風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

市場とカフェと教会へ 1

2017-06-19 | 神奈川
● prologue

友人さっちゃんと、近場の横浜で会うことにしました。
平日の夜と休日、どっちにしようかという話になったので、
「休日にしない?行ってみたい場所があるから、付き合ってもらえない?」と頼んだ私。

気になっているところは3箇所。市場と教会、そしてツリーカフェです。
どこも横浜駅から電車で1~2駅の距離なので、歩いて巡ることにしました。

この日の移動ルートマップを載せました。
ピンクのラインが歩いたところ。
地元だから気楽~!とのんきに構えていたら、何回も道に迷ってしまいました。(赤丸は間違えた駅)
今回は赤い印、その2では青い印の場所を訪ねています。



● 東・白楽、神奈川・新町そして仲木戸

当日は、散策日和のとてもいい天気。
待ち合わせは、市場最寄りの「神奈川駅」の改札で。
地図を見て、東横線の反町駅から歩いて行けることを確認したのに、人波につられたのか、ボーっとしていたのか、なぜかひと駅前の「東白楽駅」で降りてしまった私。[トラップその1]
慌ててもうひと駅乗って「反町駅」へ。

反町公園を通って、東へ歩いていきます。
JR東神奈川駅の隣にある京急の駅に行けばいいのね。
着いてみると、そこは私が思っていた「神奈川駅」ではなく、「仲木戸駅」でした。[トラップその2]



え?どうして?駅名を見て呆然とします。
「東神奈川駅」のそばの駅は「神奈川駅」だと思った、単なる自分のカン違いでした。
待ち合わせ時間が近づいていたので、大慌てで隣の駅まで一駅乗って行きました。

顔を合わせるまでに2回も駅を間違えてしまうなんて。
割とおなじみのエリアなのに。
キツネかタヌキにからかわれたとしか思えません。

初めはたぶん「東神奈川駅」のことを考えていたので、東つながりの「東白楽駅」で降りてしまったんでしょう。
そして仲木戸駅は「東・神奈川駅」「神奈川駅」「神奈川・新町駅」という3つのまぎらわしい駅に囲まれている、魔のトライアングル地帯。
紫ラインを引いた駅です。

ふだんうろ覚えなのが、こういう時にばれてしまいます。
でもこれは間違えますよね!(自己正当化)



神奈川駅の改札は、マシンも通路も細くてスリム!
そこを抜けて曲がったところに、さっちゃんが待っていてくれました。



ふー、お待たせしました!
この駅に降りたのは、まだほんの数回目。
横浜駅の隣駅なのに、ビックリするくらい小さな駅です。

● 洲崎大神



歩いて行く途中に、大きな白い神明鳥居のある神社の前を通りました。
洲崎大神(すさきおおかみ)という社標が立っています。

「洲崎神社」といったら、房総半島にある安房国の一ノ宮。
二つある安房国の一ノ宮のうち、源頼朝がもう一つの「安房神社」をここに勧請して、「洲崎大神」としたそうです。
ちょっとややこしいですが、頼朝の戦勝守り神が祀られています。



狛犬に近寄ってみましたが、まだ新しい最近のものでした。
でも、その横にこんもりとした獅子山を発見。



いいものをみられました。ホクホク。

● 君に届け用紙

ふと、ビルの前で足を停めました。
そこにあったのは、「届け用紙」という立て看板。



「届け用紙」って、届出用紙のことですよね。
でも私にとってはなじみがない言葉。『君に届け』しか思い出せません。



ひらがなが混ざると、とたんにやさしいイメージになりますね。
甘酸っぱい青春気分になって、看板を見つめました。

● 横浜市中央卸売市場

国道1号を横切って海の方へ行くと、市場の大きな建物が見えてきます。
ここは横浜市中央卸売市場。魚だけでなく、青果、鳥肉、鶏卵など、いろいろなものを取り扱っています。



「横浜食文化の一丁目一番地へ」と書いてあります。
ちなみにここの住所は、「横浜市神奈川区山内町1-1」。
山内町はほぼすべてがこの市場になっている、人口は0人の町なので、確かに食文化と言い換えちゃっても間違いないようです!



私たちは水産物部の建物入り口へ。
「関係者以外立ち入り禁止」の看板がいくつか立ってあるので(呼び止められるかしら)とちょっとたじろぎますが、ここでひるんではいけません。
私たちだって、ここの魚を食べに来た、関係者なんですから(!?)



一般人らしい姿が見えたので、そちらに行ってみると、ちょっとした食事処のアーケード街になっており、どのお店にも行列ができていました。
お昼どきだからでしょう。
並んでいるのは職員ではなく、私たちのように外から来た人ばかりのようです。
よかった、中に入っても大丈夫そうです。



● 厚生食堂

アーケード街から一旦入り口まで戻り、反対側に曲がって、一つぽつんと離れた厚生食堂へと向かいました。
もしかして、あのイベント特設会場のような場所?



「営業中」とのぼりが経っていなければ、気が付かずに通り過ぎてしまいそうな、道路下の目立たなさ。
若干罰ゲームめいていて、ちょっと勇気がいるテーブルとイス…。



あきらかに市場の従業員のための食堂。
寒いけれど外でいただきます。

● 市場の穴場

頼んだのは海鮮丼。さっちゃんは鮪の山かけ丼。
カニ脚のお味噌汁つきです。
千円以下でこのランチ。おいし~い!
画像からはあまり伝わってきませんが、切り身が厚くてとろっとろでした。



寒さを忘れて美味しさに震えます。
「近場でこんなにおいしいお魚を食べられるなんて、北海道まで行かなくてもいいね!」
やっぱり市場はいいですね~。



おいしくいただいて、満腹になって、すっかり満足。
食後は、先ほどの人が並んでいるアーケード街の方に行ってみました。
こちらにも千円以下のメニューが並びます。さすがは市場です。

築地市場は、もはや観光地化しており、どこもなかなかのお値段で(コレジャナイ感)をひしひしと感じていたので。
こういう企画に喜んで乗ってくれるさっちゃんは、本当にナイスな友人です。



敷地内には、伏見市場稲荷大神がありました。
伏見大社から市場に勧請したお稲荷さんのようです。
お稲荷さんは農耕の神様ですが、この辺りでは漁師にも支えられたのでしょう。
近くには、伏見大漁稲荷神社もあるようです。名前が似ていてまちがえそう。

● うらしまでんせつ

魚河岸を出て、道路を歩いていると、等間隔で並んでいる車止めのポールの亀が目に入りました。



「これ、亀なの。なぜかというとね…」
説明するために、お寺に立ち寄りました。



ここは浦島伝説に彩られた浦島寺。
ちなみにこの辺りは浦島という地名です。
最近御朱印帳を買って、御朱印集めを始めたばかりのさっちゃんにガイドします。
「ここのご本尊は、カメに乗っているのよ~」
目黒にあるタコ薬師はタコに乗っていませんが、ここは裏切りません。
普段は非公開で、見られませんが。



でも手水舎そのものが亀!浦島伝説にのっとっています。
さっちゃんも大喜びでした。

その2に続きます。



武蔵村山・魅力体験ツアー index

2017-06-14 | 東京
[2017.1.15]

◆ 武蔵村山 1 ←旅行記へ
 あまりなじみがない武蔵村山市の日帰りツアーに参加しました。
 プリンスの丘の表記を見てキャンディ・キャンディ気分に。
 絞り染めと機織りを体験し、地元のかてうどんをいただきました。
  ● prologue ● なぜか立川集合 ● プリンスの丘
  ● イオンライフ ● 村山大島紬 ● 染め物体験
  ● 村山大島紬資料館 ● 機織り体験 ● かてうどん 



◆ 武蔵村山 2
 東京側の狭山茶畑を見学し、お茶のおいしい淹れ方を教えてもらいます。
 大きな里山民家では、久しぶりに竹馬に乗って遊びました。
 縁遠かった武蔵村山が、ぐっと身近に思えるようになった一日でした。
  ● みどりの足湯 ● 東京狭山茶・茶畑見学 ● 私有地はけものみち
  ● 里山民家 ● 渾身の藁細工作品 ● 竹馬の友
  ● 茶道か闘茶か ● 地元スイーツ ● みかんの誤解
  ● 立川アート ● ゆるキャラ比較 ● epilogue





武蔵村山・魅力体験ツアー 2

2017-06-14 | 東京
その1からの続きです。

● みどりの足湯

昼食をすませて、建物の外に出ました。
ここは村山温泉かたくりの湯。
せっかく温泉敷地内まで来たのに、時間の都合で入浴できないのが残念でなりません。
「今年になってから、まだ温泉に入ってないんだー」
「温泉につかりたかったな~」
「ゆっくりしたいな~」



ブーブー言いながら、偶然再会した友人と3人で、外にある足湯コーナーに向かいました。
せめて足湯は入っていこうと思ったからです。
しかし湯船をのぞくと、目にまぶしいバスクリン色でした。
一気にほとばしる我が家感。温泉なのに、なぜ入れたのー?



そしてそばには、一足先にランチを終えたJ:COM TVのカメラマンたちもいました。
私たちに満面の笑みを向けて「入って!さあ、入って!!」とうながします。
足湯シーンを撮りたいからだそう。脚の方にカメラを向けられて、緊張しました。



温泉とバスクリンのダブル効果でしょうか。暖かくて、身体の芯からほかほか温まりました。
足湯から出て、足をふいている二人をこっそり激写。

● 東京狭山茶・茶畑見学

それからバスで移動して、茶畑に行きました。
静岡茶、宇治茶と並んで日本三大茶と呼ばれる狭山茶。
「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」と謳われます。
距離的に一番身近な場所にあるのに、一番なじみが薄いお茶なので、今回は学べるいいチャンス。

とはいえ、狭山茶とは狭山丘陵の北麓側の埼玉で採れるお茶を指します。
この辺り一帯は、狭山丘陵の南麓側のため、厳密には狭山茶とはいいません。
「東京狭山茶」という名前になりますが、東京がついても、埼玉の狭山茶と同じ品質なんだそう。



茶畑で、狭山茶についてのレクチャーを受けました。
ここで取れるお茶は、肉厚の新芽が特徴的で、お茶大国の静岡でも作れないのだとか。
蒸しづらいほど茶葉が分厚いそうです。



ちなみに宇治茶をブレンドしたお茶を出しているのが、山本山社なんですって。
幕末、開港した横浜に、関東の生糸が八王子経由で集まった道は「横浜のシルクロード」と呼ばれます。
お茶は生糸に次ぐ輸出品となり、やっぱり狭山方面から八王子を経て横浜に運ばれて、海外に輸出されたそうです。
つまりお茶のシルクロードもあったんですね。ティーロードっていうのかな。



● 私有地はけものみち

「ではここから私有地を通って次の場所に行きます。許可は取ってあるので、大丈夫」
そう言われて、みんなで「私有地」の看板を超えて進みました。
次第に道は細くなっていき、人がひとり歩くのがせいいっぱいの、けものみちのような小道になりました。



どんどん山の中に分け入っていきます。
この先になにがあるのか、まったくわかりません。
まあ、天気はいいし、これはこれで楽しいものです。



● 里山民家

どんな山奥に入って行くんだろうと思いながら起伏のある細い小道を進んでいくと、突然、視界が開けて舗装道路に出ました。
あれ?
秘境に分け入っていったのではなく、近道をしただけでした。

目の前に広がっているのは、野山北・六道山公園。
面積1,323,900m²で、都立の公園では最大級なんだそう。
あれ、昭和記念公園は?
あそこは国営でした。

この公園の東側には多摩湖と狭山湖、西側には横田基地がある、なかなかドラマチックな地理です。



公園内には、大きな古民家がありました。
江戸時代の家屋が里山民家として整備されたそう。
母屋は徳川式で、中に入ると太い梁が通っています。
広い屋根裏は養蚕部屋で、天井からは繭飾りが下がっていました。



壁に「ふんごまっしぇえ!」と書かれていました。
これニホンゴ?
どこをとってもわかりません。
村山郷で使われていたことばで「あがってゆっくりしていきなさい」という意味だそうです。

● 渾身の藁細工作品

母屋の隣に立つ離れのふすまがガラガラと開き、人が出てきました。
エプロン姿で軍手をはめた女性が、籠のようなものを両手に掲げて「見て、七福神よ!」と言います。
見るとそれは、たしかに七福神が乗った宝船でした。
「わあ、すごい!」



見事な藁細工です。
素晴らしい出来ばえに驚きました。

あまりに私たちが喜んだからか、ほかの人が、別の作品も持ってきて見せてくれました。
「これが去年の宝船。鶴と亀もついているわよ」
「こっちもすごい!」

エプロン姿の方はわら細工講習会の先生で、この日は5時間コースで生徒たちに作り方を教えているそう。
先生渾身の作品を2つも見せてもらいました。
こんなのが作れたら、雪に閉ざさた冬の間も、暇を持て余さずに済みますね。
まあ、この辺りは、大雪で村落が孤立することはないでしょうけれど。



私たちがやんやと褒めそやすと「教室はいつでも参加者募集中です。いろいろなものが作れるようになるわよ~」と、先生にグイグイ勧誘されました。
もうちょっと横浜から近ければね~。

● 竹馬の友

母屋の外には、竹馬が立てかけられていました。
平成の世にはもう姿を消したと思っていた竹馬!
もちろん乗ってみますよ!



小学生以来です。(バランスとれなくなっちゃったかな~)と思いながらのトライ。
初めこそグラグラしましたが、すぐに感覚がよみがえって、サクサク自在に歩き回れるようになりました。



まさに「雀百まで踊り忘れず」!
あの頃が、一番運動神経がよかったのよね・・・(遠い目)



● 茶道か闘茶か

里山文化を満喫して、再びバスに戻り、市役所横にある市民レストランに着きました。
先ほど、茶畑の前で解説をしてくれた製茶組合の方々が、スタンバイしてくれていました。
これから、おいしいお茶の入れ方の手ほどきを受けます。
これも茶道というのかしら?



緑茶を淹れるのは70度くらいのお湯がよいと言われます。
「沸騰したては茶葉が煮えるから」と言われてきましたが、熱すぎるお湯は、苦みが出るからダメなんだそう。 
熱湯をそのまま注いだものと、湯冷ましにいったん入れて、熱を下げたものとを飲み比べてみました。
これも闘茶になるのかしら?



淹れ方では、色はそれほど変わらない気がします。
つまり、飲んでみないと分からないということですね。



飲むと、やはり湯冷ましで冷ました方が、まろやかな味になっていました。
お湯を入れてから1分間蒸らすので、その間にお茶は少し冷めてしまうのですが。

● 地元スイーツ

ひとしきり淹れ方を学んだあとは、地元名産のお菓子をいただきながらのお茶タイム。
3種類のスイーツがお皿に載っています。

まずは田舎屋の「手作り村山ゆでまんじゅう」。
皮にうどん粉を使っており、茹でて食べるんだそう。
もっちもちでした。



そして「むさし村山四季彩シフォン」。



ふつうのシフォンケーキは水分があまりなく、ドリンクがないと食べづらいのですが、これはかなりみずみずしく、揺らすとプルプル揺れます。
やわらかいー。



そして、ふだんよく見かける歌舞伎揚げの天乃屋は、武蔵村山に会社があると知りました。



● みかんの誤解

この辺りでは、みかんも有名だそうです。
採れたてのみかんは概してすっぱいものですが、愛媛で採れたみかんはこちらに運んでくるまで輸送時間がかかるため、食べる頃には甘みが増しているのだそう。
それを「愛媛産は甘い」と勘違いしている人が圧倒的に多いとか。
あれ、私も勘違いしていましたよ!?

(そういえば)と思い出しました。
静岡に住んでいた子供の頃、よく農家のおじさんにもぎたてのみかんをもらいましたが、どれも酸味が強かったため「静岡のみかんは酸っぱいんだ」というイメージをずっと持っていたのです。
あれー、私は大きな誤解をしていたのかもしれませんね。

みんなで狭山茶を飲みながら地元のスイーツをいただいて、この日のプランは終了。
今回参加したことで、私たちは「武蔵村山の魅力教え隊」になりました。
さっそくMM情報を発信しないとね!

ところでMMといったら、横浜人はまちがえようもなく「みなとみらい」だと思います。
しかしここでは「武蔵村山」になるんですね~。ところ変われば…。

● 立川アート

市役所で市内参加者たちとお別れし、私たちは立川駅前まで送ってもらい、そこで解散しました。
立川駅に向かう帰りの道すがら、いくつかのアートオブジェの前を通ります。
さりげなく、町の風景に溶け込んでいます。



一見見過ごしかけましたが、これ、普通の車じゃありませんよね。
細長いだけだし。きっと影ができたら本物っぽいんでしょうね。



● ゆるキャラ比較

かわいいゆるキャラ像を発見。立川市公認キャラクター・くるりんだそうです。
立川とうさぎって、なにか関係あるのかしら?
「うさぎ追いし、かの山~」がここだったのかな?(残念、長野の歌でした)

魅力教え隊になった以上は、武蔵村山のゆるキャラもチェックしないといけませんね。
ええと、武蔵村山のゆるキャラは・・・と。
調べてみたら、ねぶたのようなデエダラボッチ(大多羅法師)でした(えー)。



でも、魅力教え隊を募集している魅力づくり推進事業PRキャラクター・むむちゃんも、ゆるキャラっぽいかわいさでした(ホッ)。
身長がみかん3個分というのが、どこかのニャンコのようですが、気のせいですね(笑)。

● epilogue

これまでどこにあるのかもよくわからず、きっかけがなくて縁遠かった武蔵村山市ですが、市の方々に親切に案内してもらい、武蔵村山ならではのいろいろな体験ができて、以前よりもグッと身近に思えるようになりました。
東京で唯一電車が通っていない自然が豊かな市。また遊びに行きたいです。
次回はプリンスの丘公園で、王子ならぬスカイラインを見つけることも忘れずに!

武蔵村山・魅力体験ツアー 1

2017-06-13 | 東京
● prologue

バルト三国旅行から帰って2か月後の1月15日に、旅の友のモコちゃんと再会しました。
今度は都内日帰りツアー。
武蔵村山市の『武蔵村山の魅力づくり推進事業』の一環で開催される見学体験「村山大島紬の機織り・染物体験と東京狭山茶を味わう旅」コースに参加しました。
東急目黒線の武蔵小山(駅)なら行く機会も多いのですが、武蔵村山はあまりなじみがない地域。
訪れるのは初めてです。


画像:武蔵村山市商工会


● なぜか立川集合

集合場所は立川駅。ここからチャーターバスに乗っていきます。
あれ?立川駅があるのは立川市。武蔵村山市ではありません。
なぜかしら?
地図を見てみると、武蔵村山があるのは埼玉との県境、狭山湖の近く。
都内で唯一、駅がない市なんだそう。

なるほど、電車で訪れた市外からの参加者のために、電車の通っている立川集合になったわけですね。
今回は、市民10名、市外参加者10名というほどよい人数のツアー。
参加者の中には、偶然にも友人が一人いました。

● プリンスの丘

動き出したバスの中で、20分間の武蔵村山市の紹介DVDを観ました。
季節ごとのお祭りやイベントが多いようです。ねぶたのようなお祭りもあるようですが、「村山デエダラまつり」というデエダラボッチのお祭りの時の山車でした。
「デエダラボッチ」伝説は日本各地に存在し、ここ武蔵村山にも言い伝えがあるそうです。
ちなみに横浜は、同じような伝説では「浦島太郎」ゆかりの地とされています。

道すがら、とてもトンネルが多いなあと感じます。ということは山が多いんですね。
市の地図「むらやマップ」には「プリンスの丘公園」という名前の公園が載っていました。
まあ、ロマンチックな名前!「キャンディ・キャンディ」に出てくる丘の上の王子様がいそう!



と両手を合わせてうっとりしましたが、よく見ると「日産自動車(旧プリンス自動車工業)村山工場の跡地の一部」と書かれていました。
スカイライン発祥の地だそうです。
違うプリンスだったわ!
乙女よりも走り屋が、スカイラインの聖地詣でをしに訪れそうな場所でした。

● イオンライフ

バスは武蔵村山市役所前で停まりました。
ここから市内参加者の方々が合流しました。



道路を行き交う市営バスの行先を見ると、イオンモール行きが多く、町の中心っぽいなあと感じます。
「この辺りでは車がないと困ります」「ないとイオンに行けない」と市内の方々。
イオン中心の生活なんですね。

● 村山大島紬

まずは、村山織物協同組合を見学しました。
レトロな建物が保存されています。市の指定有形文化財です。



この地方は、江戸時代からの絹織物「村山大島紬」が特産物。
紬といったら大島紬が有名ですが、それは奄美大島のこと。
そこから「大島」の名前をもらいながらも、染める際に板締技法を用いるといった異なる点もあり、東京都指定無形文化財に指定されています。

● 染め物体験

大島紬との大きな違いは、「板締め注入染色法」という群馬の伊勢崎より導入した技術を用いていること。
シルクのスカーフがこんな風に染まるようです。
普段は何気なく見ているこうした手作りの柄ですが、今回は(どうやったらこんな風にできるんだろう?)と前のめり。



2階の体験工房で、自分たちも染めてみました。
この辺りは養蚕も盛んで、それでシルクが調達できています。
今回は割り箸を使って、糸や輪ゴムでスカーフを縛り、絞り染めを作っていきます。



スカーフを縛ったら、それを染液に浸して染めます。
グレーと黄色、どちらかを選べます。



食べかけの綿菓子のようになったスカーフを取り出しまして。



入れます。ドボン。
私たちは黄色の方を選びました。



しばらくおいてから、中身を移します。



再び染液の中に、ドボン。



さらにしばらく煮込んでから取り出したのが、こちら。
よく染まっているようです。



とっても絞った人や、ほんのちょっと絞った人など、できた柄は人それぞれ。
みんなで作った柄を見せ合いました。



● 村山大島紬資料館

1階の村山大島紬資料館も見学しました。
古い道具類や制作途中の様子が展示されています。
「板締め注入染色」の技法も分かりやすく解説されています。



これは生糸1kg分の繭玉。2500粒あるそうです。つまりひと粒は4gなんですね。
村山大島紬のアンサンブルを作るには、これだけの量が必要なんだそう。
たくさんいるんですね。やっぱり着物って贅沢なんだわー。





マネキンの着ていた紬。生地がしっかりしていて暖かそう。
帯の光沢もよかったです。

● 機織り体験

村山大島紬について学んだあとは、2階の工房に戻りました。



ここにはさまざまな織機があり、実際に体験できるようになっています。
説明を受けた後で、自分たちも機織り体験をしてみました。



シャトル(杼)を使って、機織り機に通してある経糸(たていと)に、緯糸(よこいと)をくぐらせていきます。
これはまさに織姫気分だわ~。



シャトルというものを、初めて触りました。
スペースシャトルやシャトルバスの元となった言葉ですね。
横浜港にはマリンシャトルという遊覧船も浮かんでいます。



シャトルを糸にくぐらせたりすくい取ったりするのは、単純な動作でありながら、力加減の調節が複雑。
油断すると糸がゆるくなり、出来栄えに響きます。
慣れないまま、一回一回緊張しながら機を動かしていきました。
余分な力を込めて機織りをしたため、すっかり肩がこってしまいました。



とうとうできましたー!
上がモコ、下が私の作品です。
それぞれ違う色合いのものができました。



自分が作った絞り染めのスカーフと紬のコースターをいただいて、建物を後にします。

● かてうどん

体験講座は結構時間がかかっていたようで、もうお昼になっていました。
「村山温泉かたくりの湯」内の「かたくり亭」のお座敷で昼食にします。

多摩川分水流域のこの辺りは小麦文化で、江戸時代からの郷土料理は地粉麺の「村山かてうどん」。
「かて(糧)」とは、地野菜を茹でたものなどの添え物を指すそうです。



つけ麺スタイルのかてうどん。
不揃いでコシが強く、無骨な見た目は手作り感たっぷり。つけつゆは濃いめの醤油味でした。
かてとして、地元で採れた小松菜や菜花、ナスが添えられていました。
かては汁に入れ、うどんと合わせて食べるそうです。



今回同行した、J:COM TVのカメラマンと隣り合わせになって、おしゃべりしました。
インタビューも受けたので、どんな番組になったのか放映が気になりましたが、ケーブルテレビなのでこの辺りでしか見られないんだとか。
よそでは放映されないとは、残念~。

その2に続きます。


まだ見ぬバルト三国へ index 10.29-11.5

2017-06-06 | 海外
[2016.10.29-11.5]
◆ モスクワ 1 ←旅行記へ
 友人とバルト三国を旅することに決めて、気候のいい秋に出発しました。
 ところが経由地のモスクワで、乗り継ぎの飛行機に乗り損ねてしまいました。
 旅の始まりから大ピンチ!ロシアの空港で寒ーい長ーい一夜を過ごしました。
  ● prologue ● モスクワ空港での悪夢 ● 成田空港散策
  ● 呼び出し放送 ● 寝て食べて ● 空港ターミナル移動
  ● ユダヤ人の縦ロール ● 飛行機を逃してしまった!!
  ● チケット買い直し ● まさかのモスクワ空港泊アゲイン



◆ モスクワ・リガ・タリン 2-(1)
 旅行2日目。この日はなんとしても、タリンにたどり着きたいところ。
 直行便ではなくリガ経由のため、またもや乗り継ぎフライトを逃しそうになります。
 ようやく着いたタリンの空港はポップでキュートで、夢の国に来た気分になりました。
  ● 朝が来た ● 今度はのがすまじ ● またもや違う便?
  ● エア・バルティックのCA ● とうとうロシア脱出 ● タリンではなくリガ
  ● リガで乗り継ぎ ● 空港内を猛ダッシュ ● LCCのビジネスクラス
  ● タリンに到着 ● ポップでかわいい空港 ● 入国審査なし
  ● まだ闘いは続く ● やさしい運ちゃん ● フォン ステッケルバーグ ホテル



◆ タリン 2-(2)
 モコモコに防寒して、タリンの旧市街を散策します。
 中世の面影の残る石畳の町並みが、とてもすてき。
 展望台でカモメと眼下のフィンランド湾を眺めました。
  ● バルト三国・エストニア ● 市内散策へ ● トーンペア城
  ● アレクサンドル・ネフスキー大聖堂 ● 聖母マリア大聖堂 ● 重い国旗
  ● 展望台のカモメ ● タリンの南部さん ● 聖ニコラス教会 ● 旧市街の中心へ



◆ タリン 2-(3)
 旧市街の中心地で、魔女や騎士と遭遇しました。
 薄暗い洞窟の中で、謎のスープを飲んでみます。
 夜まで石畳の町を散策したあとは、ホテルでゆっくりくつろぎました。
  ● ラエコヤ広場 ● タリンの旧市庁舎 ● 魔女狩り裁判?
  ● 魔女の洞窟? ● エルクのスープ ● 暮れなずむ町
  ● 機関車じゃないトーマス号 ● 三人姉妹はどこ? ● 太っちょマルガレータ
  ● 両足ねんざ ● エストニアの寿司



◆ タリン 3-(1)
 前日に引き続き、午前中もまた、旧市街に繰り出しました。
 メルヘン度が高い中世の街並みに、大国ソ連から独立をかちとった記念碑も立っています。
 派手さはありませんが、すっかりこの町が好きになりました。
  ● 朝食たっぷり ● 食後の散策 ● エストニア民族独立運動
  ● ラエコヤ広場ふたたび ● 中世と現代 ● 聖カタリーナの小径
  ● 職人たちの中庭 ● セーターの壁 ● ヴィル門
  ● 黄色い花売り ● 日本領事館と桜



◆ タリン・リガ 3-(2)
 基本「なんとかなるさ」とのんびりしていますが、市のバスターミナルでは現地語がわからず大ピンチ。
 それでもなんとか、国際バスターミナルまでたどり着きます。
 国境越えのバスは広い平原を抜けて、エストニアからラトビアへと向かっていきました。
  ● 雨の中の移動 ● バスターミナルで途方に暮れる ● 巨大タッチパネル
  ● 人は見かけによらぬもの ● 降りるバス停におろおろ ● 国際バスターミナル
  ● ハイテク国際バス ● チョコチーノ ● 国際=英語ではない ● 東ヨーロッパ平原地帯 



◆ リガ 3-(3)
 夜になってから、ラトビアの首都・リガに着きました。
 泊まるホテルはカジノ付きで、ネオンがキラキラ。
 部屋の外ではハロウィンゾンビ、部屋の中ではプリンスのビデオを見て過ごしました。
  ● リガに到着 ● キラキラホテル ● ホテルの内装
  ● リガの部屋 ● ハロウィンゾンビ ● スーパーのかご
  ● プリンスナイト ● お湯があふれる 



◆ リガ 4-(1)
 謎の迷彩服の兵士たちに囲まれながらの朝食タイム。
 分厚く着込んで、凍りそうなリガの散策に繰り出します。
 世界遺産のドラマチックな彫刻建築に圧倒されました。
  ● リガの朝 ● アーミーといっしょ ● ホテルの部屋でエスプレッソ
  ● みぞれ模様で防寒対策 ● バルトの真珠で貴婦人 ● 日本料理店「カブキ」
  ● 救世主って誰だろう ● ユーゲントシュティール ● 日本料理店「ヤクザ」
  ● 巨大な猿 ● 神戸からの時計



◆ リガ 4-(2)
 雪がちらつく中、世界遺産のリガ旧市街地区を散策。
 ニットを着せた配管があったり、抗ソ連のバリケード記念碑があったり。
 ツェッペリンという気になる名前の芋料理を食べました。
  ● お城っぽくない城 ● ヤコブはジェームス ● 三人兄弟
  ● ニットの標識 ● 平たいリーガ城 ● マリアの受難
  ● バリケード1991 ● 城壁のスウェーデン門 ● 中世の火薬塔
  ● リーガ大聖堂 ● ランチのお店探し ● 聖ペテロと聖ヨハネ
  ● ショッピングモール ● ランチはCili Pizza ● ツェッペリンを食べる



◆ リガ 4-(3)
 中世の建物の並ぶリガの町は宝石のような美しさ。
 社会の時間に習ったギルドとハンザ同盟が目の前に躍り出ます。
 夜には部屋でアイスを食べながら、雪が積もるのを眺めていました。
  ● 午後の散策 ● ギルドとハンザ同盟 ● 猫の家
  ● アーミーと再会 ● ブラックヘッド ● I LOVE BEER!
  ● ラトヴィア版自由の女神 ● アーミーと衛兵 ● バルトのパリ
  ● 中央駅のホーム ● バルトのアイス ● 部屋でのんびり
  ● カープ女子 in ラトヴィア ● 雪の夜



◆ シャウレイ 5-(1)
 ラトヴィアの次に向かったのは、バルト三国最後の国、リトアニア。
 バスの乗り継ぎに骨を折りながら、十字架の丘を目指します。
 無形文化遺産の丘には、見たこともないほどたくさんの十字架が静かに立っていました。
  ● 雪の夜 ● 朝のカジノ ● リガ中央駅時計塔
  ● 国際バスターミナル ● カリーニングラード行き ● ロシア語が飛び交う
  ● なぞの停車数回 ● リトアニア・シャウレイ着 ● 町バスに乗り換えて
  ● おにぎり注意? ● ドマンタイ到着 ● 珍しいアジア人 ● 十字架の丘【無形文化遺産】



◆ シャウレイ 5-(2)
 十字架だらけの丘の上にまた一つ、巨大な十字架が増やされる光景を見ました。
 寒さに震えながらバスを乗り継いで、リトアニアの首都ヴィリニュスへ。
 ロケンロールな内装のモダンなホテルに泊まりました。
  ● どこを見ても十字架 ● また一つ新しい十字架が ● 濡れそぼる帰り道
  ● シャウレイの町 ● ハロー・コティ ● コンフォートホテル・ロックンロール
  ● ロックスターの身長計 ● 細長ベッド ● リトアニアのスーパー
  ● お惣菜とアイス ● エコロジーホテル ● いいアイデアは流しちゃダメ



◆ ヴィリニュス 6-(1)
 ロックなホテルながら食事はオーガニック系。
 バスに乗って湖上のお城へ向かいました。
 かわいらしい中世のお城。雰囲気満点ながら、湖畔の寒さに震えが止まりませんでした。
  ● ホテルのレストラン ● トースターマシン ● コンセプトホテル
  ● クラシカルでパンキッシュ ● トゥラカイ行きのバス ● 車内禁止事項
  ● トゥラカイ到着 ● お城への道 ● リトアニア大公国
  ● 三角屋根の家 ● トゥラカイ城 ● 湖畔の城壁



◆ ヴィリニュス 6-(2)
 お茶して身体を温めてから、ヴィリニュスの旧市街を散策。
 川向こうのウジュピス共和国では、天使と人魚の像が迎えてくれます。
 町はずれにあった教会は、これまで訪れた中で一番美しいものでした。
  ● 駅前マック ● 夜明けの門 ● ヨハネ・パウロ二世
  ● 琥珀の店 ● 教会がたくさん ● 円形城塞
  ● ウジュピス共和国へ ● 幸せの人魚 ● ラッパを吹く天使
  ● 見知らぬ日本車 ● 聖ペテロ&パウロ教会 ● 教会の物乞い



◆ ヴィリニュス 6-(3)
 ヴィリニュスの旧市街へ。城跡に宮殿、大聖堂など、堂々とした荘厳な建物が建ちならびます。
 素晴らしい町ですが、目を凝らせばそこかしこに帝政ロシアの深い爪痕が残る哀しさ。
 パーッと外に繰り出したかった最後の夜も、またもや寒さに負けて、ホテルでのんびり過ごしました。
  ● ゲディミナス城 ● 大公宮殿と大聖堂 ● ヴィリニュス大聖堂
  ● 巨大な鐘塔 ● 地下城壁 ● ヴィリニュス大学
  ● 教会だらけ ● 優しい交通ルール ● ホテルに帰宅
  ● スーパーガールズ ● ロックな背景 ● ワルシャワの友のチェック



◆ ヴィリニュス 7-(1)
 ホテルをチェックアウトして中央駅へ行き、電車で空港へと向かいました。
 静かで落ち着いたバルト3国から離れるさびしさを噛みしめます。
 ロシアで暮らすメキシコ女性と飛行機で隣り合わせ、フライト中おしゃべりしました
  ● 朝から焼きギョーザ ● ヴィリニュス中央駅 ● 空港行き電車
  ● ヴィリニュス空港 ● 北欧風デザイン ● リネンとバスケット
  ● 搭乗ゲートにて ● 母と子とゲーム ● アエロフロート便 ● メキシコ大使館の女性



◆ モスクワ 7-(2)
 帰りのモスクワ空港では、行きに飛行機を逃した問題のゲート現場検証をしました。
 アジア系を見るのが久しぶりで、搭乗する乗客に懐かしさと感動を覚えました。
 いろんな意味で日本からまだ遠いバルト三国ですが、それでもまた訪れたいすてきな国々でした。
  ● 英語はまだ遠し ● モスクワふたたび ● またもやゲート変更
  ● 悲劇の現場検証 ● 2度目はない ● ロシアンレストラン
  ● 日本語久しぶり ● 外は雪景色 ● 霜よけ作業
  ● 可動式首当て座席 ● スリープモード ● どなたかお医者様は 
  ● 氷原を下に ● 日本着陸 ● epilogue