今回は
大内文化と北九州
北九州市立自然史・歴史博物館(いのちのたび博物館)
開催年:2012年
周防・長門の守護である大内氏と北九州との関わり、さらに大内文化の北九州への影響などを紹介する特別展。この頃は大内義隆の甲冑や太刀目当てで行ってましたが、図録を見返すと文化面の内容が充実しています。
注目の展示は
宗祇馬上図
馬上の連歌師・宗祇を描いた作品。類例にボストン美術館本・早雲寺本などが知られる。
宗祇の画像には、端座の姿、脇息にもたれかかる姿、そして馬上図と様々なバリエーションがあり、脇息にもたれかかる姿は柿本人麻呂図を模したもの、馬上図は驢馬に跨り旅する中国の詩人に擬えたと考えられる。
筑紫道記
文明十二年(1480)大内政弘に招かれ周防国山口から北九州への旅の記録。本書は江戸時代の写本。
行く先々で詠んだ和歌20首、連歌の発句20句を収録しており、その数が同数であるのは連歌が和歌に匹敵する文芸であるという宗祇の意思の表れと考えられている。
宗祇の連歌の地位向上への働きは以後も続くことになる。
新撰菟玖波集
明応三年(1494)大内政弘が発起し、宗祇らが中心となって編纂され、翌四年九月に完成した准勅撰連歌集。
大内政弘の入選数は5番目と7番目の宗祇より多く、後援者である政弘への配慮が見受けられる。
住吉社法楽百首和歌短冊
宗祇が「新撰菟玖波集」完成のお礼として長門住吉神社に奉納した百首の短冊。
後土御門天皇、勝仁親王(後柏原天皇)、近衛政家、牡丹花肖伯、宗長等が名を連ねる。
三条西実隆の序文(展示有)を付け、宗祇の署名を持つ杉箱に入れられて奉納された。
後に長府藩初代・毛利秀元の寄付により短冊は折帖に仕立られ、金銀高蒔絵の箱に納められた。
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