風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

紅葉を巡る4県の旅 2-3

2017-12-12 | 近畿(京都・滋賀)
その2からの続きです。

● 秋の石山寺へ

部屋に戻り、一息ついてから、外出しました。
京阪電鉄に乗り、終点の石山寺駅で降ります。
そこから瀬田川沿いの遊歩道を歩いていくと、川ではカヌーに乗っている人がいました。

西国33観音の札所の石山寺には、夏に訪れており、今回は母のリクエストを受けての再訪です。
8月に参拝した時には、暑さでモウロウとしていたなあと思い出します。
木々は緑から紅葉に変わり、ずいぶん寒くなりました。



10分ほど歩いて、石山寺に到着しました。
立派な山門の仁王像は、運慶・湛慶親子の作と伝えられています。



● くぐり岩と鯉

巨大な鯉。大きすぎィ!
くぐり岩をくぐる人のサイズと比べてみてください。



急な石段を上りつめたところにある、ダイナミックな珪灰岩を見て、その迫力に驚く母。
ちょっとした石の国です。



● 紫式部とムラサキ

本堂には、紫式部が「源氏物語」を執筆したとされる「源氏の間」があります。
紫式部と、AIロボットのムラサキに再会。



● 紅葉たけなわ

本堂の横にあるのは、石山寺の鎮守社として慶長7年(1602)に作られた三十八所権現社。
ここの雰囲気がとても好きです。



真っ赤に染まった紅葉の向こうに、鐘楼と御影堂。
うーん、絵になるわー。



ゴツゴツした岩に囲まれていますが、それでもこのお寺は趣があり、優雅で女性的な雰囲気です。
やはり紫式部パワーでしょうか。



帰り道の参道から見る、山門の裏側。



● 瀬田の唐橋

境内の小高い丘の上にある月見亭から瀬田川を見下ろしながら、母が
「瀬田の唐橋は見えないかしら?」と言いました。
「はい?」「瀬田の唐橋よ、知らないの?」
「知らないわ~」
「まあ、近江八景の一つよ」
「(横浜の)金沢八景だって全部言えないんだから、ムリー」

お寺の人に聞いてみましたが「ここからは、見えるような、見えないような」とあいまいな返事。
地図で調べて、おおよその場所はわかりましたが、川にはいくつも橋が架かっています。
どんな形の橋なのか、いまいちわからないまま、丘を下りました。

● 見えた気がする

帰り道には、再び川沿いの道を駅まで歩きます。
歩いて行くうちに、次第に高速の橋の向こう側に別の橋が見えてきました。
「もしかしたら、あれじゃないかしら?」
地図で位置を確認すると、どうやらそのようです。

2人で目を凝らしているうちに、なんだかどんどんくっきりと見えてきました。
「あら、見えるじゃない」
「ほんとね。写真撮ろう」

でも実際には、よほど拡大しないとわかりませんでした。
「念ずれば花開く」といいますが、私達母子の場合は「念ずれば橋見える」。
希望が蜃気楼を見せていたのかもしれません。(だまされやすい)


たぶん、向こう側に見えている、あの橋!


● レトロな京阪線

そんなわけで(心眼で?)橋が見えた母は、満足の様子。
再び京阪石山寺駅に着き、石山坂本線に乗りました。
前の日、八幡市駅まで乗っていった京阪電鉄と比べると、かなり違います。
ずっと小ぶりで、2車両だけ。とってもレトロで味があります。



途中駅で高校生が乗ってきて、一気に賑やかになりました。
この日は11月24日。休みの合間の平日だったと思い出します。
お寺の中も、電車の中も、ずいぶん空いているのは、平日に加えて、京都の中心部から滋賀にきたからでしょうね。

● ゼゼ駅

乗っていると「ゼゼ」という駅名があり、気になりました。
「ぜぜ」と「ぜぜほんまち」の二カ所あります。
字は「膳所」ですが、響きがパワフル。
まず長野の「ザザ虫」を思い出します。(検索注意)
あとはウルトラマンの「ダダ」、そしてレディー「ガガ」。
ゼゼ、ザザ、ダダ、ガガ。
どれもみんなパワフル〜!膳所の方、響きで遊んで済みませーん。

● 石山寺から三井寺へ

石山寺駅に着いたところで16時。それから電車に乗り、三井寺駅で降りたときには、かなり夕暮れになっていました。
暗くなる前に、お寺に入ります。
ここも西国33観音札所で、すでに参拝済みながら、母のリクエストを受けての再訪です。
石山寺も三井寺も、好きなお寺なので、何度行ってもウェルカム!



● 夜間ライトアップ

少し急いだのは、日没前の景観も見たかったからで、お寺が閉まるわけではありません。
今は、紅葉のライトアップ期間で、夜間も9時まで開いています。



境内には、もう明かりが灯っていていました。



うーん、紅葉が際立って美しいわ~。夜もまた趣が違っていいですね。



● 三井の晩鐘の響き

日本三銘鐘、そして近江八景のひとつ、三井の晩鐘。
ちょうど17時に、鐘が鳴りました。
ゴオォオーーーーン!



余韻が響き渡り、おそらくは琵琶湖の湖上にも広がっていきます。
実際に晩鐘の音を聞けて、母子でカンゲキ~。
今日は、瀬田の唐橋と三井の晩鐘、二つの近江八景を見られたわ。

● 弁慶の引き摺り鐘

母が御朱印をもらった金堂。建物内部の裏に周ると、立派な仏像が展示されていました。
すばらしい仏像を間近で見られて、ありがたい気持ち~。



このお寺に来たら、弁慶の引き摺り鐘も見ておかないと。
高さ約2m、重さ2.2トンの大きさな鐘ですが、武蔵坊弁慶が、三井寺から比叡山延暦寺まで引き摺っていったと言われています。
岩手の中尊寺にも、石川の安宅の関にも、そしてここ滋賀の三井寺にも、豪快な弁慶伝説があります。
(やっぱり武蔵坊って只者じゃないな~)って思います。



ところで私、弁慶の出身地、和歌山県田辺市のキャラクター「たなべぇ」の着ぐるみになったことがありまーす。
ゆるキャラ弁慶!

● 三重の塔

三重の塔。ライトアップした紅葉を受けて、また引き立ちます。
美しいわ~。



そばから見ると、普段は屋根の陰になっている部分が光に照らされて、しっかりとした木組みが見えました。
立派なお寺の建築に光が当たると、普段とは違う迫力が生まれます。
もはや、芸術の域ですね。



● 幽玄の美

光と影のコントラストが浮き立って、お寺全体が幽玄の美しさに満ちています。



普段、あまり夜のライトアップに行く機会がないので、魅了されます。



● ライトアップ独り占め

ここまでムードに浸れるのは、やはり人が少なく、境内がすいているから。
これが東京や京都なら、ファインダーに人影が入ってしまうのは当たり前。



ここは、辺りに人がいないため、ほかの人のことをまったく気にすることなく撮影できました。
こんなに独占できちゃって、いいのかしら?



境内をぐるりと回って、帰途につきます。
一日歩き回ったので、さすがにくたびれたし、日が沈んでとにかく寒くなりました。
お宿が隣にあるというのが、ありがたいわ。



● 精進料理コース

宿坊に戻り、夕食の時間になりました。
私たち二人だけの食事タイムです。
ちょっと寂しいですが、周りに気を遣う必要もなく、静かでのびのび。



料理長の献立付きの、立派な精進料理が出てきました。
はじめは豆乳の湯葉鍋です。



どの料理も目に美しい~。今日は、きれいなものばっかり見ているわ。
目がキラキラになっちゃって、どうしましょう。



黄色い柚子の形をしたお椀に入っているのは、菊蕪と鮑茸、菊花飴の蒸しもの。

● 信長こんにゃく

赤いこんにゃくは「信長こんにゃく」と言います。
信長が赤が好きだったから、着色しているそう。
赤いこんにゃくを食べるのは、初めて!



カリリと揚げたての天ぷらに、お米は近江高島米のコシヒカリ。

● 湯葉から豆腐へ

固形燃料が切れたら、今度はにがりを入れ、かきまぜて少し置くと、豆腐になりました。



趣向を凝らした料理の数々に浮き立って、和気あいあいと過ごせました。
どれもヘルシーでしたが、たくさんいただいたので、おなかいっぱい。
ああ、おいしかった。
部屋に戻ると、しばらく動けませんでした。

3日目に続きます。



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