Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 77(染付葉唐草文六寸皿)

2020-08-23 20:34:38 | 古伊万里
今から20年以上前、古伊万里に興味を持ち、やがて購入するようになりますが
何せ当時は図録などで得たうわべだけの知識しかありませんので、今思うと特に感じるもののない品を
もっともらしいお値段で(当時の古伊万里は今よりずっと高かった)購入していたように思います。
ま~、そうやって現物を手にすることで、時代的な特徴や感覚的な部分を勉強した(今でもさして上達してませんが)
というのが現実です。
今回の品は、そんな古伊万里の西も東も良く判らない頃に購入した品です。
「染付葉唐草文六寸皿」


中期に良く見られる、区割りして交互に同じ文様を描くタイプのデザインの品で、見込み部分は葉唐草を描いています
それぞれの文様はかなり細かく描かれており、なにやら波頭を図案化したような文様と、渦巻文が細かく絵付されています
それぞれの区画には窓絵で、これも何かは良くわからない文様が描かれており、見込み中央の葉唐草も含め
息苦しいように文様で埋め尽くされています。

見込み中央の葉唐草は丸くバランス良く絵付けされており、絵付け職人の熟練の技を感じますね


さて、この品を何故購入したのか、理由は裏面にあります

裏面も余白をなくすぞという意気込み(?)を感じさせるかのように葉唐草文がびっしり絵付けされています
この手の裏面に手をかけた品は、江戸中期の享保~宝暦あたりに見られるようで、当時の流行だったんでありましょうか。
落款は「奇宝玉鼎之珍」で、大聖寺の伊万里写しの品で良く見かけますね。
(昔、この落款を「埼玉県の宝」などと呼んでいたのを思い出しました)


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
unknown (遅生)
2020-08-23 21:40:46
このような唐草は、初めて見ました。
ダミも駆使して、藍九谷の名残りでしょうか。
それにしても、よくここまで描き込みができるものだと思います。
銘にたがわぬ名品ですね。大聖寺ではコピーをしても、薄っぺらなものになってしまうでしょう。
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酒田の人さんへ (Dr.K)
2020-08-24 09:12:36
「奇玉宝鼎之珍」の銘も、時々見かけますね。
この銘があるものには、だいたい、優品が多いですよね。
それだけに、人気が高かったので、大聖寺伊万里にもよく登場するようになったのでしょうか。

この「奇玉宝鼎之珍」の銘についても、柴コレⅣに解説がありますよね。

そういえば、昔、太明庵の時代、この「奇玉宝鼎之珍」を「埼玉県の宝」と読んでいた方がいましたよね。
まだ、皆さん、古伊万里をよく知らない時代でしたが、皆さん、一生懸命勉強している熱気を感じましたよね。
そんな、ほほえましくも、熱気を感じた頃を思い出しました(^-^; 懐かしい思い出です。
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遅生さんへ (酒田の人)
2020-08-24 22:54:07
一応、葉唐草としていますが、花唐草の繊細さはありませんが
バランス良く絵付けするにはかなり技術の必要な文様のような気もします。
中期古伊万里としては普通の品のようですが、意外に見どころのある品なのかも知れません。
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Dr.kさんへ (酒田の人)
2020-08-24 23:00:08
太明庵、懐かしいですね
ワタシにとっては太明庵が古伊万里収集の原点だったように思います。
「こんな逸品いかがでしょう」のコーナーの盛り上がりは素晴らしいものでした。
あれから随分と経ちましたが、思えば太明庵がなければ、ドクターさんやミーコさんと知合うことも無かったわけですから
あらためてtaimei氏に感謝です。
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