風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

福岡日帰り神社巡り-3

2015-03-10 | 九州
その2からの続きです。

○ もつ鍋スナック

筥崎宮から横に伸びるまっすぐの道を向かって行ったのは、九州大学。
途中、「もつ鍋 スナック ガス燈 清酒いそのさわ」という看板を揚げた店がありました。



もつ鍋スナック~?
ハイカラな名前のスナックでもつ鍋を出すのー?換気は平気なのー?
『ガス燈』といったら、イングリッド・バーグマン主演の往年のハリウッド名画を思い出します。
ママのいるお店で、モノトーンのバーグマンが、目を伏せてもつ鍋をつついているなんてシュール(妄想たっぷり)。
ザ・ダイバーシティ・福岡。



筥崎宮と大学は駅一つ分離れていますが、思ったより近く、歩いて行けました。
交通至便なところにある箱崎キャンパスですが、数年内にキャンパス全体が別の地区に移転をするそうです。

今回、福岡に来ることになったのは、ここでの用事があったから。
旧帝大らしい威厳と風格がある大学で、ヤシの木があるのが南国風でした。



○ 鹿児島に行かない鹿児島本線

用をすませて大学を出て、正門から5分のところにあるJR箱崎駅へ。
小倉行きの鹿児島本線に乗ります。
福岡で鹿児島本線って、なんだか不思議。九州の北と南の県なのに。

北九州市の門司港駅 - 熊本県の八代駅間と、鹿児島県の川内駅 - 鹿児島駅間を結ぶ路線だそうです。
もともと、門司港駅 - 鹿児島駅間の路線でしたが、今は途中の八代駅 - 川内駅間が肥薩おれんじ鉄道(第三セクター)の区間になっているとか。
つまり、小倉行きの反対電車は、鹿児島まで行くわけではないんですね。

日差しが強く感じます。時間はまだ2時台。
まだまだ日は高く、あちこち観光できそうですが、次に向かう目的地は行きづらい場所にあるため、帰りのフライト前に訪れるのはそこだけになりそうです。

○ 便利なIC対応

電車に乗っているのは地元の人ばかりのよう。車両内に観光客然とした人はいません。
福岡市→新宮町→古河市→福津市と市境を超え、40分ほど電車に揺られて、宗像市にやってきました。
東郷駅で降り、やってきたバスに乗り換えます。
目指す目的地は駅から10kmほど行ったところ。徒歩圏内ではありません。
バスは1時間に1、2本しか出ないため、乗り遅れないようにしないといけません。

福岡に着いてから、西鉄バス、西鉄、地下鉄、JRと利用し、宗像市のバスにも乗りましたが、すべてPASMOが使えています。
JR九州のSUGOCAと西鉄のnimocaは、SuicaやPASMOの代用ができるのです。
これまで旅先で、ここまで運賃精算がスムーズだったことはありません。
特に旅行中は、荷物も多いし乗り方にも慣れていないので、お財布を開けずに済むのはとても便利。
福岡って暮らしやすいのね~。



○ 宗像大社

川沿いの気持ちの良い道路を通ってたどり着いたのは、宗像(むなかた)大社。
関東以北では、知る人ぞ知る神社という感じですが、ここは、宗像三女神を祀る神社の総本社。
宗像三女神は弁天様と同一視されるため、全国の弁天様の総本宮ともいえる場所です。
だから、アクセスが大変でも、何とかここをお参りしたいと思っていました。
ただ、一般的にはそれほど知られていないような気がします。



ルートの不便さからもわかるように、さほど観光地化されておらず、車で訪れる近郊の人がほとんどといった感じ。
きれいに整えられた参道を通り、拝殿へと向かいました。
鳥居をくぐり。


橋を渡り。


門を抜けて。


一歩一歩、女神様の元へと近づいていきます。


風通しの良い社殿。神主さんの姿が見えました。


周りをずらりと境内社が取り囲んでいます。「末社由緒」は後で読んでおこうっと。
広々とした気持ちの良い場所です。



○ 宗像三女神

宗像三女神はそれぞれに離れたお社に祀られており、ここ辺津宮の御祭神は末娘(市杵島姫神)。
長女(田心姫神)は、海上の沖ノ島の沖津宮、次女(湍津姫神)は筑前大島の中津宮に祀られています。
沖ノ島は、いまでも女人禁制の島で、男性の入島でさえ厳しく制限されているそう。
伊勢神宮第60回式年遷宮に、別宮の伊佐奈岐宮と伊佐奈弥宮の古材で再建された、唯一神明造りの社殿だそうです。



高宮参道を通って向かう本殿の裏には、その二神の分祀神殿が仲良く並んで鎮座しています。
それぞれをお参りします。



さらに境内の奥の石段を登っていった先に、高宮斎場があります。



木々の中、原始の形をそのまま残している石組みの場所。
宗像三女神が降臨したと伝えられる聖域です。



ほかに人は誰もいません。
木漏れ日を受けながら木々を揺らす風の音を聞いていると、すがすがしい気持ちになりました。



○ 海の道むなかた館

ゆっくり時間をかけて参拝してから、帰りのバス停の時間を確かめると、次のバスが来るまであと40分ありました。
神社内の神宝館は、ちょうど閉まった時間。再びゆっくり境内を散策しようかと思ったところ、神社の隣の「海の道むなかた館」という建物に気が付きました。



(海の道ってなんだろう?道の駅みたいなものかな)と思って中に入ってみると、そこは宗像の歴史や自然を展示している施設でした。
学芸員もおり、解説を受けながら、展示を見てじっくりと学びました。



トヨタ九州工場のロボットも展示されていました。
館内には上映室があり、学芸員さんに「3Dシアターを観ますか?」と言っていただきましたが、私一人きりのために上映してもらうのは気が引けて、ご辞退しました。



半年前に、東京の出光美術館で「宗像大社国宝展-海の正倉院展」が開催されたばかり。
沖ノ島出土の国宝は8万点もあるそうです。
それが、神社の神宝館に所蔵されているんですね。
また来れる機会があったら、次は拝観したいです。

○ 勾玉と鬼瓦

出土品として、大きな勾玉がいくつも展示されており、無骨な形に見とれました。
ハート形もあってかわいい。当時、ハートはどんな意味を持っていたのでしょうか。



古代の鬼瓦も出土されており、解説に「メドゥーサから来たものだ」と書かれていました。
わあ、そうなのね~。狛犬はスフィンクスが変容したものだと知った時の感動と一緒です。
遠くはるかなシルクロードを超えた極東の地では、古代ギリシア神話のスフィンクスが狛犬に、メドゥーサが鬼瓦になっていたなんて、ロマンだわ~。





○ 壱岐からのビジネスマン

やって来たバスに乗り、ふたたび東郷駅へ。
電車が来るまで少し時間があったので、駅の反対側に降りてみましたが、特に何もなく、早々に駅に戻りました。
ホームには、博多華丸・大吉出演のお芝居「めんたいぴりり」のポスターが貼られていました。
彼らは本当に、博多に愛し愛されているんですね。
小倉から来た電車に乗りこみます。

寒い外から暖かい電車の中に入ると、一気に眠くなり、うとうとしながら揺られていきました。
辺りのざわざわした様子に目を開けると、博多駅に着いていました。
改札を出て、方向がわからずきょろきょろしていると、「壱岐」と書かれた紙袋とアタッシェケースを下げたビジネスマン風の人が、目の前をずんずん歩いて行きます。
(空港に向かう人に違いない)と思って同じ方向を取ってみたら、はたしてビンゴでした。
すんなりと地下鉄空港線の乗り場にたどり着きました。

遠いところにある島には、なかなか行く機会がありません。
壱岐にも隠岐にも行ってみたいわ~。
沖ノ島にも行きたいわ~。
名前が似ていて混乱するわ~。
軍艦島はどこかしら~。

終点の福岡空港駅までたったの5分。
本当に便利な場所にあります。
福岡出身の芸能人が多いのは、空港が近くて上京しやすいからじゃないかと思ったりします。

○ 空港の夕暮れ

やはり宗像大社に行くのには、時間がかかりました。
もう6時過ぎなので、4時間ほどかかったことになります。
フライト1時間前に着いたので、空港でのんびり食事をしようと思いましたが、展望デッキに上がって夕焼けを見たり、お土産を選んだりしていたら、すぐ搭乗時間になりました。

呉越同舟~(なんか違う)。


空港で買ったお土産は、めんべいやめんたいこ海苔など。



めんべいはリクエストがあったから。
めんたいこ海苔は、私の前にレジに並んでいた女性が、買い物かご2つにぎっしりつめて、その店で在庫切れにさせていたので、気になって、別のお店で入手しました。



韓国のりに、めんたいこがまぶされていて、たしかにご飯やお酒に合うわ~。
周りにも好評でした。



19時15分発のANAは満員でした。
行きがガラスキだったので、その差に驚きます。
平日なので、乗客はビジネスマンと年配者ばかり。
ちょうど帰り時間だからですね。

またもや羽田まで眠って過ごし、帰途につきました。

帰宅して、空港でお土産を買った玉屋のレジ袋を、じっくり眺めます。
(これ、高島屋のに似てる・・・ていうかそっくり・・・!)
高島屋のビニール袋も広げて、両方並べてみました。



やっぱり似てるー!これは別モノとは言わせませんぜー。
福岡玉屋は高島屋系グループで、高島屋と同じバラの花をシンボルマークに使っているそうです。
今は高島屋の紙袋デザインが変わったため、レジ袋だけが共通デザインなんだそう。
なんだか貴重だわ!と思い、親にお土産を渡す時にもったいつけて伝えましたが(ふーん)とあっさり返されて終わりました(笑)。

○ epilogue

今回は福岡日帰り弾丸旅行となりました。
遠くに行くのに日帰りなんてもったいないと思い、早目に出発して、なるべく現地で動くようにしました。

ほぼ初めての福岡。神社巡りがメインとなりましたが、あちこちに九州の歴史の古さが見えて興味が引かれました。
福岡は、観光地が少ないと言われているそうですが、すばらしい神社がたくさんあります。
太宰府天満宮の梅を見られて、一之宮を二つ参拝でき、宗像三女神にご挨拶できた、いい旅でした。


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