著名投資家ウォーレン・バフェット氏=ロイター
【ニューヨーク=竹内弘文】
著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米バークシャー・ハザウェイが14日開示した2024年末時点の保有銘柄リストで、メキシコのビールを輸入販売する米コンステレーション・ブランズの株式を24年10〜12月期に取得したことが明らかになった。
シティグループやバンク・オブ・アメリカなど米銀行株は大幅に持ち分を減らした。
24年末時点でコンステレーション株を約12億4200万ドル(約1900億円)相当保有する。同社は人気ビール「モデロ」や「コロナ」の米国内販売権を持つ。
24年の米大統領選でメキシコへの関税を訴えたトランプ氏が勝利すると株価が下落する場面があった。割安とみてバークシャーが投資した可能性がある。
開示を受けて、コンステレーション株は14日の時間外取引で株価は同日終値比7%程度上昇する場面があった。
7〜9月期に初めて株式を取得した米ピザ宅配大手ドミノ・ピザや、スイミングプール設備・部品販売を手掛ける米プールも、10〜12月期に買い増しした。保有株式数は3カ月間でそれぞれ9割増、5割増となった。
一方、保有する銀行株は大幅に圧縮した。シティグループは7割超、バンカメは1割以上、保有株式数が減った。米クレジットカード発行大手のキャピタル・ワンも2割弱減らした。
親ビジネスや規制緩和を訴えるトランプ氏の当選を受け、銀行株には事業環境の好転を期待したマネーが流入していた。
化粧品小売りの米アルタ・ビューティー株は保有がゼロになった。同銘柄は4〜6月期に新規取得したのち、7〜9月期に保有株式数を96%減としていた。
米国の大手機関投資家は、四半期ごとに米証券取引委員会(SEC)に「フォーム13F」という報告書を提出し、保有銘柄を開示する義務がある。
主に米国で上場する銘柄が報告対象で、バークシャーが保有する日本の総合商社株などは対象外。上場株ポートフォリオ全体を表すものではない。
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著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米バークシャー・ハザウェイの投資動向や解説、同氏に学ぶ投資術に関する記事をまとめました。
ウォーレン・バフェット氏(Warren Buffett) 1930年、米中西部ネブラスカ州のオマハに生まれる。6歳からガムを売り歩き、11歳で株式投資を始めた。
「割安株投資の父」ベンジャミン・グレアム氏に感化されて投資家の道を志す。1965年に繊維会社だったバークシャー・ハザウェイの経営権を握り、同社を母体に投資や事業投資を展開して財を築いた。優良銘柄を本質的価値より低い価格で買う投資スタイルで知られ、「オマハの賢人」との異名を持つ。大富豪ながら質素な生活で知られ、コーラとハンバーガーを好む。
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日経記事2025.2.15より引用