電子部品の日本ケミコンは10日、2025年3月期の連結最終損益が6億円の黒字(前期は212億円の赤字)になりそうだと発表した。従来予想から34億円引き下げた。
産業機器向けで主力のコンデンサーの需要減が続いていることが影響した。同社の価格カルテルを巡る訴訟に関連した特別損失の計上も響く。
業績が伸び悩むことから、未定としていた年間配当は無配とする。
売上高は前期比17%減の1250億円、営業利益は58%減の40億円を見込む。それぞれ従来予想から80億円、32億円引き下げた。
データセンターのサーバー向けでは堅調な需要があるが、産業機器向けにおいては最終顧客のいる中国や欧州の市況低迷から在庫調整が想定より長期化している。
同日、今野健一取締役(59)が4月1日付で社長に就任する人事を発表した。上山典男社長(65)は代表権のある会長に就任する。今野取締役は20年から生産子会社であるケミコン東日本(宮城県大崎市)の社長を務めている。