かつて、ブルーレイ・ディスクなど光ディスクは記録用メディアで主流だった(08年)
ソニーグループはブルーレイ・ディスク(BD)をはじめとする光ディスクなど記録用メディア事業で250人をメドとした希望退職を募る。
事業子会社の人員の約4割が対象となる。データの保存手段がクラウドに置き換わり、光ディスクの需要縮小が続く。生産の段階的な終了も検討する。
仙台テクノロジーセンター(宮城県多賀城市)で光ディスクなどを開発・製造する子会社で希望退職を募る。
応募した社員の一部をソニーグループの別の子会社などで受け入れることも検討する。
光ディスクの新規開発を終了し、生産も順次終了する構えだ。販売は当面継続する。
法人向けBDは作り置きをして販売を続ける。個人向けは量販店などと協議して今後終了時期を決める。
人員整理や再編に伴う費用はソニーグループの25年3月期の連結決算に計上する。業績への影響は軽微になる見込み。
仙台テクノロジーセンターは1954年、ソニーの前身の東京通信工業時代に初の地方工場として設立した。ソニーの社長を経験した中鉢良治氏の出身拠点でもある。
2011年の東日本大震災では、被災した中小企業に空きスペースを無償で貸与した。
光ディスクを巡っては、2000年代にソニーなどが推すBDと東芝、NECなどの「HD-DVD」の間で規格争いが起こった。
各陣営は米映画大手など有力なコンテンツを持つ企業の囲い込みに動いた。08年に米映画大手のワーナー・ブラザースがBDを単独支持すると発表し、BDに軍配が上がった経緯がある。