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【読書感想文】アルスラーン戦記

2007年03月20日 02時18分39秒 | 読書感想文
銀英伝にはさんざんはまったのにこっちは今まで敬遠していた。

『アルスラーン戦記』
作者:田中芳樹

ストーリー:
大陸公路の中央に位置するパルス国は、兄王を殺害しその妻を奪ったアンドラゴラス三世が治めていた。国王の武威により14年間に渡ってパルス国は近隣諸国の侵入を退け続けていた。
パルス暦320年。北西からルシタニア軍が攻め込んできた。大軍を率いたアンドラゴラス三世だったが、信頼する万騎長のひとり、カーラーンの裏切りによりアトロパテネの会戦で味方は壊滅した。王を逃がそうとした大将軍ヴァフリーズは謎の銀仮面の戦士に討たれ、王も捕われる。
この戦いが初陣だった王太子アルスラーンは万騎長ダリューンに救われて、隠棲している元貴族ナルサスの元へ行く。
ダリューン、ナルサス、ナルサスの侍童のエラム、そして女神官ファランギースと流浪の自称吟遊詩人ギーヴを加えた6人は再起を図るため逃亡する。

感想:
ストーリーは1巻の半分くらいまで。
銀英伝のような濃い内容を期待していたのだが、こちらはほんとにライトノベルだな、と思った。かといってつまらないというわけではないのだが。
ご都合主義といってしまえばそれまでだが、主人公アルスラーンの周りに集まる連中が揃って一騎当千の猛者ぞろいというのがなんだかなぁという気がする。比較の対象としてはふさわしくないが、ワンピースでいうウソップ的役割がいない。みんな万能な人物ばかりで、それをまとめる王者の才覚が主人公アルスラーンに備わってる、みたいな話。

小説のフォーマットは銀英伝のような歴史小説的なものがほとんどなく、普通に小説してるという感じ(?)。後世の歴史家などは出てこず、架空の世界が舞台のため、故事が出てくるわけでもない。そういうのがあれば面白かったのだが。

世界観は作者いわく中世ペルシアのような場所。で、周辺諸国も中国、モンゴル、インドなどをモデルにした国々が登場するのだが、これは結構面白い。

今6巻まで読んだところなのだが、ストーリーをもうちょっとかいつまむと、ルシタニアに征服された首都を奪回すべく、国の東辺にある要塞ペシャワールで挙兵したアルスラーンはすったもんだのあげく自力で首都から脱出してきた国王アンドラゴラスに全部奪われてしまい、アルスラーンは南の港町ギランで一から兵力を集めた、というところ。これがまたとんとん拍子に集めてしまうので拍子抜けしたのだが。