干天の慈雨とも言える久しぶりの雨で、終日家の中で過ごした。驟雨の度毎に風向きが変わるので窓の開け閉めが忙しかったが、気象に疎い自分には何故か面白かった。
こんな日に限ってだらだらと消光してしまう。夜になってアレもコレもできたのにと後悔する。
昨夜は1匹だったが、今夜は蛙の合唱がきこえる。中原中也の「蛙声」という詩は、まったく覚えていない。
中也の - ゆふがた、空の下で、身一点に感じられれば、万事に於いて文句はないのだ。 - は好きな一節のひとつだ。
ふたつ合わせて、夕陽の中に黙ってうずくまる1匹の蛙を想像するのは、あまりに軽すぎる。