語学学校を世界展開する企業「EFエデュケーション・ファースト」(スイス)がこのほど発表した英語圏以外の国・地域の2024年版「英語能力指数」で、日本は過去最低の92位に転落した。
11年の発表開始以来、急速な国際化に逆行し、日本の順位はほぼ下落が続き、英語力の低下に歯止めがかかっていない。
調査対象は116カ国・地域。オランダが6年連続で首位を維持した。
2位はノルウェー、3位はシンガポール。日本は前年の順位を5つ下げ、韓国やベトナム、インドネシア、中国などを下回り、アジア23カ国・地域でも16位に沈んだ。
同社の英語テストを受けた世界約210万人の24年の平均指数は前年比16ポイント低下の477(最高は800)。日本の指数は454と前年から3ポイント下がった。
日本では新型コロナウイルス禍による海外留学、国際交流の減少や内向き志向の強まりで、ここ数年英語力が急降下していた18〜25歳の世代の指数が24年は持ち直したが、年長の世代で低下が目立ち、全体では下げ止まらなかった。
日本各地の地域別指数は関東地方が482と最高だった。関西、四国、北海道などが続き、東北の440が最も低かった。〔共同〕
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
英語能力とグローバル化は相関する。
事実、ランキング上位は自国の労働市場だけでは労働力を十分に吸収できない国が並ぶ。
いうなれば海外と全面的に付き合わないと食っていけない国が英語に堪能だ、ということになる。
中国と並んで日本が低いのは自国市場だけで何とかやっていける状況だから。
ある調査で日常的に英語を使う職業に就くのは全体の7%に過ぎないという。
ならば英語に身が入らないのは当然だ。
悲観することはない。これからは嫌が応でも日本は一層のグローバル化を余儀なくされていく。そうすれば自ずと英語を使わなければならなくなる。必要こそが語学上達のための道だからだ。