ハマスのイスラエルに対する反撃は収まっていません。2024年9月、新たにイスラエルは北に国境を接するレバノン・ヒズボラへの攻撃を強めていて、戦闘が収まる気配がありません。この戦闘は2006年のハマス、ヒズボラへの2正面戦争に類似してきており、2006年の時は約2か月の戦闘で100名以上のイスラエル兵の死亡、レバノン側は激しい空爆で市民を含む900名が死亡し、3000名が負傷、1/3が子供であり、国際的に大きな批難を受けることになりました。

現在のイスラエル2正面戦争は2006年の再現になりつつある。

I.  用意周到なヒズボラへの攻撃

2024年9月27日イスラエルはレバノンの首都ベイルートに激しい空爆を行い、住宅地地下のヒズボラ拠点を攻撃しました。同日国連総会に出席しているネタニヤフ首相は各国の激しい抗議、批判にも関わらず停戦に応ずる姿勢は見せず、世界中から顰蹙を買う結果になりました。レバノンでは9月17日と18日にポケベルや通信機、太陽光発電施設まで多くの電子機器が所かまわず一斉に爆発し、数千名の負傷者が出ました。米国メディアは米情報筋の話として、これらはイスラエル諜報機関のモサドが15年の歳月をかけて準備した秘密工作であると報道、NYTはこれら通信機器のヒズボラへの配布は2023年夏から始まったと報じました。

イスラエルを明確に批判するスピーカーには大きな拍手も起こる。

何故イスラエルが9月17日に攻撃対象を軍に規定せず、民間人や子供まで犠牲になるポケベルなどによる方法で一斉テロ攻撃を行ったかは、諸説ありましたが、現在のレバノンへの大規模な計画的攻撃からは「ヒズボラの準備態勢を崩すための先制攻撃」であったと言えるでしょう。そしてネタニヤフの国連における執拗な戦争継続宣言も合わせて考えると、イスラエルはレバノン、イランを挑発し続けて本格的戦闘に持ち込ませ、米軍を中東戦争に巻き込む事を目的としている様です。米軍は陸軍を中東戦争に参加させる計画はありません。それはウクライナへも同様で、NATO参戦につながるロシア国内への長距離ミサイル使用は英国は許可しそうになりましたが、米国は明確に否定しました(珍しくバイデンが英国からやってきたスターマーに激怒し、ゼレンスキーも適当にあしらわれて帰された)。装備、兵員の状況からも無理です。それは米軍内部のみならず、国防総省も明確に示しています。現在通常軍備では、イスラエルはヒズボラにもイランにも劣ります。しかしイスラエルには核を使用する奥の手があります。米国としては中東で核戦争が起こる事は看過できないため、イスラエル軍に加勢せざるを得なくなるとネタニヤフとAIPACは踏んでいるのでしょう。

 

II.  911ではイスラエルが米軍の中東派兵を成功させた

レバノンにおける用意周到な大規模テロ攻撃は、911以来という評価がありますが、米国では911自体をイスラエルのモサドによる用意周到なテロ攻撃であり、結果的に米国をイラク、アフガニスタンに派兵させ、イスラエルの宿敵を排除させることに成功したという分析もあります。2024年9月12日に発表されたワイアット・ピーターソン氏による13000語に及ぶ論考は、当日アフガニスタンの軍病院で透析を受けていたオサマビンラディンと20名足らずの飛行操縦を1から習ったばかりのサウジアラビアの若者があのような緻密に計画されたテロを実行する事が不可能であったこと。911という犯罪を隠蔽するために、準備(ツインタワーの所有や警備会社の所属)、政府対応(政権内に多くのユダヤとネオコン)、事後調査、メディア、法手続きなど細部にわたって全てイスラエルとユダヤ財閥、ネオコン関係者が関与したことを実名付で証明しています。1987年以来WTCの警備契約はテルアビブに本社のあるアトウェル・セキュリティー社が担っており、テロ攻撃の2か月前2001年7月にWTCの所有がNY港湾局から富豪のシオニスト、ラリー・シルバースタインに移っており、彼が1400万ドルしか支払い終えていないうちにテロ攻撃で45億5千万ドルの保険金を受け取り、瓦礫も早々に中国に移送してから処分し、大金を得た事。激突した航空機の空港警備がICTSというイスラエル企業であったこと。飛行機が激突していないWTC7ビルがツインタワー崩壊の数分後には「ここも崩壊するから退避する。」という決定が下されたくだりなど興味深く説明されています。

911後、事件とイラクは全く関係なかったのに「テロとの戦い」という名の下、既定路線の如く派兵命令が下された事は種々の映画などでも紹介された通りであり、大量破壊兵器の存在もでっち上げであったことが事実として証明されています。イスラエルを敵視せず、中東の既存組織を破壊したISの存在や、ネオコン主導でその後展開されたリビアやエジプト、シリアの民主革命(米国・ネオコン寄りの政権を作る)など911以降の展開はイスラエルを利するものであったことは確かです。

 

III.  ウクライナ、中東の今後の展開は?

ウクライナが開発したと言われる新型長距離ミサイルドローンも戦況全体を変える力はなさそうだ。

ウクライナでは、クルスク侵攻は失敗であったものの、ウクライナ製の新兵器(ミサイルドローン)を使ったロシア弾薬集積所への長距離攻撃は一定の成功を見せていますが、戦況を変えるほどの効果はないようです。一方でドンバスの都市がロシア軍に次々と陥落しており、半数以上が平均年齢40歳を超える新兵からなるウクライナ軍の消耗は一層激しくなっています。

米国大統領選はCNNでさえ接戦と評していて、10月に再度CNN主催で討論会を開いて雌雄を決しようとしています。日本は米国から嫌われているから無理かと思った石破氏が自民党総裁に選抜され、ロスチャイルド(麻生)が推す高市(その前は河野だったがあまりの不人気に転換した)は決選投票で13票しか伸びず、いかに麻生が嫌われているかが明確になりました。米国(岸田を切り、菅に小泉を推させた)推しの小泉は中身の無さはカマラ・ハリス並みで、竹中平蔵が米国(ダボス会議)の指示通りに後ろで操るには都合が良かったのでしょうが、落ち目の世界経済フォーラムがヤンググローバルリーダーとして推薦(指示通りに動くコマ)していた河野、小泉、高市にならず本当に良かったです。乱世の2025年を乗り切るには肝の座った石破氏が総理で良かったと心から思います。

トランプが大統領になればウクライナからは直ぐに手を引けると思われますが、米国は政官財メディアの全てにイスラエルとモサドが入り込んでいるから中東紛争はかなり厄介な状況になるでしょう。レバノン、イランはイスラエルの大規模戦争化の狙いを見越して、激しい挑発にも乗らない自制心を見せていますが、イスラエルの挑発は激しくなる一方です。選挙のある11月までが挑発の勝負と見ているでしょうが、イランの新大統領は米国へ非戦闘的態度を示しており、何とか狂ったようなイスラエルの挑発を乗り切れば、世界を敵に回して経済がほぼゼロに転落したイスラエルは自滅の道をたどると思われます。

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映画「コンタクト」感想

2024-09-26 10:21:05 | 映画

映画「コンタクト」1997年(米国)監督ロバート・ゼメキス、原作カール・セーガン。

あらすじ(ネタバレあり)

地球外生命体とのコンタクトを目指すSETIプロジェクト研究者エリナー・アロウェイ(ジョディ・フォスター)はアレシボ天文台で探査と研究をしていた。しかし、先の見えないSETIプロジェクトに対し懐疑的な天文学の権威ドラムリンによって、彼女のチームは研究費とアレシボの利用権を打ち切られ、研究は中断を余儀なくさせられてしまう。

エリーは独自の資金を求め、ついにS・R・ハデンという富豪スポンサーを得ることに成功する。こうして彼女は遂にヴェガから断続的に発信し続けられる有意な電波信号を受信。早速その解析を進めるが、独断でこれを公にしたことで政府(NSA)が介入。探査は進むが、次第にエリーの思惑とは関係ない方向へと事態が進行し、ヴェガからの指示に基づく時空を超える宇宙船建造につながる。

時空を超える装置のモチーフは2017年のやはり異星人とのファーストコンタクトを主題としたロシア映画「アトラクション」でも使われた。

アトラクションのシーン(スペクタクル的にはこちらが上か)

宇宙船第一号機はテロにより破壊されるが、日本の北海道局地に極秘で作られた第二号からエリーはヴェガに旅立ち、ワームホールらしきものを経由し、天国のようなヴェガにたどり着く。エリーはそこで父親を見つけるが、それはただ父親の容姿をしたイメージ。異星人は何億年もの間知的生命体とこのような方式でコンタクトを取っているのだと言い、さらにこの接触は第一段階であり、また会おうとジョディは地球に送り戻される。この間18時間だったが、地球ではマシーンから球体が落ちて着水するまでの時間しか経過しておらず、このプロジェクトは失敗であり、エリーの体験も幻覚だとされるという展開。

宇宙へのロマンを哲学的に追及したカール・セーガンの小説がBack to the futureやフォレストガンプを手掛けたロバート・ゼメキス監督によってスペクタクルで見やすくなったという内容。しかし元々やや難解で退屈なカール・セーガンの作品なので、スピルバーグの様なエイリアン物を期待した人には物足りなさが残る内容と思います。人類の祖先は細菌から進化したものではなく、宇宙から来たのではないか?神とは宇宙にいるのでは?といった思想とつながっています。物語では、政府や学会の世俗的なしがらみや見栄でプロジェクトが翻弄されるのですが、科学、哲学、宗教は全て「真実」を求める点でその目的は共通するものである、というセーガンの考えに基づいて物語が構成されている点が興味深いものでした。エリーが体験した内容を記録した媒体が全てジャミングで解析不能になっていたものの、長さは地球時間の数秒ではなく宇宙時間の18時間であったり、地球外生命体の知性をほのめかす証拠は残されるものの、結局地道に人類自ら真実を探求しつづける、という結論も良き時代のハリウッド映画(米国)を感じさせる内容でした。この後米国資本主義が世界を支配し続けることで「真実追求」よりも「金と権力の維持」が世の中のインセンティブになってしまい、911、テロとの戦争、グローバリズムの台頭、ネオコン・軍産による世界支配、映画界を含むメディア統制(検閲産業複合体)の現在へと進んでしまった事が残念に思います。

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NHK映像の世紀・バラフライエフェクト「9.11あの日が変えた私の人生」感想

2024-09-19 15:02:32 | その他

NHKは時々良く推敲された素晴らしい番組、ドキュメンタリーを放送しますが、これもその一つとして備忘録的に記しておきます。2001年の米国9.11事件、特に世界貿易センタービルへのテロ及び倒壊事件を切掛けにして、世界中の人達の運命を変えた事情をドキュメントした作品でした。

I.  理不尽な一方的暴力(テロ)にどう向き合うか

 

作品の大きなテーマは「突然テロの犠牲者になる」という「理不尽な一方的暴力」にどう向き合うか?という難しいテーマです。番組では大きく「感情による対応」と「理性による対応」の例を紹介します。

理不尽な一方的暴力に「感情」で対応すると「暴力的復讐」になります。米国は国家として911を首謀したアル・カーイダと連携したとするアフガニスタンのタリバン政権、大量破壊兵器を隠匿するイラクを武力攻撃しました。これらは戦争利得者(warmonger)達には用意周到だった可能性さえ取りざたされていますが、米国民を「テロとの戦争」に駆り立てた点では正に「感情による対応」の結果でした。もう一つの例が米国内でのアラブ系住民への迫害で、実際に「正義のため」と信じてアラブ系米国人を銃で複数名殺害したマーク・ストローマンの例が紹介されます。

911では世界貿易センタービルに勤務していた14名の日本人も犠牲になったのですが、テロで息子を失った日本人の2人の父親の対応が「理性による対応」の例として紹介されます。一人は事件を明らかにするため、米国政府の数百ページに及ぶ911事件の正式報告書の日本語訳を数年かけて書籍として出版する人。もう一人はテロの首謀者とされるウサマ・ビンラディンに手紙を書き、アフガニスタンに出向いて地元の人達と交流する人が紹介されます。アフガニスタンでは米軍の一方的な攻撃で手足を失ったり重症を負った人達に出会います。特に重症を負った少年との交流が紹介されますが、その少年は米国の理不尽な一方的暴力(テロ)に復讐で報いたい、と感情による対応を誓います。

 

II.  どちらの対応にも正答はない

 

「理性による対応」で探していた答えが得られたか?というと得られません。それは模索に終わります。「感情による対応」は一時的カタルシスを得るように見えますが、現実としては新たな「理不尽な一方的暴力」を産みだし、憎悪の連鎖が広がる結果を突きつけられます。つまり理性の対応に答えはなく、感情の対応は「誤りの答え」しか出ないという事です。

アフガニスタンで復讐を誓った少年の10数年後現在の正確なその後は不明ながら、米軍がアフガン撤退時に米兵にテロ攻撃を行って死亡したタリバン兵が少年と同じ姓名だったと紹介されます。アラブ系米国人を無差別的に殺害攻撃し、死刑が確定したストローマンは、彼の銃撃で片目の視力を失った被害者からの助命嘆願運動を聞かされます。死を前にしたストローマンは自分が一方的に攻撃した相手に涙ながらに「自分が間違っていた事、相手の行動は次のストローマンを産みださないために貴重な行動である事」をビデオ通話で語り掛けます。ストローマンに攻撃された被害者は「彼が死刑になってもテロに対する感情的な対応で新たな悲劇が生まれる社会自体は何も変わらない」と助命運動の動機を語ります。

III.  テロへの正しい対応

 

テロリストを警察活動によって追い詰め、逮捕して裁判で全ての背後関係などを明らかにして裁きを受けさせる事は正しい対応と思います。テロを起こすに至った背景や経緯を明らかにし、社会として対応する事も新たなテロを防ぐ上で重要でしょう。理不尽な一方的暴力を受けた個人は、感情で対応する事は誤った答えしか出ず、理性で対応しても望む答えは出ないという苦しい立場です。だからといって「国家」としてテロリストが属した国家と戦争による報復を行う事も正しい結果は産まないでしょう。番組としてウクライナ戦争や昨年10月のハマスの攻撃に対するイスラエルの対応はどうなの?と問いかけはしないものの、「誤った答えは解るが、正しい答えは出ない」という結論を短い時間で描いた点は一見の価値がある優れたドキュメンタリーだったと思います。

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Consolidated Liberator Mk3 (PB4Y-1) Revell 1/72

2024-09-17 17:15:02 | プラモデル

B-24 リベレーターの海上哨戒機版であるPB4Yを作りました。1960年代のレベル製で当時郡是産業から発売されていました。設計図にはイギリス海軍向けの塗装説明とスライドマークも付いていて米軍仕様とどちらも選択可能だったのですが、イギリス海軍向けを元々作るつもりであったのでそちらを選択。英国海軍のリベレーターはMk1、Mk3ともハセガワから2000年以降の新しい金型のものが出ているのですが、現在入手困難であり、中古プラモ点で見つけた古いレベルキットからASVレーダーなどはスクラッチで作製することにしました。

同じスコードロン内の機体にも種々のバリアントがある。プロペラは厚かったのでアカデミーのBー17から流用。

 

1941年カリフォルニア州サンディエゴのコンソリデーテッド社でAM929として4発重爆がロールアウトされると、U-boatによる通商路破壊に悩まされ、航続距離の長い対潜哨戒機を必要としていた英国は、早速英国製の機雷などを搭載し、ASVII対海上レーダーを装着できる改装版をLiberator Mk1として発注しました。1942年8月に北アイルランドのバリケリーの第120対戦哨戒隊に配属されると、米国から供与されていたカタリナやB−17以上の活躍を終戦まで発揮しました。種々のバリエーションがあるものの、B-24としては18,188機が生産され、英国海軍には164機が供与されました。大戦中損傷を含めて93隻のU-boatがB−24(米海軍所属を含む)によって沈められたと記録されています。Liberator 3(PB4Y-1)はB−24D型が改装されたもので、Platt & Whitney R1830 supercharger1,200馬力エンジンを4機搭載、巡航速度は346kmで、航続距離は薬2,500km。爆弾搭載量は1,200-3,000kgでした。対潜哨戒型は上下部の旋回銃座を省略したものや、ASVレーダーの他に夜間照射用レイライトを翼に付けた機体、機首や機体中央下部にレーダードームを装着した種々の派生型がありました。

機首の機銃用の穴からレーダーアンテナを出す。無線ワイヤも哨戒機は胴体から直接出ていた様だ。下面銃座は撤去。

 

モデルは自分とほぼ同じ年齢の古いもので、子供の頃から模型屋で見かけたものでしたが、レベル製B−24D爆撃機型は中学の頃作りましたが、PB4Yは初めてです。機体内部や操縦席はえらく簡略化されていて、他の模型の流用や厚紙などから追加の器材を作製しました。銃手を含めて5名の搭乗員が付いていて、定員は7名なので模型に載せる分としては十分でした。ASV II radar は支柱などがSunderland飛行艇、B-17、ウエリントンなどでそれぞれバリエーションがあるので、今回は伸ばしライナーから自作してみましたが、曲がってしまう傾向があり、真鍮線で作り直しました。整合は比較的良好だったものの、付いていたスライドマークは流石に全く使えず、別買いの物を使用しました。前輪降着モデルでB-24は特に前よりに車輪があるため、機体が片手で持てない程機体前部に重りを入れる必要があります。これで十分と思っても、H型尾翼を付けたら後ろにのめったため、まだ付けてなかったエンジン部を丸くくり抜いて3gの釣り用の重り8個を追加、計50g近くを粘土と共に機体前部に入れて、やっと自立しました。機体上面はエクストラダークシーグレーとダークスレートグレーの迷彩、下面は白ですが、疲労感を出すために白のサーフィサーを吹いた後にレッドブラウンを縦のリベット部に筆塗りしてからつや消し白をスプレーしました。下面は淡いグレーの墨入れを軽く施しました。エンジンカウルの熱排出用に可動する部分は2Bの鉛筆でスジを入れると綺麗に入ります。機首に旋回機銃のあるAirfix製B−24Hと並べてみました。

上面はエクストラダークシーグレーとダークスレートグレーの迷彩。

Airfixの爆撃機型B-24H

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崩壊するクルスク戦線と英国権力層の賭け

2024-09-12 13:14:45 | 社会

9月11日のクルスク戦線は、前回本ブログに示した様に補給を断たれて陣地戦に陥ったウクライナ侵攻軍が包囲殲滅される方向に向かっています。図で示される様に、クルスク西部は既にロシア軍部隊に包囲され、北部へ突出した部隊も補給路を分断され包囲されつつあります。先週クルスク近郊のウクライナ側にあるスミ近郊にあるウクライナ軍の集中補給基地がイスカンデル超音速ミサイルで攻撃され、武器、砲弾の車列が壊滅してクルスクへの補給が断たれた状態でした。

9月12日クルスク侵攻部隊はロシアによる包囲殲滅戦の危機にある。 ウクライナ側の物資補給部隊は9月初旬のロシアによるミサイル攻撃で壊滅状態

その様な中、ブリンケン長官はウクライナを訪問、ゼレンスキー氏が懇願する供与されたミサイルのロシア領内への長距離使用許可を求めました。選挙を前にした米国は既にウクライナ支援は腰が引けていて、NATOの直接参戦につながるミサイルの長距離使用には消極的ですが、EUなどどうでも良い英国権力層は供与したストームシャドウのロシア領内使用を既に許可したと言われ、NATOとして英国は戦争参戦する気満々の様です。欧州全体がウクライナの様な廃墟になっても良いと英国(権力層DS)は考えており、欧州市民達はふざけるな!という想いでしょう。それは今回のドイツ州議会選結果にも表れています。

愚かにも英国DS勢力はミサイルのロシア領内使用許可を既に出してしまった。 ブリンケン長官はレイムダックのバイデン政権として戦争開始の責任を取りたくない(許可すれば100%選挙には負けるだろう)から金で何とか誤魔化したい。

欧州の市民は自国が戦場になるなど絶対否である。「辛い結果」を免れたいのは市民の方だ!  ハリス氏との討論会でもトランプ氏は無駄な死をなくすウクライナ停戦を主張

 

〇 トランプ・ハリス討論会の行方

共和党のグローバル派(悪名高いチェイニーとか)からも支持してもらってるの、と討論会で得意げに話すハリス氏 WSJは中間層の収入はトランプ氏の2019年の方が多かったと指摘

9月10日接戦州のペンシルベニア州フィラデルフィアで民主党を支持するABCニュース主催で行われた討論会は、米国主流メディアは、まともに討論できなかったバイデン氏に比して、トランプ氏への口撃がしっかりできたと高評価です。しかし経済や移民問題について司会者からの質問にも答えず、司会者も敢えてそれ以上答えを要求しないなどハリス氏のempty suit(中身のなさ)ぶりについてはそのままで、トランプ氏の「あなたは権力についていたこの3年半何もやらなかった。今からでも遅くないからホワイトハウスに戻ってあなたが今素晴らしいと自賛している政策をやるべきだ。」という最後の言葉が現在の彼女の実力を表していたと思います。討論会後に歌手のテイラー・スイフトがハリスを支持したと話題でしたが、トランプを支持していたらあらゆるメディアから大批判を受けていたでしょう。ポピュリズムを批判するメディアが人気者の動向を大喜びで報道する様は異様です。

体制派グローバル側を支持すればメディアから褒めてもらえる哀れな芸能人達   比較的中立なC-spanの討論結果の集計(9月12日31万人)

 

〇 体制派としてのグローバリズム

 

社会は常に「反体制」の存在を必要とします。しかし体制派の権力維持が困難になるほど、反体制への締め付けが強くなるのが世の常です。1990年代にソ連東側の社会主義国家が倒れて、経済だけは世界中が資本主義になると、経済が国の垣根を超えてグローバル経済として発達し、資本の元になる会社も世界規模になって世界統一基準(グローバリズム)が2010年以降主流になって「体制」を形作ります。ここで「反体制」となるのは社会主義経済ではなく、同じ資本主義でも多極(multi-nodal or multi-polar)な体制であり、輪転機を回して無限に「資本」を作れる西側先進国(G7)と対立して行きます。輪転機を回し過ぎてグローバル陣営の資本主義が実体経済に対する信用経済の割合が大きくなりすぎて、富の偏在が極端になりすぎ、健全な成長が望めなくなると、実体経済(食料、資源、人材と消費)がG7よりも大きい多極主義陣営(BRICS、グローバルサウス)が経済の主導権を取ろうとしてきます。西側とみられていたサウジアラビアやトルコは既に多極側に傾きつつあります。米国も共和党・トランプ陣営は多極主義の一極を米国に置くという政策ですが、グローバル陣営は民主党を勝たせようと支配するメディアを駆使してあらゆる手でトランプ勝利を阻止しているのが現在の状況です。

体制派であるグローバル陣営は、自由と民主主義を守ると言いながら、表現の自由を元に民主主義的に多極主義に移行することをあらゆる専制主義的制限と束縛で阻止しています。多極主義への移行を「分断」と称して、グローバリズムによる思想統一が素晴らしい事である様な幻想を押し付けますが、日本のメディアはまだ体制派であるグローバリズム一色であり、日本国民が意識改革に目覚めるのがいつになるか未定です。歴史的には、日本人は明治維新による幕藩体制から天皇制への移行、終戦による天皇制から立憲君主制への移行と反体制だったものが一機に体制へと変換する歴史変革に慣れているとも言えます。グローバリズムから多極主義への移行は今までの革命的大転換に比べれば大した変革ではありません。私は多極主義派で現在は反体制ですが、米国がトランプ体制になり、ウクライナ戦争が終結し、イスラエルが消滅して世界が平和になると、日本の意識変革、体制移行もスムーズに行われるでしょう。

しかし断末魔のグローバル陣営による画策が成功して、ウクライナ・NATOが世界戦争になり、中東も米国・イスラエル対イラン・アラブ諸国の世界戦争になると、世界中の多くの一般市民がくだらない戦争の犠牲になり、多くの文化・資産が失われる人類の大損失につながる事になるでしょう。そうならないための論説を私は細々と続けていますが、主流メディアでの議論が普通に行われる日本に早くなって欲しいものです。

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最期の賭けだったかもしれないウクライナのクルスク侵攻

2024-09-07 09:03:55 | 社会

ロシアはウクライナ全土の電気などの重要インフラに容赦ないミサイル攻撃を仕掛け、既にウクライナで電気が使えるのは30%あるかどうかと言われています。これは日常生活のみならず、補給や傷病者の医療にも深刻な影響を与えます。2024年の8月初旬にウクライナ軍はNATO指揮下に東部戦線から使える軍備を引き揚げてクルスク侵攻に踏み切りましたが、これは客観的にはPublicity Stunt(人目を引くPR活動)にしか見えませんでしたがゼレンスキー前大統領にとっては「最期の賭け」だった様です。つまりロシア軍の虚を突いてクルスク原発(核施設)を確保し、ロシアと有利な条件で交渉をする、或いはNATOを本格的に対ロシア戦争に引き込む、事を目的としていたらしいことがウクライナ軍捕虜などの証言で明らかにされています。

 

I.  沈む船から大挙して逃げ出す

 

NATOから供与された(オランダから?)虎の子のF-16戦闘機は、味方のパトリオットに対ドローン攻撃の混戦の最中に撃墜され、オレシュチュク空軍最高司令官は責任を取って罷免されました。NATOのIFF(Identity Friendly Foe)システムが対応しきれていない事が原因とも言われていますが、防空・防衛システムが不十分であり、混乱していることは間違いありません。

虎の子のF-16撃墜はウクライナ友軍か

クルスクに侵攻したウクライナ軍はほぼ壊滅状態で、残る軍を再び敗走しつつある東部戦線に再配置しているのがシルスキ司令官の現状であり、ロシア軍は大型誘導爆弾などで大きくロシア領内に引き入れて退却しきれなくなったウクライナ軍残党を殲滅しています。侵攻したウクライナ軍にとっては、戦車や装甲車などがほぼ破壊されて補給線が伸びた状態で陣地戦を強いられる最悪の状態と言えます。

沈む船から大挙して逃げ出す人達

 

9月初旬、とうとう沈む船から大挙して逃げるネズミの様にウクライナ中枢のメンバーが次々と辞任し始めました。外相のドミトロ・クレバ氏、法相のデニス・マリウスカ氏、戦略産業大臣アレクサンダー・カムイシン氏、ルスラン・ストレレツ環境・資源大臣、オルガ・ステファニシナ副首相、イリナ・ヴェレシュチュク副首相、大統領府副長官のロスティスラフ・シュルマ氏などです。逃げられないウクライナ市民が一番悲惨な目に遭います。日本国民はウクライナに戦争継続を応援することは止めるべきだ。

 

II.  軍事訓練センターミサイル攻撃

現地からは被害の悲惨な状況が報告されている。

9月3日のポルタヴァにある軍事通信教育研究所に対するロシアの極超音速ミサイル攻撃は、長年の中立政策を棄ててNATO入りを果たしたスウェーデンからの教官を含む200名以上(一説ではもっと)が死亡、300-500名が負傷したと言われ、米軍の現役中佐も非公式ながら(同日ポーランドで死亡と発表)犠牲になった様です。この攻撃で明らかな事は極超音速ミサイルによる攻撃は防ぎようがない、空襲警報が鳴ったと同時に避難する時間なくミサイルが着弾するという現実です。西側メディアはロシアのミサイル攻撃による民間人の死傷者数を発表しますが、多くは軍事施設を狙ったミサイルをウクライナ側のミサイルで撃ち落とした結果の破片などによる被弾であるため、死傷者が10名程度で済んでいるのであって、初めから居住施設を狙った場合は数百名の犠牲者が出るのが普通です。

 

III.  その他の戦術の進化

ウクライナ軍の実態は訓練不足による犠牲の増大が深刻と言われます。友軍への誤射で負傷する兵士も多いのが現実でしょう。軍歴を知らない日本人には理解困難でしょうが、戦場で撃つ、撃たないの判断を正しくできるようになるには訓練を含めて数年はかかります。それまでは経験豊富な下士官、兵に従う事が生き残る手段であることは洋の東西を問いません。そのような中でも戦争の長期化によって戦術の進化は進んでいます。

前回ある程度まとめて、2024年7月号の「紙の爆弾」誌にも発表しましたが、それ以降の進化として、(1)高精度ドローンの撃墜に安価な自爆ドローンが多用される、(ISR情報、観察、偵察の取得が開戦初期より困難になりつつある)(2)ドローンや通信の妨害技術が発達し、有線(光ファイバー)ドローンの有用性が認識され、偵察や車両への自爆ドローン攻撃に実用化、といったことが挙げられます。これらは既に中国軍ほか各国の陸軍戦闘教範に取り入れられて訓練で応用されると思います。わが陸上自衛隊の教範や戦術訓練も当然改定されつつあると期待しますが、その変化の速さは驚くばかりです。

ロシアで実戦に使用されている光ファイバー誘導ドローン

 

IV.  ネタニヤフの敵はハマス、ヒズボラ、イラン、ユダヤ教徒、政権内部、イスラエル国民

9月2日人質になっていたイスラエル市民6名が遺体で返還されたことに怒ったイスラエル国民は、真摯に人質解放交渉を行わずガザ虐殺を続けるネタニヤフ政府に対してゼネストを行いました。既にイスラエル経済は壊滅的打撃を受けており、政権内部からもネタニヤフ首相を批判する声が多く見られます。バイデン政権とAIPAC、米国議会はいつまで世界を敵にまわしてネタニヤフを応援し続けるのでしょう。一体何の国益が米国と米国民にあるのでしょうか?

 

V.  日本にも拡大する検閲産業複合体

9月6日発売の「紙の爆弾2024年10月号」に拙の論説が掲載されていますので、ご笑覧下さい。巻頭にカラーの図も載っています。

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