マリリンの映画日記

エッセイスト瀧澤陽子の映画ブログです!新作映画からオールドムービーまで幅広く綴っております。

『マルティニークからの祈り』

2014年08月16日 | 映画

これは、韓国の主婦版「ミッドナイト・エクスプレス」だ。

言葉も通じないフランスで、「薬物」輸送の疑いをかけられた主婦が、2年間も投獄され、無実を証明するまでの物語である。

7月にモロッコを旅してきた。初めてのモロッコなので、安全パイの搭乗員同行のツアーにした。現地に詳しい添乗員がいれば、何かにつけて安心で楽だからだ。ただ、自分の思うように時間が作れないリスクはあるのだが、それでも、郷に入れば郷に従へを守ることができる。

海外の旅は机上の論理では、絶対に実現できない。現地には日本人や、この主婦の場合は韓国人であるが、自分の国にはない信じられない法律があることを覚悟して行けという教訓でもある。

「ミッドナイト・エクスプレス」の主人公が、軽い気持ちでトルコにドラックを持ち込み、厳罰に処されるように、自分の国の常識が海外では通用しないのである。

ましてや、この主婦はフランス語どころか、英語すら話せない。

無実を主張しても、まったく相手に理解されない。

言語の壁が重くのしかかる。

これは実話だそうだ。

そして、もしかしたら、誰にでも起こり得ることかもしれない。

海外旅行者に大きな警鐘を鳴らしてくれた作品でもある。

 

8月29日から公開

【監督】パン・ウンジン

【出演】チョン・ドヨン コ・ス カン・ジウ  ペ・ソンウ