さくら・ことのは~川柳の部屋

言の葉はこだまことだまものおもひ…五七五の部屋へようこそ。

桜咲く

2016-03-21 | つれづれに

ひざしのあたたかさに、今年の桜も咲きはじめた。

もっと若い頃には、
春が来て桜が咲くだけでうきうきと心が躍ったものだが、
いまは、この季節が来るたびに、
もうこの世の桜をともに見ることができない人たちのことを
思わずにはいられない。

一昨年には父が、
その前の年と昨年には身近な友人がふたり、
そして今年は、であう前にお別れがきてしまった鰹さんが…

この世から旅立ってしまった。

ほんとうの憂いというものを、
これまで自分は知らずにいたのだなと感じる。

うまることのない喪失感。
それを抱えたまま、それでも前を向いて生きていく。
笑ったり泣いたり、季節の移り変わりを感じながら
おいしいものを食べて、うたを歌って、きれいな景色をみつけて。

昨日3月20日は、亡くなった父の誕生日だった。
生きていれば、75さいを迎えていた。
春分にうまれた父が旅立ったのは、
一昨年の立秋の日。
日付が変わってまもない頃の時間だった。

その年の、暑い夏いっぱいを生きてくれた父は
わたしの目の前で、この世でのさいごの呼吸をしてくれた。

ほんのわずかのふたりきりの時間、
父に感謝とお別れを告げて、それから、
かたわらで眠りについていた母を起こし、
2階にいた弟を呼んだ。

父にいつもしっかり守られていたわたしたち家族。
その父は、住み慣れた自宅で、家族の見守りのうちに生涯を終えた。
愛し愛され、しあわせな夫婦、親子、家族であったと思う。


おとうさん、ことしも桜が咲いたよ。
わたしたちも元気に生きているよ。


   空からも咲いた桜がみえますか

   ともにみることのできない桜咲く





   
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コメント (14)
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