前回は小皿の図録を紹介しましたが、今回は伊万里の小皿を紹介したいと思います
「色絵くらわんか五寸皿)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/e0/43b1667197606bca8dd4f934adc615c4.jpg)
色絵といっても緑と赤だけですが、この濃い発色の赤で絵付けされたインパクトのある図柄が印象的な品です
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/62/a6e483cee38f8dc719f204e685619cba.jpg)
サイズのわりに手取りが重く、しかも灰色っぽい生地の品で、このあたりはいかにも、くらわんかといった感じで、お約束の釉剥ぎもみられます。
それにしても何を描こうとしたのかは判らないものの、見込み中央に赤で書かれた勢いのある文様はかなりインパクトがあるのは確かです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/3d/63f35cc60b3e65b7884d2ebe75d04e52.jpg)
この品の裏側を見ると、特長的な点として兜型の成形になっている点、そして
高台内中央に渦巻き形の窯印(?)があるのが判ります
色絵くらわんかとしては絵柄をも含め、珍しいタイプの品なのかも知れません。
実はこの品の存在は20年以上前から知っており、↓の画像は「小さな蕾」の2003年1月号に掲載されていた
「甲斐壺」というお店の広告のものです
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/56/3e844e12a4e67eb45cf3837a0af9f92d.jpg)
当時このお皿が五客組でいくらで売られていたかは判りませんが、妙に印象に残った品であったのは確かです
あれから21年、一枚だけとは言え、安価に入手できたことを喜ぶべきかも知れません。
こんなにインパクトが強いと、なかなか忘れられませんね!
21年ぶりに手に入れましたか!!
しかも、安く!
掘り出しですね(^-^*)
ところで、「くらわんか」と言うことですが、私は、どうも、この、最近の「くらわんか」という文字の表現に不満を持っているんです(~_~;)
意味が曖昧なんですよね。
この小皿は、以前は、有田製の「古九谷様式」と言われていたと思うんですよね。
少なくとも、江戸中期以降の波佐見製のものに限定して「くらわんか」とすべきではないかと思っているんです。
おもしろい絵柄ですね!
赤絵が大胆で蛇目の釉剥ぎ部をもともとのデザインの如く塗り仕上げていますよね!
21年越しの再会はうれしいですね(^^)
ところでこのお皿時代はどれくらいなのでしょう!?
裏側白磁のピンホールの感じや煮え方?がすごく古くみえます。寛文前後の古九谷に見えます。
釉剥ぎの色絵は18世紀もあるようなので時代推察が私はさっぱりです(>_<)
、呉須赤絵や南京赤絵の影響でしょうか、色模様が日本離れしていています。
兜型だし、裏だけみると大皿かと思ってしまいますね。
最初に裏の写真から入れば、表も大皿で通ると思います(^.^)
所載品がまた一つ増えましたね。
次はどんな皿が登場するか楽しみです。
「くらわんか」については正直なところ判らない部分が多いですが
「波佐見焼」というくくりにすれば、似たような手の伊万里と区別できるのかも知れませんよね。
この品、兜型の成形になっていることが悩ましい部分で
初期赤絵として売られていたら、そう思ってしまうように思います。
この品、もし何の説明もなかったら、恐らく初期赤絵の珍品と思い込むのは確かです。
兜型の成形故にそう見えるんですが、土の感じ、手取りの重さ、似たようで違う赤の発色
このあたりから素人なりの判断をすると、江戸中期末あたりと思っています。
粗放でありながら勢いのある筆致、デザイン的な自由さ・・・
正直なところ、扱っていた業者さんが20年以上お付き合いのある
関西のベテラン業者さんなので、「くらわんか色絵」を信じるしかないのは確かです。
それにしても前から知っていたとは言え、変わった品があるもんだと思う次第です。