エアコンって室内機と室外機を接続して初めて製品となる半完成品の商品です。
他の家電と違い、お店で買ってそのまま使える商品とは違います。
このブログでも何回も警告してますが、エアコンのトラブルがあった場合、責任の所在があいまいになるので、購入する時は販売と施工が同じところが望ましいと思うのです。ネットで購入して初期不良はよくあります。
安売りだと再販ルートというのがあるからかも知れません。
特に施工が難工事の場合、取り換え工事は全てお客様負担になりますから正規ルートで購入をオススメします。
今回はそんな難工事の一例をご紹介します。
高所で危険な場所でのエアコン工事です。

このようにベランダが無い建物で、エアコンの室外機が窓の外に金具で吊るしてあります。 ご存知のようにエアコンの室外機は大変重い商品です。
これを窓から出し入れするのです。

私はロッククライミング用のハーネスを使い、ロープを柱にくくり安全確保。 なるべく身軽な格好にして医療現場の手術のように道具一つひとつ確認して手渡しして作業を進めました。
今回は11階。 この手すりがあると窓の外に出れないので手すりをまずは外します。

この高さだとさすがに怖いのでなるべく下を見ないようにしました。

と言いながら、確認のために撮影。

危険な時ほど撮影した方が良いと思います。
それは冷静になれるからです。
焦っていては危険です。客観的な視点を持つことが安全作業につながります。

今回のお部屋は西陽がキツイお部屋。

更にこのように室内機を取り付ける壁面がありません。全面窓です。
梁が少しあるのでここに取り付ける事にしました。
よくあるのが据え付け桟と呼ばれる金具を使って吊るす方法ですが、この部屋は西陽がキツイので、室内機を据え付け桟だけで吊るすと、直接室内機の裏側に西陽があたってしまいます。 これを避けるために板を取り付けそこに設置する事にしました。

コンクリートアンカーを打って、ボルトを通し板を梁に取り付けしました。

そして室内機を取り付けました。
室外機側はこのように危険なので、なるべくメンテナンスしなくても良いように耐久性ある仕様にしました。

例えば、ホース類。

対候性あるホースに更に保温材を巻き、そのまた更にテープを巻いて20年は持つようにしました。
考えられる最善の施工をいろいろやって5時間くらいかけて一台のエアコンを取り付けしました。
お客様は大変喜んで頂きました。
ここの団地は毎年工事をしていますが、このように時間が掛かり、他のお客様の所に行けなくなり迷惑が掛かるので、7月はお断りしています。
このブログを見て、ウチも・・・という方は9月になってからお願いしますね。