アリの町のマリア 北原怜子 | |
松居 桃楼 | |
春秋社 |
蟻の町のマリア、、をご存じだろうか。、、もしかしたら、知らないかたの方が多いのかな。、、世界の伝記、のような本の中に、このかたの行った事がかなり詳しく書いてあった。確か初めて読んだのは、中一の時だったな。気持ちがかなり揺れ動いたのは確かだ。なぜなら、その伝記本のタイトルは「世界を驚かした10の努力」だったのだが、北原怜子さんの話が余りに心に衝撃を与えたため、他の9の伝記を1つも覚えていないのだ。中1くらいのジブンにとり、この、まだ二十代の若さであった北原怜子さんの行った事は理解し難かったし、ジブンには間違ってもできないであろう行動でもあった。ましてや本人は裕福な家庭(たしか父親は大学教授)の出。何も自らそのような事に身を投じなくてもよいではないか。、、けれど本人は何も意識もせず、ただひたすらに、愛を持ってアリの町の人たちと1つになろうとしたのだと思う。様々な意見があるなかで、でも、ワタシは彼女の行いは、素直に尊いと感じる。偽善で人は、そこまでできないとも感じる。、、きっとね。、、ワタシは、今でも人から一番尊敬する人を聞かれた時には彼女の名を挙げるけど、それは、中一の時から今まで、そしてこれからもきっと変わらないと思う。多分、本当の愛なんてきっと誰もがそう、簡単にわかる事ではないのだろう。けれど、気持ちがすさみ、ちょっと心が荒れひねくれ、人を信じられなくなりそうになった時、アリの町のマリア、である北原怜子さんの事を思いだし、救われた気になる。愛は勇気でもある。