マリリンの映画日記

エッセイスト瀧澤陽子の映画ブログです!新作映画からオールドムービーまで幅広く綴っております。

『ヘルタースケルター』

2012年06月28日 | 映画

沢尻エリカのお騒がせな私生活を一切無視して、この作品を見たほうがいい。

『ヘルタースケルター』の主人公りりこは、全身整形のトップスターである。「目ん玉と爪と髪とアソコ」以外は全部作り物である。凄い話だ。

こんなえぐい役をやれる女優は、沢尻エリカ以外の誰がいようか!

毒は毒をもって制すのか、今回の沢尻エリカの演技には、りりこという芸能界に君臨するトップスターの華麗さや醜悪さの裏にある実にはかなくもピュアで繊細な一面まで演じきっていた。

蜷川実花監督の色彩豊かなソフィストケートされた美しい映像。一点非の打ち所のない沢尻エリカの美しい顔と均整の取れたシンメトリーの裸体。

脇に回ったドン臭いマネージャー役を演じた寺島しのぶ、芸能プロダクションの調子のいい社長を演じる桃井かおりの圧迫感と存在感にも翻弄される。

目の前に広がるシークエンスそのものが、まるで、おとぎの国に行ったような、まるで、映像までを全身整形させてしまったような感じで、美酒に酔ったような心地いい余韻を残している。

『ヘルタースケルター』   沢尻エリカの代表作になるに違いない。

7月14日から公開

【監督】蜷川実花

【出演】沢尻エリカ  寺島しのぶ  桃井かおり  大森南朋  窪塚洋介

 


『ユナイテッド ミュンヘンの悲劇』

2012年06月18日 | 映画

なんというグッドタイミングだろう!

サッカー日本代表の香川真司くんが、ドルトムントから、マンチェスターユナイテッドに移籍が決まった。

まさにこのタイミングで「ユナイテッド ミュンヘンの悲劇」が日本で公開される。

私のマンチェスターユナイテッドのファン歴は5年くらいだから、まだまだ浅いほうだが、ロンドンに旅した時、ステイしたホテルがチェルシースタジアムの隣にあったことから、イングランドプレミアリーグに目覚めてしまったのだ。

本来なら、チェルシーを応援すべきなのだが、プレミアリーグの試合を観戦するうちに、マンチェスターユナイテッドの戦法、チームプレイ、各選手の計り知れないポテンシャルを秘めたこのチームの虜になってしまった。そして、26年間もユナイテッドの監督をしているファーガンソン監督の力にも敬服しているのだ。

エリック・カントナ、ベッカム、ポルトガル代表のクリスチャーノ・ロナウドを産み、、そして、現役ではウエイン・ルーニーという強靭なストライカーがいる。facebookで、私はマンチェスターユナイテッドとルーニーのファンになっている。

ユナイテッドの試合を見てしまうと、どのチームも色褪せて見えてしまうのも本音だ。

ということで、これだけ、ユナイテッドを熱く語る私だから、「ユナイテッド ミュンヘンの悲劇」を見た時、感動で号泣してしまった。

今でこそ、世界一のトップクラブチームとして君臨するマンチャスターユナイテッドに、こんな悲劇と起死回生の復活劇があったとは!

1958年、ユナイテッドの選手はアウエイの試合で帰国する際、ミュンヘンの空港で飛行機事故に合い、23名もの犠牲者を出した。

しかし、臆することなく、不屈の魂でユナイテッドは強靭にも復活していくのだ。事故から無事生還できたボビー・チャールトン選手、ユナイテッドに一生を捧げたアシスタントコーチのジミー・マーフィ、ユナイテッドの礎となったマット・バスビー監督。

そして、当時のオールドトラッフォード・スタジアムの荘厳さ。

ストーリー、人物、風景全てがパーフェクトだった。

こんな素晴らしい実話のあるユナイテッドの赤いユニフォーム(赤い悪魔と言われている)を香川君が着て、ピッチに立つ姿を思い浮かべて、なおさら興奮してきたのだ。

7月7日公開

【監督】ジェームス・ストロング

【出演】ディヴィッド・テナント  ダグレイ・スコット  ジャック・オコンネル