フォードのドイツ国内の販売店(1月、独南部ミュンヘン)=AP
【フランクフルト=林英樹】
自動車大手の米フォード・モーターは10日、ドイツ子会社の再建などに最大44億ユーロ(約7000億円)を投じると発表した。
従業員数千人の削減などの計画を明らかにしており、リストラ費用や負債削減などに使う。
フォードは2024年11月、ドイツで27年末までに従業員2900人を削減すると発表していた。
独政府が23年12月に電気自動車(EV)購入補助金を停止し、独国内の需要が低迷したことを受けた措置で、23年に表明した3800人の削減から追加した。
今回の資金は「リストラの継続と競争力の強化」が目的で、一部を独子会社フォード・ベルケの資本に注入する。
フォードのジョン・ローラー最高財務責任者(CFO)は同日「欧州で長期的に成功するには組織構造を簡素化しコストを削減し効率を高める必要がある」と資金注入の狙いを説明した。
欧州自動車工業会(ACEA)によると、欧州主要31カ国のフォードの新車販売は1月、3万1000台で前年同月比12%減った。ドイツだけでなく、英国など欧州の他拠点でもリストラを進めている。
独国内のリストラは主に西部ケルン工場が対象だ。同工場では多目的スポーツ車(SUV)のEV「エクスポーラー」「カプリ」を生産している。
25年春から欧州で納車を始める新型EV「プーマGen-E」はケルンではなく、生産コストが低いルーマニア工場で生産することが決まった。
独子会社は資金の一部を「複数年の事業計画の実行」にも使う。ケルン工場のEV生産設備の高度化にも20億ユーロを投じる予定で、リストラ費用や負債削減を含めた総額が最大44億ユーロとなる。
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日経記事2025.3.10より引用
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