一度紹介している品(厳密にいうとHPが一度目、Yahooブログ時代が二度目、さらに現ブログが三回目、そして今回が四度目)を再構成という
全く持ってどうしようもない企画なんですが、とりあえず二回目を書こうと思います。
① 見事なまでに繊細で美しい延宝期の作例
まさに「盛期伊万里の美」といった感じ逸品で、技術水準の高さが伺えます
➁ 正保期の南京手古九谷によく見られるスタイルですが、良く見ると輪郭を描いてから中を塗っています
同じタイプで染付のみの品も多く存在します
③ 「鹿紅葉文」の時に紹介した品ですが、縁文様は波のようなデザインです
型紙摺りと手描きの併用タイプで、元禄~享保期の特長的な品です
④ ③の品より時代の下がる宝暦期の作例ですが、良く見ると細かく斜線が描かれています
宝暦期によく見られる染錦手の品ですが、蝶をここまで大きく描いている品は多くないように思います
⑤ 二種類の縁文様を交互に描いたタイプの品ですが、縁文様は細かい文様ですね
縁文様 1
縁文様 2
通称「天明の灰皿」(byミーコさん)
数が多く作られていますので、良く見かけるタイプの品ですね
このシリーズ、もう一回くらいは行けるかも知れません
それに対して、後者のタイプ、地模様花唐草の場合は、きちんと揃っては地模様として面白くありません。理想的にはランダムですが、それはあり得ません。かわりに、陶工が猛烈なスピードで無意識に走らせる筆が、かたよりの少ない(そろわずに散らばっている)花唐草模様を生み出しているのではないかと考えています。
①のような後者のタイプの花唐草が描かれた品は比較的少なく、上手品だと思います。
それは、やはり、当初は食器として出発したため、皿の中心は料理で隠れてしまうために力を入れないで描き、むしろ、縁文様に力を入れて描いたように感じました。
そして、時代とともに、だんだんと、食器というよりも飾り皿の意味合いが強くなってきて、まさに「従」としての「縁文様」になってきたのかな~と感じました。
新たな発見でした(^-^*)
長く伊万里ばかり収集していると、視点が同じになってしまいますので
文様に対して時代的な違いは判っていても、それ以上のことは考えなくなります・・・。
確かに①のような作例は延宝期の品の一部でしか見られないように思います。
中央を白抜きした様式が登場するのも延宝~元禄あたりのようですから
そういった点から見れば、伊万里が食器として完成されたのが
まさに盛期伊万里の時代だったということになるんでしょうか。