ある日、能登の突端・珠洲(すず)から
蛸島(たこじま)港から直送のフグさん到来。
さざえの刺身まで入っている。
「最後の晩餐に何を食べたいか」と聞かれれば
「さざえの刺身」と答えるほど好き。
こういう到来時には
鼻のきく誰かがひょっこり顔を出すのが常だったけど
めずらしく今回は来訪者なし。
すでに夕飯どきで、お裾わけするにも、ちと遅い。
この一年の疲れを流しさり、来年に備えてパワーを蓄えておけ
というメッセージと受けとめた。
ならば、この晩餐は「忘年会」。
あわてて近所の酒屋さんに電話すると
石川県の加賀鳶の無ろ過があるという。
それを届けてもらい、
海の幸と美酒が贅沢に並ぶ夕餉とあいなった。
(あとは鍋に入れるだけの状態に調理されて並ぶフグ↑)
とっておきの利尻昆布があったので、それで出汁をとり、
沸騰したところでフグを鍋に入れて、
ふたたび沸騰しフグがふわりと浮いてきたところで皿にとって食す。
フグを食べたいだけ食べたあとは、
豆腐をスプーンで削いで鍋へ。
豆腐が出汁であたたまったところでいただくのが妙。
五体を養う滋味に、感謝の念がわく。
「ごちそうさまでした!」