(つづき)
しばらく橋の上からスカイツリーを眺めていた。
辺りはどんどん明るくなり、人や車の往来が激しくなってきた。
まさに“一日の始まり”といった感じだった。
全てが目覚め、活動し始めるのとは逆に 僕にはすごい眠気がやってきた。徹夜に近い状態なので無理もない。
眠気まなこをこすりながらも、相変わらずスカイツリーを眺めていると、一羽の鳥が飛びたつのが見えた。
不器用に飛ぶ姿から察するに あの合鴨に違いない。
合鴨は一生懸命に羽をばたつかせているが どんどん降下していく…このままじゃ 落ちてしまう!と思った瞬間 うまく上昇気流にのり、ふわっと浮き上がると それ以降は無駄に羽をばたつかせることなく、羽を広げたまま、体を左右に傾けてゆらゆらと風にのりだした。
どうやらコツをつかんだらしく、みるみるうちに合鴨の姿が小さく…そして見えなくなった。
「無事に神の島に辿りつけるだろうか?」
合鴨を見送ると、僕は東武線の電車に乗り家路についた。
(第一部 おわり 第二部へとつづく)
しばらく橋の上からスカイツリーを眺めていた。
辺りはどんどん明るくなり、人や車の往来が激しくなってきた。
まさに“一日の始まり”といった感じだった。
全てが目覚め、活動し始めるのとは逆に 僕にはすごい眠気がやってきた。徹夜に近い状態なので無理もない。
眠気まなこをこすりながらも、相変わらずスカイツリーを眺めていると、一羽の鳥が飛びたつのが見えた。
不器用に飛ぶ姿から察するに あの合鴨に違いない。
合鴨は一生懸命に羽をばたつかせているが どんどん降下していく…このままじゃ 落ちてしまう!と思った瞬間 うまく上昇気流にのり、ふわっと浮き上がると それ以降は無駄に羽をばたつかせることなく、羽を広げたまま、体を左右に傾けてゆらゆらと風にのりだした。
どうやらコツをつかんだらしく、みるみるうちに合鴨の姿が小さく…そして見えなくなった。
「無事に神の島に辿りつけるだろうか?」
合鴨を見送ると、僕は東武線の電車に乗り家路についた。
(第一部 おわり 第二部へとつづく)