
千葉県ご当地ラーメン発見の旅、内房線さざなみ号に乗って房州石と鋸山のある港町、金谷へGO!
火曜日の朝、おはようございます。
今朝ご紹介するラーメンは、千葉県富津市と言えば、竹岡漁港のチャーシューの煮汁をお湯で割った宮醤油の醤油味に乾麺、豚バラチャーシュー、刻み玉ネギが乗った竹岡式ラーメンが千葉県のご当地ラーメンとして全国的に有名ですが、実は同じ富津市の金谷漁港にも知る人ぞ知る地元ラーメンが存在していました。
まず最初に「金谷」ってどんな町?から入りたいと存じます。
きっかけはテレビ東京の旅番組「60分で頂上!箱根&房総プチ登山ツアーを作れ!」で、タレントの三船美佳さんが鋸山(のこぎりやま)をレポしたのを観てから。
鋸山周辺は千葉県最南端の南房総に行くのに良く通過する場所、そして小学校の時に鋸山に遠足に行った遠い微かな記憶があります。
ここ近年千葉県内を仲間たちや単独で日帰りラーメンツアーしていますが、私達の故郷、千葉県には本当に手付かずの豊かな自然が残されていて、その事をラーメンと共にしっかりと皆様に伝えて行く事が千葉県ナンバーワンラーメンブロガーロッキーの使命でもあります。
金谷は昔から鋸山と金谷漁港の町ですが、南房総国定公園の鋸山、元は「房州石」と呼ばれる軟らかくて熱に強い良質な石の産地で、江戸時代の中頃から、「つるはし」や「くさび」を使い人の手で切り出していたそうです。房州石は金谷港から海を渡り横浜や、皇居のお堀にも使用されているそうです。明治から昭和の初期の最盛期には1本80キロの房州石を年間56万本も切り出していたそう。男性が切り出した石を、女性がふもとまで人力で運んでいたそうで、その名残が登山道の「車力道」として今でも登山客に利用されています。昭和60年になると中国から安価な石が輸入されるようになり、鋸山の房州石はその役目を終えました。
ところで房州石の鋸山には「日本寺(にほんじ)」と呼ばれる日本一の石で出来た大仏さんがいるお寺があります。日本寺は今から約1300年前、聖武天皇の勅詔を受けて、行基菩薩によって開かれた関東最古の勅願所です。東京ドーム7個分、鋸山の南側斜面10万坪余りを境内としており、豊かな自然の中を散策しながら、石像の大仏様(薬師瑠璃光如来)、百尺観音像、千五百羅漢石像群などをお参りすることができます。「地獄覗き」もこのお寺の敷地の中にあります。日本寺の住所は、富津市のお隣、千葉県安房郡鋸南町鋸山になります。
いい親父になって再び鋸山を訪れてみると、鋸山ってこんな場所だったの?そんなビックリがいっぱいです。
前半では鋸山(のこぎりやま)に関して書きましたが、後半は、金谷ラーメンに関して書いてまいります。
金谷漁港エリアで、ラーメンを出している店舗は、数軒。
有名どころでは、「さすけ食堂」、「味はな」、「満腹そば」、「磯家」「はまべ」などがあります。
その中で今回は、黄金アジフライで行列必至の「さすけ食堂」と「磯家」をご紹介します。
まず「さすけ食堂」
ここは黄金アジフライで良くテレビに紹介されていて、地元の有名店です。
日曜日午前10時の開店前に到着、すると行列26組目でした。大体1時間半から2時間で食べることが出来ました。
さすけのメニューの基本は、人気ナンバーワンの「さすけ定食(1500円)」、新鮮なお刺身と、ふわふわな黄金アジフライ3個とご飯、お味噌汁のセット。絶品黄金アジフライを堪能するには、アジフライが5個付いたアジフライ定食(1200円)、そしてカジメらーめん(700円)、カジメざるらーめん(700円)、カジメらーめんとアジフライ3個の半フライセット(1200円)があります。
この日は、カジメらーめんと半フライのセット(1200円)を注文。
「カジメ」とは海藻の事で千葉県富津市のマル秘の場所に生息している日本一美味しい「幻の黄金アジ」。その海底5~30メートルの岩盤上に生えているのがカジメだそうです。
カジメは健康食品で、ミネラル、ビタミン、ヨード、フコイダン、アルギンなどを豊富に含んでいるそうです。
さすけではそのカジメを麺にも練りこんで、トッピングにも使い、カジメワールド全開の塩らーめんに仕上げています。
店主の斎藤艶子さんに伺いましたが、さすけの創業年は不明、斎藤さんは17年前からこのお店の店主になり営業されているそうです。
カジメを練りこんだ麺はどこか外房で食べたひじき麺にも似た感じ。トッピングのワカメやスライスした玉ねぎ、刻みネギ、そして粘り気のあるカジメ、このカジメの粘り気が豚骨、鶏ガラ、野菜、昆布で取った出汁に独特の麺との絡みを演出して、鶏油も入って、なんとも不思議と美味しいご当地らーめんです。
黄金のアジフライもふわふわの食感で、こんなに美味しいアジフライは初めて食べました、絶品です。
このカジメらーめんと黄金のアジフライは最強タッグですね。オリジナリティも抜群で、カジメの流通量が少ない事から、金谷でしか食べられない幻の地元らーめんですね。
そして続いて、「磯家」を訪問。
こちらは店主さんのお話ではテレビ出演NGのお店だそうですが、2回だけテレビに出たそうです。
この「磯家」は今から36年ほど前に、現店舗の前のドライブインで創業。平成3年に今のご主人が店主になり、今の場所に移転リニューアルされたそうです。
カジメ入りの金谷ラーメンを出したのは5年ほど前から。なので金谷ラーメンとしては後発組。
メニューの基本は、房総の海の幸たっぷりの塩味の磯ラーメン(900円)、ノーマルな醤油ラーメン(600円)、味噌ラーメン(650円)、ご飯ものであじフライ定食(1100円)、あじ天丼(900円)、磯とろ丼(900円)、カレーライス(600円)など。
出てきた金谷ラーメン(700円)は醤油味で鶏ガラのスープがメイン、カジメの粘り気が癖になる優しくて美味しい味わいでした。麺の茹で加減はデフォで柔らかめです。
さすけ食堂も、磯家も、同じ富津市でありながら、竹岡式の影響は全く受けずに独自に完成したラーメンというのが凄いですね。
「金谷ラーメン」の特徴は、「カジメ」という流通量が少ない海藻を使用しているという事で、麺に練りこんでいるお店もある、というのが定義でしょうか。このカジメ、アラメと表記している所もあります。
「さすけ食堂」
住所:千葉県富津市金谷2193−5(国道127号線沿い)
営業時間:(金土日月)午前10時から品切れまで
* 天候など仕入れにより臨時休業あり。
「磯家」
住所:千葉県富津市金谷2164−2(金谷港フェリー乗り場近く)
営業時間:11時頃から、16時頃まで(材料切れで終了)
定休日:毎週水曜日