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「男はつらいよ」ロケ地巡礼 - 映画は生きる、映画で生きる、寅さんに思いを馳せて -

2019年09月23日 | ロケ地巡り

まずはじめに、

今回の記事にうどんの話は出て来ません。

また、文章よりも画像が多い記事となりますのでご了承ください。

 

「男はつらいよ」という映画を好きになったのは小学校6年生の頃です。

寅さん(渥美清)の語りやその行動に、時には笑い、時には切なさを感じました。

つい先日も「男はつらいよ」の全作品を鑑賞したところです。

私は、寅さんが愛してやまない葛飾柴又へ訪ねてみたくなり、

今回の上京で、柴又へ訪ねることにしました。

作品の中で、幾度と見た京成電鉄の柴又駅、私が訪ねた時は、小雨が降っていました。

日曜日の午前8時ということもあり、私の他に人影はありません・・・。

そしてこの駅前で、念願の寅さんと会う事が出来ました。

1999年(平成11年)に建てられたフーテンの寅像です。

これから旅に出ようとする寅さんが、妹のさくら(倍賞千恵子)に呼び止められて振り返っています。

寅さんの目線の先に、兄の辛さや悲しみを共有しているさくらの姿があります。

さくらの像が建てられたのは2017年(平成32年)です。

寅さんは18年もの間、さくらに呼び止められるのを待っていたのですね。

思えば、作品の中で寅さんが旅立つ時は、大抵悲しみや寂しさを背負った時です。

寅さんが喜んで旅立ったというのは、数少なかったように思えます。

生き方が不器用な寅さんは、家族とよく揉め事をして、勢いで旅立ってしまいます。

妹のさくらは、そんな兄の気持ちをよく理解して、寅さんが旅立つのを見送ります。

「お兄ちゃんかわいそう・・・」と、涙するさくらの姿を見る度に、私はせつない気持ちになりました。

「この家で揉め事のある時は、いつも悪いのは俺だよ。

でもなぁ、さくら、俺はいつもこう思って帰ってくるんだ。

今度帰ったら、きっと、みんなと仲良く暮らそうって・・・、

あんちゃんいつもそう思って・・・。」(寅さん)

柴又駅を離れ、帝釈天に向かって歩きました。

途中、「男はつらいよ」のロケに使われたお店を発見。

その名も「とらや」です。

こちらのお店、もちろん現役で営業されています。

こうして映画のロケ現場が残っているのは、ファンとしては嬉しい限りです。

「とらや」さんから帝釈天は近い。

この門のところで、寺男であり寅さんの舎弟でもある源公(佐藤蛾次郎)がよく掃除していましたね。

映画の中で度々聴いた帝釈天題径寺の鐘の音、

確か下の画像のようなアングルで、鐘を鳴らすシーンが撮影されていたと思います。

帝釈天題径寺の境内に入りました。

境内に立つと、寅さんと御前様(笠智衆)の会話するシーンが思い出されます。

 帝釈天をあとにして江戸川へ向かいました。

「男はつらいよ」のオープニングシーンで、よく登場したロケ地です。

主題歌「男はつらいよ」が流れる中、寅さんをきっかけに色々と騒動が起こるオープニングシーン、

よく笑わせてもらいました。

このロケ地には矢切の渡しがある事でも有名ですね。

この江戸川ロケで、印象に残るシーンが第9作「男はつらいよ 柴又慕情」でのワンシーン。

失恋して旅に出ようとする寅さんが土手に寝ころんでいます。

その傍らにはさくらがいて、失恋して傷心しているのに、それを認めようとしない寅さんに、

さくらが言います「じゃあどうして旅に出ていっちゃうの?」

すると寅さんは空に人差し指を向けて「ほら見な、あんな雲になりてぇんだよ。」と返します。

風の吹くまま、気の向くまま、それはまるで風に流される雲のように・・・。

そんな旅の中で、寅さんは幾たびも気持ちをリセットしていたのでしょう。

それでも尚、癒えない寂しさや悲しみを、笑顔でごまかしていたのでしょう。

「寂しさなんてのはなぁ、歩いているうちに風が吹き飛ばしてくれらぁ」(寅さん)

江戸川をあとにして「寅さん記念館・山田洋二ミュージアム」を訪ねました。

なんと、一番客ということで、記念のボールペンをいただきました。

さっそく館内へ。

館内撮影はOKです。

こちらのくるまやのセットは、実際に撮影で使われたものです。

↑↑こちらの部屋では数多くの名シーンが誕生していますね。

寅さんの妄想話に、家族が一喜一憂する姿が愉快でした。

「今夜はこの辺でお開きってことにするか。」

そう言って階段を上がって行く寅さんの姿が印象的でした。

階段の先には寅さんの部屋があります。

その寅さんの部屋が大爆発したシーンを、今でも鮮明に覚えています(笑)

第20作「男はつらいよ寅次郎頑張れ!」を是非ご覧になってください。

結局のところ↓↓この六畳一間の部屋で繰り広げられたものは、家族の愛情劇なんですよね。

「甥っ子がバカにされて黙ってられるか!」とおいちゃん(森川信・松村達雄・下條正巳)。

「寅ちゃんが何をしたって言うんだい!」とおばちゃん(三崎千恵子)。

いつもそう言って寅さんを庇います。

おいちゃんとおばちゃんの、寅さんに対する愛情を感じます。

ただ、その愛情を見事に裏切るのが寅さんだったりしますけど・・・(笑)

くるまやの裏には、タコ社長(太宰久雄)が経営する朝日印刷所があります。

さくらの夫、博さん(前田吟)がこの印刷所に勤めています。

この印刷所で印象に残っているのが、寅さんの「貧しい労働者諸君。」と言うセリフと、

初期の作品で、印刷所の工員がよく歌っていた「スイカの名産地」です(笑)

↓↓その他の展示物

穴を覗くと昭和の街並みが。

昭和30年代の帝釈天参道の街並みです。

↓↓「思い出に残るなつかしの駅舎」

駅員が切符を切っていた時代の駅舎を再現したそうです。

↓↓この駅の伝言板に書かれている内容が面白い。

↓↓帝釈人車鉄道

人力の鉄道車両が展示されていました。

車内に入ることも可能。

↓↓「寅さんが愛した鈍行列車の旅」

車窓には「男はつらいよ」の旅の名場面が映し出されていました。

次に、寅さんの衣装、トランクなどが展示されているコーナーへ。

寅さんって、春夏秋冬、ずーっと↑↑このスタイルを通していましたね。

作品内で使われた、履歴書やパスポートなども展示されていました。

実は「男はつらいよ」、海外ロケもされています。

映画では謎のままだったトランクの中身が展示されていました。

最後はエンディングコーナー

壁面がスクリーンになっていて、「男はつらいよ」の歴代ポスターが映し出されていました。

傍らに歴代マドンナの写真があり、それを見ていてふと気づきました。

下の画像、右下に何やらサインのようなものがある・・・。

よく見ると、何と!浅丘ルリ子さんのサインです。

しかも、今年の四月に書かれたものです。

「男はつらいよ」の歴代マドンナの中で、寅さんが最も愛したマドンナ、リリー・・・。

そのリリーの役をされていたのが浅丘ルリ子さんです。

とても素晴らしいものを見た気がしました。

今年の年末に公開される第50作「男はつらいよ お帰り 寅さん」にも、

浅丘ルリ子さんはリリー役で出演されます。

新作の主演はもちろん寅さんです。

ただ、さくらの息子、満男(吉岡秀隆)を中心に、ストーリーが展開されるようですね。

どのような作品になるのか?楽しみにしています。

↓↓山田洋次ミュージアム

記念館をあとにして、駅に向かって歩いていると↓↓このような看板を目にしました。

寅さんのセリフが書かれていました。

このような看板が、柴又には随所にあるようです。

帝釈天参道へ戻った時、参道のお店が開店して、燈が灯り、賑わい始めていました。

もちろん、草団子もしっかりと食べました。

美味しかったですよ。

そして柴又駅。

「満男、困ったことがあったらな、風に向かって俺の名前を呼べ、

伯父さんどっからでも飛んで来てやるから。」(寅さん)

 

♫ あてもないのにあるよな素振り、それじゃあ行くぜと風の中 ♫

♫ 止めに来るかとあと振り返りゃ、誰も来ないで汽車が来る ♫

♫ 男の人生ひとり旅、泣くな嘆くな ♫

♫ 泣くな嘆くな影法師、影法師 ♫

 

♫ 男とゆうものつらいもの、顔で笑って ♫

♫ 顔で笑って腹で泣く、腹で泣く  ♫

(「男はつらいよ」主題歌より)

 

 新作映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』特報

 



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