単純な脳、複雑な「私」 価格:¥ 1,785(税込) 発売日:2009-05-08 |
単純な脳、複雑な「私」 池谷裕二
母校藤枝東高校(サッカーで有名な高校だと思うけど、学業も優秀なんですね)での3日間の連続講義を収録したもの。
以前読んだ「進化しすぎた脳」がアメリカの高校生への講義録だとするとこちらは日本の高校生への講義録。
高校時代にこんな刺激的な講義を受けたら、その先の人生が変わってしまいそう。
それにしても、池谷さんは本当に頭のいい人だと思う。難しい話を易しく話すことのできる人って、スゴイ。
内容はかなり高度。ラングトンの蟻のシュミレーションは、驚愕以外のなにものでもない。単なる単純なルールが、繰り返しの中で、突然意思を持ったかのような動きをする。こういうのを見てしまうと、神とか、そういう大きな意思が存在するのではないか?と思ってしまう。
ラングトンの蟻の驚愕シュミレーション動画はこちら
自分が環境に影響を与え、その環境に自分が影響を受ける、というのは、まさに社会そのものだ。ある時から急激な意思を持って、ある方向へ暴走して行きそうで、不安になる。
自由はあるのか、というのも、衝撃的だった。自分で動かそうとする前に、脳は既に無意識で準備をしている、未来を予測して行動している、というのも。
読後の感想は、、、、いったいぜんたい、「自分」って、なんなの?!
科学的であり哲学的な本です。