(つづき)
合鴨は僕の足元までくると、軽く頭を下げたあと話しはじめた。
「出てきてくれて、本当にありがとうございます。
どうかワタシの話しをしばしお聞きください。
ご存じの通り、ワタシは合鴨であるがゆえに、飛ぶ能力がありません。
仲間たちの中には 少しばかり飛べるのもいるようですが…私たち兄弟は 飼い主に飛べないよう細工されたおかげで全くもって飛ぶコトができません。
…矛盾した事を言うようですが最後に一度だけ“空を飛んでみたい”というのが望みなのです」
僕は合鴨の話をだまって聞いていた。
(つづく)
合鴨は僕の足元までくると、軽く頭を下げたあと話しはじめた。
「出てきてくれて、本当にありがとうございます。
どうかワタシの話しをしばしお聞きください。
ご存じの通り、ワタシは合鴨であるがゆえに、飛ぶ能力がありません。
仲間たちの中には 少しばかり飛べるのもいるようですが…私たち兄弟は 飼い主に飛べないよう細工されたおかげで全くもって飛ぶコトができません。
…矛盾した事を言うようですが最後に一度だけ“空を飛んでみたい”というのが望みなのです」
僕は合鴨の話をだまって聞いていた。
(つづく)