さくら・ことのは~川柳の部屋

言の葉はこだまことだまものおもひ…五七五の部屋へようこそ。

豊橋番傘 令和5年9月号掲載句

2023-09-13 | 豊橋番傘

<推せん句> 7月号近詠より・鈴木順子

 現状の維持の裏ではフル稼働


<7月号(6月句会吟)から推薦句>

 ぬる燗が張りつめた身を和ませる
      (寺部水川推薦) 


<近詠>

 通勤路セミと励まし合い歩く

 冷えたビールないと萎れてゆくわたし

 ビールにも季節に合った冷やしかた

 蜩と川の流れがくれた涼


<8月句会・課題句>

 「鍵」(寺部水川選)

 まだ鍵は錆びてはいない宝箱


 「カラカラ」(波多野律子選)

 カラカラと氷が何か言いたそう


 「図星」(須﨑東山選)

 飲みたいとしっかり顔に書いてある


句集紹介のコーナーで、
「さくらもよう」の10句を紹介していただきました。
ありがとうございます^^
       (鈴木順子鑑賞句)

 涼しげな着物の中は滝の汗

 いくつもの支柱で立っているわたし

 深い縁でしたあなたの骨ひろう

 人ひとりきれいに消えるむずかしさ

 おじさんになったあなたに惚れ直す


 ガラクタ好きの夫が妻も手離さぬ

 調律をかさね家族という音色

 耳のいい犬が聞こえぬふりをする

 うつくしい文字でかさぶた剥ぐ手紙

 私はわたしどこを切ってもかじっても




   
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