「二銭銅貨」と聞くと、読書家あるいは推理小説好きの方なら、江戸川乱歩の処女作である小説を思い出すかも知れません
(コチラで読めます)
小説の中では裏表の二つに分かれる二銭銅貨が重要な小道具として登場しますが、実際の二銭銅貨は↓のような硬貨です。
表
裏
二銭銅貨は明治6年~明治17年に発行されており、発行枚数はかなり多いので
明治6年を除くと古銭としての価値はたいしたことありません。
特筆すべきは日本で発行された銅貨の中で最大と言えるそのサイズで
直径31.81mm、重量は14.26gもあります。
単体の画像だと大きさが判りにくいので、現行の500円硬貨、10円硬貨と一緒に並べた画像が↓です。
ちなみに500円硬貨は26.5mmで重量が7g、10円硬貨は直径が23.5mmで重量が4.5gです
乱歩の小説の中に出てくる裏表に分かれる二銭銅貨をどうやって作るかは別問題としても
この大きさ故に小説の重要な小道具に選ばれた可能性は高そうです。
ワタシが初めて二銭銅貨を見たのは小学生の時で、同級生の家で「ウチにこんなのがあるよ」と見せられ、その大きさに驚いた記憶があります。
蛇足ながら、日本において二の単位(二、二十)貨幣が発行されたのは、昭和7年の二十円金貨が最後でだったようです。
勿論、江戸川乱歩の処女作の小説の「二銭銅貨」というものも読んだことがありませんでした。
それで、さっそく読んでみました(^_^)
これは、短編小説なのでしょうか、、?
このような小説に登場してくる硬貨だと知ると、興味が湧きますね(^-^*)
子供なら、びっくりでしょう。
「五十枚換一圓」とあり、おもわず頬がゆるみますね。
ワタシも乱歩作品を読んだのはずっと後になってからで
それ以後、子供時代の思い出もあって、いずれ二銭銅貨を手に入れたいと思っていました。
乱歩がこの作品を描いたのは大正12年のことだったようで
それまで日本にはこういったタイプの小説は存在しなかったようです。
それにしても、現在の500円硬貨の二倍の重さですから
財布に5枚も入っていたら重くて大変だったんではないでしょうか。
明治時代の1円は庶民にとっては2万円くらいの価値があったようですから
その1/50と考えると
やはり現在の500円硬貨と同じくらいの価値だったんでありましょうか。
品位的にはほとんど銅ですので、当時の日本では銅が潤沢に採掘されていたということなんでしょか。