あのマイケル・ムーア監督である。最新作である。
今回、ムーア監督は、アメリカを出て、イタリア、フランス、フィンランド、スロベニア、ドイツ、ポルトガル、ノルウエー、チュニジア、アイスランドに上陸する。
それぞれの国には、それぞれの問題や病巣があるのだが、ムーア監督はアメリカが見習うべきそれぞれの国の優れた常識を発見する。
その痛快さったらない。たとえば、フランスの小学校の給食は食器はすべて陶器、贅を尽くしたフレンチフルコースが支給されている。しかも無料。スロベニアでは、学校の授業料がすべて無料。
アメリカでは考えらない常識である。そして、これはまさにアメリカを踏襲している日本の常識にも然りなのである。
ムーア監督が日本に来なかった理由もこの辺にあるのかもしれない。
いずれにしても、ムーア監督が侵略する9か国は存分に楽しめる。暗い世界観の中で、なぜかポジティブになれ、大きな希望が持てる痛快なドキュメンタリーコメディになっている。
改めて、マイケル・ムーア監督に感服である。
5月27日から公開 TOHOシネマズみゆき座、角川シネマ新宿などでロードーショー。