マリリンの映画日記

エッセイスト瀧澤陽子の映画ブログです!新作映画からオールドムービーまで幅広く綴っております。

ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢

2008年10月18日 | 映画
 

 リストラにあったり、受験に落ちたり、失恋したりと、人生何もかも上手くいかず自信喪失に陥っている人がいたなら、この作品は「自信回復、滋養強壮」の心の特効薬になってくれるだろう。

 16年ぶりに再演されるミュージカル『コーラスライン』の苛酷なオーディション風景を追ったドキュメンタリー映画だ。全世界から3000人の応募者が集まり、8ヶ月間にわたる最終選考までで、選ばれるのはたった19人だけ。

 約200倍の倍率だ。

 第一審査、第二審査、第三審査の結果発表の冷たさと情け容赦なさ。

「呼ばれた番号の人だけ残って。後の人は帰っていいです」

 この日のためにプロアマ問わずに頑張ってきた応募者たちが、あっさりとオーディション会場から放り出される。さすがにアメリカのショービスはハンパなく厳しい。だからこそ、素晴らしいスターが育つのだと思った。

 不合格になったダンサーたちも、瞬間は絶望で泣き喚くが、必ず彼らは声を揃えて言う。「次に挑戦する」と。打たれても打たれても、挫折することなく、果敢に次に挑戦する不合格者の姿に、勇気が出ること間違いなしだ。

「夢」という、実は異状で抽象的な非現実の曖昧な世界の中で、逞しく「夢」を追い求め、勝ち取る若者たちのパワーにも圧倒される。

 日本からは沖縄出身の高良結香さんが、その夢を実現させた。かなり前の完成披露試写の時に特別ゲストとして出演してくれた。とても小さな女の子だが、巧みなダンスとその声量の力強さに度肝を抜かれた。だからこそ、3000分の19に残れた一人なのだろう。



ブロードウェイ♪ブロードウェイ公式サイト

10月25日より新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマほかにて全国ロードーショー

監督 ジェイムズ・D・スターン&アダム・デル・デオ

出演  『コーラスライン』のオーディションを受ける人々