
木曜日の朝、おはようございます。
今朝ご紹介するらぁ麺は、「支那そばや30周年記念企画」過去30年のメニューの中から選ばれた30種類で一般人気投票を先日行い、第3位に選ばれた,
2001年10月に発売された「石臼挽き麺(1200円)」です。
値段も15年前と一緒。当時のラーメンの大体2杯分。今でも全部トッピングのラーメン並。当時はエポック・メイキングな「らぁ麺」でしたね。
今から15年ほど前に佐野実さんがお作りになった「らぁ麺」をお弟子さんやご家族が復刻させる、燃えるような情熱がないとなかなか出来ないと思いますが、良く再現されたというのが実際に食べた感想。
「石臼挽き」、日本蕎麦では当たり前の製法ですが、15年ほど前に小麦を石臼挽きした方が美味いという事を知ってた佐野さんは凄いですね。
石臼挽き小麦粉は1997年頃、香川県の吉原食料で考案された製法のようです。北海道でも同時期に開発が進められた模様。
一般の方はご存知ないかも知れませんが、小麦は断面が米粒と違い、ハートの形をしています。なので外皮を削るより、一旦全てを粉砕するのが基本形。
石臼挽きのメリットは、機械ロール式に比べて摩擦熱が少なく、小麦の風味、旨みが残っている。逆にデメリットは手間がかかるので割高になる。
今、美味しいつけ麺には必ず石臼挽きの国産小麦粉が一定の割合で使用されている場合が多いです。
持ち上げるスープは丸鶏、鶏ガラに、仕上げに赤いサンゴとも言われる高級魚の「メヌケ」を炙って臭みを取り除いたのを加えます。メヌケの上品な脂が石臼挽き麺と鶏魚介スープを良く結び付けて、啜り心地が素晴らしいです。
昔のドンブリは丸くて、スープがたっぷり入りますが、飲み進む内にメヌケの出汁が顔を出して食べ飽きずに完食。若干ヌルヌル感のある、加賀野菜の「金時草」がまた名脇役。白髪葱や針生姜と共にスープを立体的に際立たせる技法が秀逸でした。
15年前にこれだけの「らぁ麺」が考案されていたのが、私には衝撃的。
ラーメンがミシュランで一つ星を取る時代に導いたのは、生意気かもしれませんが、僕は佐野さんがレールを引かれたと心の底から思います。
ご馳走様でした。