私はコレクターとしてはとてもいい加減な性格なもので、品物を買ってから綺麗に整理するというのが苦手です
そんな訳で、いつもの雑然とした衣装ケースを漁ったら、もう一枚未紹介の伊万里が出てきました
特に見どころのある品ではないことが、存在を忘れてしまう原因なのは確かですが、一応、悪くても中期末くらいはありそうな品です。
「染付草花文七寸皿」
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構図的には結構いい感じではありますが、濃い呉須を使って何かは判然としないものの、葉と花が描かれています
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花(?)は簡略化した描き方になっており、中期の品の繊細さや濃みのグラデーションは見られません
かといって後期の品という感じでもありませんので、恐らくは天明~寛政といった時代の品の可能性が高いかも知れません。
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落款は「大明成化年製」ですが、時代を見る上で注目すべきは裏面の唐草繋ぎでありまして
元禄~享保期あたりまで見られる、輪郭線を書いてから中を塗るというタイプのものではなく、一本線で絵付けされています。
確か扱っていた業者さんは中期古伊万里と言っていたように思いますが場合によっては19世紀の品という可能性も否定できないように感じます。
以前、酒田の人さんが紹介されていた柿右衛門の名品は、2021年7月11日の「回想の古伊万里139(色絵柿右衛門花文六寸皿)」です。
そこでの説明では、何の花か不明(業者さんは芍薬と表記)とありましたね。
でも、花の名前は不明でも、名品であることは確かですね(^-^*)
ただ、古伊万里全体の相場が下がる中で、こういった特別な魅力の無い品は
市場性を失いつつあるのかも知れません。
とは言え、立派な品だけを収集するのは一般人には無理ですんで
ウチの場合はこういった品がそこそこ存在してます。
そんな感じはしたものの、古伊万里の花の描き方は微妙なので自信が持てませんでした
中期の普通の染付皿というのは特別な魅力はありませんが
見るからに「古伊万里」という感じがするように思います。
何の蔓でしょうか。中央に巻きひげが伸びているのが、とても効果的ですね。それも、濃み入りと無しとをペアーで描くなど、繊細な感覚がみてとれます。
中期から後期へ移る時期に見せた、陶工のセンスですね(^.^)
そんなところから考えて、元禄~享保期の終り頃のものでしょうか、、。
この花は、紫陽花でしょうかね。
このお皿を見て、酒田の人さんが所蔵されている、これに似た色絵柿右衛門の名品を思い出しました(^_^)