Silver linings

カリフォルニアで子育てとか仕事とか。

モリー先生との火曜日 2/26 (土)

2005-02-27 15:08:55 | リュウガクジダイ
Audio Bookというものがあります。CDタイプの本のこと。車社会のアメリカでは日本のように通勤電車で勉強したり本を読んだりできません。そこでアメリカ人は車の中で本を「聞く」のです。これによって運転しながらでも本を楽しめるというわけ。メジャーな本・小説はほとんどがCD版オーディオブックとしても売られています。

最近は"Tuesdays with Morrie"という本をずっと流していました(CD4枚組)。(邦題『モリー先生との火曜日』日本でもよく知られた本。)

この本、設定も感動的で、実際にあったストーリーということを強調し「感動させよう」「泣かせよう」としているところがちょっと見え見え・・・。また、タイトルのところに、The Life's Greatest Lessonと書いてあったりして、私はそういうおせっかいな「人生のレッスン」に辟易してしまう。愛や、家族、仕事、許しだのレクチャー本、自己啓発本は引いてしまう。

でも、でもね、
オーディオブックだったからか、とても良かったです。1字1句ページの上で文字を追う必要もなく、スーッと耳に入ってくる。「そうだよね」と頷けたり、「あ、そういう気持ち忘れてたわ」と何かを思い出させてくれたり、ラジオですごくいい話を聞いているような気分でした。

死に直面した老教授が、人生の様々な局面について、心に残る話、ことば、たくさん語っています。人生のこと、価値観、愛、いろんな話に自分を重ね合わせることができて、普段考えないようなことを考えるきっかけを与えてくれました。

すばらしいメッセージのいっぱい詰まった本です。出会えて良かったと思う本です。

でも、美しい話は、本当はこんなふうに本や活字にならないところにこそ存在している。人生で大切なことを教えてくれるのは、本や偉人のことばだけじゃない。無名な人々のなにげない日常の中にこそ、美辞麗句では語れない不器用な美しさがあるもの。
CDを聞き終わった後に私はそんなふうに思い、自分の普通な毎日をもう少し敏感に見直してみようと思いました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする