年末に、安倍総理が靖国神社を参拝したことで、中国や韓国から手厳しい批判を受けている。
安倍さんが、どんなに靖国参拝を正当化したところで、戦犯を祭ってある以上、中国や韓国にとって、侵略され大虐殺をした張本人を崇めているとしか思えないのではないだろうか。
この一件で、安倍さんは外交が下手くそ、うまく演出ができない不器用ものだと、世界に発信してしまった。
さて、私は2014年1月11日から公開される『さよなら、アドルフ』と、この問題がどこかでリンクするのではないかと、思った。
第2次世界対戦直後のドイツが舞台。ナチスの高官だった子供たちが辿る運命をリアルに描いていた。ヒットラー政権によって、苦しめられたユダヤ人の運命は語るに尽くしえない。
しかし、加害者であったナチスの高官の子供たちも、敗戦すれば戦犯の子供として、虐待されて生き続けるしかなかった。
ナチス高官の子供たちが、逃亡の最中にユダヤ人男性と出会い、助けてもらう。ヒトラー政権下で、ユダヤ人を人間とも思っていなかった14歳になる長女が、ナチスが犯したユダヤ人への迫害と殺戮の罪の重さに目覚めた瞬間、この作品は、強烈な反戦映画に姿を変えていく。
今までにないアプローチである。
戦争には加害者も被害者もない。戦争そのものが愚かな加害者なのだと痛感する。
ということで、今回の安倍さんの靖国参拝は、現ドイツの首相、メルケルさんが、ヒトラーのお墓参りをしたみたいな感じなのではないかと思った。
諸外国は、安倍さんが戦争を美化しいるとしか思わないだろう。
2014年1月11日から公開
監督 ケイト・ショートランド
- 【出演】 サルキア・ローゼンタール
- カイ・マリーナ
- ネレ・トゥレーブス