健康志向煽情は更新創出されていく。結果が降ってくるのをただ受けるだけとは、人間として、如何か。と、はっきりは言っていないが。ひとは予測及ばぬ治療のために健康保険税を払い、病気にならないためにサプリメントを服み、より健康になるために一日30品目を目指し、病気になったときのためにアリコかアフラックガアガアに払い、長生きすることになっているので貯蓄や年金に気を遣い、ついでに早死にするかもしれないので墓地を買っておく。
私もお金があればそのようにするが、できるのはせいぜい健康保険税支払いだけなので、ヨダさんの話とナカジマさんの話で少し気を紛らす。彼女たちのようにそれを主義主張として持っていれば、それこそ既に免疫力だろう。
ヨダさんは、サプリメントは人の発見した栄養素であり、バナナ一本の中にも、人がまだ、存在も、また当然その効果をも発見していない栄養素がどれだけあるだろうか、発見された栄養素よりずっと多いと思うんだよねと言う。
ナカジマさんは、あたしは炭水化物しか食べてないよ。必要になったら欲しくなるんだから。と言う。そうだよね無理と頑張りで野菜食べて体壊しちゃおしまいだよねと応じる私のまじめ半分ふまじめ半分に当然といった顔をしている。
出がけに思いついての走りがきとはいえ、金魚を空に泳がせるぐらいできないか。神楽坂まつりは、短い時間、雰囲気だけで気が済んだ。なぜかナカジマさんは「バナナ持ってきたの。どこで食べようか」と言う。面食らって、バナナも食べてるじゃんと突っ込む発想もなかった。ちなみにバナナはさっきうちで戴いた。