起業家のイーロン・マスク氏はトランプ前米大統領との対談を予定する=ロイター
【ブリュッセル=辻隆史】
欧州連合(EU)のブルトン欧州委員(域内市場担当)は12日、米X(旧ツイッター)を率いる起業家のイーロン・マスク氏宛ての書簡を公表した。
マスク氏が米東部時間12日夜に配信を予定するトランプ前米大統領との対談などで、偽情報やヘイトスピーチ(憎悪表現)を拡散させないように警告した。
マスク氏は米東部時間12日の20時にX上でトランプ氏と対談し、リアルタイムで配信する予定だ。
EUは2023年12月、プラットフォーマーに偽情報対策を義務付けるデジタルサービス法(DSA)に違反した疑いで、Xへの調査を開始した。
24年7月には「信頼できる本物のアカウント」だと示すとしている青色の認証マークがついたアカウントが偽情報を拡散している実態があり、利用者を惑わせているとして、DSAに違反しているとの暫定的な見解を発表している。
ブルトン氏は12日の書簡で、マスク氏らがDSAに違反するようなコンテンツを流した場合、Xへの制裁措置も辞さない考えを表明した。
ブルトン氏はマスク氏に対し、Xには有害なコンテンツを大量に拡散させるリスクがあると重ねて指摘した。
欧州委は8月3〜4日に英国で相次いだ極右の暴動をX上の偽情報があおったとみている。マスク氏自身も「内戦は避けられない」と投稿し批判された。
ブルトン氏はこの英国の事例や予定が迫ったトランプ氏との対談に言及し、偽情報がEU域内でも広まる恐れがあると指摘した。
マスク氏に早急に違法コンテンツの発信を防ぐ効果的な対策をとり、EUに報告するよう求めた。
EUはマスク氏の対応に不満を募らせている。Xがロシアなどによる悪質な偽情報などの温床になっているとしてかねて対処を要請してきた。
トランプ氏支持を公言するマスク氏が、Xなどを通じて有害な情報を拡散させる事態を警戒している。
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ロンドンの暴徒化問題において、第一にその発端とされる偽情報が著名な陰謀論者インフルエンサーによってXで拡散された事、第二にマスク氏自身が暴徒を正当化しているないしは混乱を煽るような発言を繰り返し、のみならずそれに対する英国からの公式の抗議を受けてむしろ主張をエスカレートしているという事がこのニュースの背景。
更には、冒頭の陰謀論者を含めマスク氏買収前には問題あるアカウントまたは発言ポストについて一定程度の対応がなされてたところ同氏の極端な言論の自由を重んじる方針に転換したことでヘイトやフェイクが増加したというレポートも複数公表されているその現状を受けての対応である。
(更新)

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