資産の99%超を慈善事業に寄付することを表明しているウォーレン・バフェット氏=ロイター
【ニューヨーク=伴百江】
米投資会社バークシャー・ハザウェイを率いる著名投資家ウォーレン・バフェット氏は28日、自社株53億ドル(約8520億円)相当をビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団とバフェット氏の3人の子供たちが運営する慈善団体に寄付すると発表した。
93歳の同氏は死後の遺産約1300億ドルはすべて子どもたちの財団に寄付することも再確認した。
今回の寄付はバークシャー・ハザウェイ株B株約1300万株からなり、27日の同株終値ベースで算出すると総額約53億ドル相当となる。
ゲイツ財団には993万株、死別した最初の妻の名前を冠し子供たちが管理する財団に99万2025株、同じく子供たちによる3つの財団にそれぞれ69万5122株を寄付する。
バフェット氏はこれまで18年間にこれら5財団に総額550億ドルを寄付してきた。
今回の寄付に加え、バフェット氏は死後の遺産相続の詳細を再確認した。
米ウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューで、ゲイツ財団への寄付は死去した時点で終了し、遺産は子供たちが運営する4財団にすべて寄付すると表明。
現在、バフェット氏の資産の99%にあたるバークシャー株A株1300億ドル相当を4財団が引き継ぐことになる。
バフェット氏は、3人の子供であるスージー、ハワード、ピーターの3氏が将来の寄付金の配分を全会一致で決めるよう指示し、「私たちほど幸運でなかった人たちを助けるために」使うべきだと語った。
23年11月に発表した書簡で、バフェット氏は3氏を自身の遺言執行人と4財団の管財人に指名した。
さらに3氏がバフェット氏の遺産の99%超を財団を通じて相続し、その後10年ほどの間に遺産を慈善目的ですべて寄付するように指示した。
「財団は少人数で低コストで運営するように」と、持ち前の効率経営も付け加えた。
バフェット氏は今回の寄付の発表文で、「バークシャーでは特別なことは何も起きていないが、長期にわたる資本投下と米経済の追い風による複利効果で私の現在の富を生み出した」と表明した。