投資交渉の中止が報じられたアップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)㊧と
オープンAIのサム・アルトマンCEO
【シリコンバレー=中藤玲】
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は27日、米アップルが米新興オープンAIへの投資を取りやめたと報じた。理由は明らかになっていない。
オープンAIは65億ドル(約9240億円)規模の資金調達交渉を来週中にも完了するとされている。
オープンAIは1500億ドルの企業価値評価を前提とした増資を計画し、米ベンチャーキャピタル(VC)のほかアップルや米エヌビディアが投資交渉に参加していると8月に報じられていた。
WSJは27日、アップルがこの資金調達ラウンドへの参加交渉から撤退したと伝えた。
エヌビディアと米マイクロソフトは協議を続けており、マイクロソフトは約10億ドルを追加で投資する予定という。
アップルが新興企業に対して他社と協調した投資をすることは珍しく、注目を集めていた。アップルは自社の生成AI(人工知能)サービス「アップルインテリジェンス」でオープンAIの対話型AI「Chat(チャット)GPT」と連携している。
金銭面でも関係を深めることで、生成AI開発で先行する同社の技術への長期的なアクセスを狙うとみられていた。
オープンAIを巡っては、ChatGPTの開発を主導したミラ・ムラティ最高技術責任者(CTO)が25日に退社を表明した。資金調達交渉は来週中にもまとまると伝えられている。
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