放浪うどん人 ☆これから うどんに 会いに 行きます。☆

うどん食べ歩きブログ
全国各地のうどんを紹介。
更新日は毎週日曜日です。
※気まぐれに更新する場合あり

松村さん家のパン 松村さん家の隠れ家 - 熊本へ行こう! PART1 -

2016年07月25日 | 熊本県

長崎県茂木港で、私は海を眺めていました。

潮の香りに包まれながら、これから熊本県へ向かう事に胸を躍らせていました。

 

この港から、熊本県の富岡港へ向かい、

その後、天草のSNS友達のお店を目指します。

 

天草へは、JR熊本駅まで電車で向かい、そこからバスを利用して行く手段もあったのですが、

時間的なものと経済的なものを考慮すると、

長崎で一泊したのち、この港から船で向かう方が、私にとって最良の手段だったのです。

 

8時10分発の高速船に乗船するため、フェリーターミナルで待機していたのですが、

私の他に乗船客らしい人が見当たらない・・・。

切符売場の窓口が開いてから、切符を購入したのは私だけ・・・。

ひょっとして、乗船客は私ひとりでは無いのか?(^_^;)

 

出港時刻の10分前になった時、

係の人が「船が到着したので乗船出来ますよ」と声をかけて下さいました。

フェリーターミナルから2分弱歩いた場所に私の乗る船が停泊していました。

 

船に乗り込むと、案の定、私の他に乗船客はいません。

そして定刻通りに出港。

 

誰もいない船室を見て、これは貸切だ!と喜んでいたのですが、

写真を撮りに行こうと船尾へ向かうと、女性の方がひとり座っていました・・・。

いつ乗船されたのかなぁ?

それでも結局、乗船客は、その女性と私のふたりだけでした。

 

長崎県茂木港をあとにして40分を過ぎた頃、船窓から富岡城が見えて来ました。

 

そして熊本県の富岡港に到着。

熊本県を訪ねるのは高校の修学旅行以来で36年ぶりになると思います。

 

富岡港に到着してすぐに、私は8時1分発の本渡バスセンター行きのバスに乗車しました。

このバスに乗り遅れると、次のバスまで1時間待つ事になるのです。(^_^;)

 

バスは港を離れ、田園風景の中を走り抜けて行きます。

牧歌的な風景と、のんびりした時間に心が休まり、つい居眠りしていまいます。

 

港を離れてから45分ほどして、目的の停留所に到着しました。

ここは一の瀬停留所です。

 

さあ!ここから目的のお店まではあと少し!

徒歩で15分弱です。

 

どこかしら、懐かしい雰囲気の町並みを歩いて行きます。

 

その町並みを抜けると、目の前に緑が広がります。

 

こういう景色の中を歩ける喜び・・・嬉しくて嬉しくて・・・。

この時の私の顔は、不気味なぐらいにニヤニヤしていたと思います。(^.^)

停留所から10分ほど歩いたところで、目的のお店の案内板を発見しました。

 

今回訪ねようとしているのは、うどん屋さんではありません。

「松村さん家のパン 松村さん家の隠れ家」というお店です。

 

天草の大自然に囲まれて、お店を営んでいらっしゃいます。

 

さあ、いよいよ到着だ!

人見知りの私の心臓がバックンバックンと・・・(^_^;)

 

やがて、お店が見えて来ました。

店主の姿も見えました。

店主が私に向かって手を挙げているのが見えたので、

私も手を挙げ、それに応えました。

 

挨拶もそこそこに「遠いところからわざわざ有難うございます。どうぞこちらへ」

そう言って、店主は冷房の効いた部屋へ案内して下さいました。

そこで正式に挨拶をして、私はテーブル席に着きました。

 

自然に囲まれたこちらのお店、

優しい笑顔と、やわらかい言葉使いで話される店主に、

私もいつしか友達の家を訪ねたような感覚になってしまいました。

しばらくして、店主がアイスコーヒーを出して下さったので、

私は朝から何も口に入れていなかった事もあり、

カウンターにあったパンをふたつ取って、コーヒーと一緒に頂く事にしました。

さあ食べようと思った時、店主の奥様がお見えになったので挨拶を。

 

店主の奥様が「うちはメロンパンが美味しいですよ。食べてみて下さい。」

そう言ってメロンパンを差し出して下さったので、私はメロンパンを受取り、

早速いただきました。

 

すると不思議なことに、なぜか涙がこみあがってきたのです。

私は涙をこらえるのに暫く必死でした。

このお店へ無事に訪ねる事の出来た安堵感と、

店主と奥様の優しさに触れ、そのような感情になったと思います。

心を込めて作られたメロンパンは、ずっしりしていて、クッキー地のサクサク感と甘さがほどよく、

中はもっちりとした食感で、旨味と味に奥行きのあるメロンパンでした。

とても美味しかった!!(^^♪

その後、店主と奥様から、「うちのパンは2、3日持つので奥様にどうぞ。」と、

いくつかパンを袋に入れて下さり、私に持たせて下さいました。

お心遣いに感謝です。m(__)m

時間があれば、もっともっとゆっくりしたかったなぁ~・・・。

お店は手作り感があって、人の温かみを感じます。

空気が美味しくて、店内に漂う木の香りが癒しを与えてくれます。

こちらのお店は焼きたてパンの他に、ランチメニューなどもあります。

このようなロケーションで、しかも、美味しい空気の中で食べるランチは格別だと思います。

詳細は↓↓こちらのサイトを覗いてみて下さい。
「天草グルメうまかもん」http://gourmet.kataranna.com/e8949.html

下の画像ですが、奥の部分、私が訪ねた時はリフォームの最中でした。

夏場、陽射しの強い場所を、涼しくする為のリフォームだそうです。

メロンパンとコーヒーをいただいている時、

店主と奥様から、お店周辺の観光スポットを教えていただきました。

「よかったら案内しますので、行きましょう。そのあと本渡バスセンターまで送ります。」と店主がそう言って下さったので、

私はその言葉に甘えることにしました。

出かける前に記念撮影という事で写真をパチリ。

可愛いバスと、専用のバス停の前で撮りました。(^.^)

写真を撮り終え、いよいよお店を離れる時が来ました。

青空と太陽がとてもよく似合うお店でした。

またいつの日か訪ねたい。

店主の車に乗り、お店をあとにしました。

お店をあとにして訪ねたのがこちら↓↓です。

こちらのお寺は「東向寺」です。

天草島原の乱後、民衆の心を落ち着かせる為、当時、天草の代官だった鈴木重成公が建立したお寺です。

その建立には、重成の実兄である鈴木正三和尚も係わり、仏教再建にも力を入れたそうです。

歴史的背景のある立派なお寺なんです。

ちなみに↓↓こちらは聖徳太子の象です。

私が知る聖徳太子のイメージとは違っていたので驚きでした。

聖徳太子と言えば、やはり旧一万円札のイメージが強いです。

その他、境内には「天中民吉邂逅の図碑」という陶磁器の碑があります。

この図に描かれているのは、東向寺の15代目住職である天中和尚と加藤民吉という人物です。

この加藤民吉という人物ですが、実は瀬戸焼の磁祖なのです。

簡単に話しますと、衰退しはじめた瀬戸焼の再興をかけ、瀬戸からこの地を訪れた加藤民吉に、

天中和尚は修業先の仲介をされたのです。

このご縁により、瀬戸焼は見事、盛り返す事が出来たのです。

私もこの地に訪れて初めて知ったのですが、

天草では上質な陶石が採れ、天草陶磁器というものがあります。

国指定の伝統工芸品にもなっているそうです。

特筆すべきは、天草陶磁器は販売目的ではなく、島民が生活の為に作っていたという事です。

今思えば、松村さんのお店でも、陶磁器があったような・・・。

あれは間違いなく天草陶磁器でしょう。

その他、境内には天を指さす仏像もあり、かなり印象的だったのですが、

なぜ、天に向けて指をさしているのか?

店主にお訊ねしたのですが、店主もその訳を知らないとの事。

ネットでも調べてみたのですが、今に至るまで理由は不明です。

どなたかご存知の方がいらっしゃれば、ご教示願います。m(__)m

少し余韻を残して東向寺をあとにしました。

東向寺をあとにして、次に訪ねたのは鈴木神社です。

この神社には鈴木三公が祀られています。

鈴木三公とは、天草代官の鈴木重成公、その重成の実兄である鈴木正三和尚、

正三の息子で重成の養子になった鈴木重辰公(重成没後に天草代官を任命される)の三名の人物です。

私は恥ずかしながら、ここへ訪ねるまで鈴木三公の事は全く知りませんでした。

私が知っている天草の知識と言えば、天草島原の乱と、天草四郎だけです。

でも、天草の島民にとって本当に大変だったのは、

天草島原の乱後だったという事を今回初めて知りました。

天草島原の乱後、土地は荒廃し、島民も疲れ果てていました・・・、

そんな中でも年貢の取り立てはかなり厳しいものだったそうです。

乱後、天草代官に任命された鈴木重成公は、農民達の現状を目の当たりにして、

幕府に年貢米の減免を訴えたのですが、その訴えはなかなか聞き入れてくれず、

最後の手段として、訴状を残し、自宅で切腹されたという説があります。

本来、幕府に抗議などもってのほかで、お家が取り潰しになってもおかしくないのですが、

天草の復興には鈴木家を頼るしかないと判断した幕府は、減免を実施し、

鈴木重成公に代わって、重成の養子である重辰に天草代官を任命しました。

鈴木重成公の実兄である鈴木正三和尚は「破切支丹」を執筆し、

当時のキリシタンの誤った思想に異論を唱え、

仏教の思想というものを論理的に記され、仏教の再建に尽くされました。

天草島原の乱後、鈴木三公の尽力により天草は復興したのです。

鈴木三公は、島民に鈴木三神と祀られ、現在でも「鈴木さま」と呼ばれています。

私の知らなかった歴史がここにありました。

本当に天草へ来て良かった。

鈴木神社は地元のパワースポットとしても有名だそうです。

鈴木神社のあと、本渡バスターミナルまで送って下さいました。

これが大いに助かりました。

本来、松村さん家のパン屋さんをあとにして、来た道と同じ、一の瀬バス停留所に戻り、

そこからバスで本渡バスターミナルへ向かう予定だったのです。

だから本当に助かりました。

そうそう、本渡バスターミナルへ向かう途中、鈴木三公の象を見学しました。

鈴木重成公像の背面に↓↓このような事が記されていました。

武士が農民の為に命を捨てるなんて、当時では考えられない事です。

天草の人達は、その恩を今も忘れてはいないのです。

苦しむ人がいたら助けになろうという気持ちも、きっと根付いていると思うのです。

忘れもしない今年4月14日に発生した熊本大地震・・・。

松村さん家のパン屋さんでは、15日の午前5時からパンを焼き、周囲から救援物資を募り、

パンと救援物資を車に積んで熊本市へ走ったそうです。

天草は幸いにも地震の被害は少なかったそうですが、熊本市は大変だったと話されていました。

苦しむ人がいたら助けになろう・・・その気持ちを持っているであろう、天草の人達・・・、

熊本地震の被害状況を知って、同じように悲しみ、同じように苦しんだと思います。

松村店主も、そういう気持ちを持たれていました。

その松村店主と別れの時が来ました・・・。

短い時間でしたが、本当に有意義な時を過ごせました。

「出会い」の大切さを、あらためて再認識できました。

少しの時間でしたが、私の人生にとって大きな時間になりました。

松村店主、そして奥様、

ご親切にしていただき本当にありがとうございました。

天草の歴史を知るきっかけを作って下さり、本当にありがとうございました。

優しさをありがとうございました。

バスに乗り、私は天草から旅立ちました・・・。

読者のみなさま、この夏はぜひ熊本県へ行ってみませんか?

天草をあとにした私は、熊本市内に入りました。

被災された家屋が目に飛び込んで来ました・・・。

痛ましい光景も目にしました。

それでも・・・それでもそこには日常がありました・・・。

私の目で見た熊本は、人々の日常的な姿でした。

その日常を取り戻すのに、歯を食いしばり、努力をされたと思います。

よく頑張られたと、私は頭が下がる思いでした。

ただ、私が見たそういう光景は、ほんの一握りの光景で、

まだまだ日常を取り戻せていないところが沢山あると思います。

だから読者のみなさまに、熊本県へ旅していただきたいのです。

震災前、当たり前のように町を歩いていた観光客の姿も、熊本では日常の風景だったと思います。

その風景を、日常を、取り戻すお手伝いが、私たち地方の人間には出来るのです。

なので読者の皆様、この夏はぜひ熊本県へ旅して下さい。

そして、天草へも足を運んで下さい。

松村さん家のパン屋さんでは、店主と奥様が素敵な笑顔で、みなさまの事を歓迎して下さいますから。

歴史と自然と優しさに触れる事が、きっと出来ますから。

※熊本市および長崎での旅の記事は、後日アップさせていただきます。

 

松村さん家のパン 松村さん家の隠れ家 

住所 熊本県天草市本町新休18-1
電話番号 0969-22-1235 

 

 

【放浪うどん人は応援しています!】

2016年 関西うどんグランプリ ~ひやかけ編~
https://www.facebook.com/kansaihiyakakeouza/

 

映画『あのひと』予告編 川嶋杏奈さんが出演されています。

川嶋杏奈オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/a--n--n--a/

TV&映画「太秦ライムライト」公式サイト
http://www.uzumasa-limelight.net/index.html

香西志帆監督
映画「恋とオンチの方程式」公式サイト
http://noranekofilm.com/koitoonchi/

 



コメントを投稿