祖母から庭の筍がとどいた。
春の喜びをかんじると同時に、今年は
85歳をすぎた彼女がみずから掘ったというから
例年にも増してありがたみも感じる。
届いたそのときに時間の余裕があれば、わたしは
いつも迷わずタケノコ汁をつくる。
まずは竹の子を一口サイズにきって
鍋にいれて油で炒め、 水と酒粕をいれて加熱し、
沸騰したら味噌で味をととのえ、
最後にワカメをいれて、できあがり。
わたしのココロのふるさと・珠洲(すず)で教えてもらったレシピ。
美味しいうえにあく抜きの手間いらずと、大のお気に入り。
だけど新鮮な竹の子が手に入らないとつくれないレアな一品だ。
あいにく今回はタイミングが合わなかったので
別のレシピを検討してみた。
もろもろの条件を考え一番ぴったりきたのが「竹の子焼き飯」。
つくり方は以下のとおり(『向田邦子の手料理』p15)。
*** *** ***
筍は㎝角くらいの角切りにする。
冷ご飯をバターでいため、
ご飯がほぐれたら塩、こしょうで調味し、
竹の子を加えてさらによくいため、仕上げに、
あればちぎった木の芽としょうゆをふり入れて
香りをつける。
*** *** ***
おりしも木の芽の時期。
本来なら木の芽味噌をつくりたいところだけれど
このところ時間がままならなくて、まだ叶わずにいる。
それでも竹の子焼き飯に添えるだけなら
すぐにでも実現できる。
さっそく、摘みにいった。
木の芽の芽吹きの勢いはいつも鮮やか。
毎年のことながら、ほれぼれする。
その葉を一枚、片手にとり、
両の手のひらをパンとたたけば、瞬時に心地よい香がたつ。
この香りが何ともいえず好きで、いつもわたしは
竹の子焼き飯に木の芽をふんだんにいれる。
もちろん、今日もたっぷり摘んできた。
どんなに忙しい春でも、
一気にしあわせな気分になれる味。
…少なくともわたしにとっては。
最近忙しすぎるあなた、そして
しあわせ度が足りない気がするあなたも、
よろしかったら、是非おためしあれ。
最新の画像[もっと見る]
- 【ご案内】12/1(日)講演@東京・五反田/品川「のと地震の震源地をゆく〜原発がないのは偶然か」 1ヶ月前
- 【ご案内】12/1(日)講演@東京・五反田/品川「のと地震の震源地をゆく〜原発がないのは偶然か」 1ヶ月前
- 【お薦め】読書の秋に、『珠洲の海』(砂山信一 第一歌集・11月20日発売) 2ヶ月前
- 【ご案内】11/29(金)スライド&トークイベント「声をあげる人々が未来を変える~能登地震と原発」 2ヶ月前
- 【おすすめ】「新潟県巻町と根源的民主主義の細道」と副題にある名著、増補版! 2ヶ月前
- 【おすすめ】「新潟県巻町と根源的民主主義の細道」と副題にある名著、増補版! 2ヶ月前
- 「もの言う民が未来を救う」:神奈川新聞「2024衆院選 問う」10/27 2ヶ月前
- 「もの言う民が未来を救う」:神奈川新聞「2024衆院選 問う」10/27 2ヶ月前
- 【ご案内】10/28発売『現代思想』11月号に「帰りたいスズとジチ」 3ヶ月前
- 【ご案内】10/28発売『現代思想』11月号に「帰りたいスズとジチ」 3ヶ月前