20151211今日の一手
先月28日の名南将棋大会からSさんとYさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得ですが後手に持ち歩があるのでカウントせず、損得なしとします。
玉の堅さは同程度としたいところですが、後手玉は26桂から34桂の傷があります。横から攻め合いなら後手玉のほうがやや堅いのですが。少し先手玉のほうが堅いのではないかと思います。
先手の攻め駒は66銀。で1枚。
後手の攻め駒は73桂62飛42角で3枚。
総合すれば互角です。
大局観として
後手陣の傷が目につきますね。両方の桂馬の頭です。また、55角といければ73桂に当たりますし、うまく動けば先手が有利になります。しかし後手のほうが攻め駒が多い、というか攻め駒3枚が使えるようになっているので下手に攻めると反撃があります。感覚だけではなく少し読みを入れないといけないでしょう。
× 実戦は75歩でした。やりたくなる筋です。
75同歩74歩76歩から一直線の取り合いになりました。
73歩成77歩成62と68と52と同金
問題図からこの局面まで読んで、どちらが駒得かを間違わずに判断しなければなりません。読めますか?
読みが得意でなければ、先手が取れるのは73桂62飛52金の3枚、後手が取れるのは77角68飛の2枚。でも後手はと金が残るから、もう少し進めば(と金が49金あたりと交換になるので)少し駒損だ、というように数えます。持ち駒を含めて頭の中で考えるのは大変ですから。
実戦はこの局面から飛車の打ち合いからの攻め合いで後手が1手勝ちになったのですが、26桂がありますね。67角も56歩。
67角が先手で入っているのも大きいですが、34桂はそれ以上の手です。24飛の受けはやる気がしませんし(やれば大変ですが)、31角34桂21玉も心細いです。これなら先手が勝っていたでしょう。
では75歩で先手がよいかといえば、75同歩74歩に65桂同銀と捨てて76歩が厄介なのです。
76同銀で飛車交換は角銀の位置が悪く、88角には87歩73歩成61飛79角86角
桂馬をもらって と金ができて、でも角をさばかれては大変です。26桂は24歩から23玉でかわせますし、ここで65銀を助けるのが難しいです。69飛は68歩、67飛は77歩成、66飛は75角です。
難しいところはありますが、やや後手が指せる変化ではないかと思います。
△67飛は前の変化を踏まえて角を広くする工夫です。
24歩なら75歩同歩74歩76歩59角
こういう意味の飛車浮きですね。
ですから24歩ではなく82飛で、これに59角なら
85歩同歩同飛
86歩同角87飛
59角成85飛49馬
という作ったような手順があります。
なので82飛には55銀なのですが
86角66角95角
44銀同歩84歩
この局面、先手は83銀、後手は78銀というどちらもあまり打ちたくないような手があって、やるべきかどうかよくわかりません。互角でしょう。
また、82飛には64歩同角75銀というのも手筋です。
しかし後手に2歩あるので、66歩同飛65歩64銀66歩73銀成84飛
桂馬はとっても銀が働きませんし、飛車を打たれれば取り返されます。これは後手がよさそう。
△ 69飛は似たような手ですが
82飛64歩に同角とできず(連打の歩が足らない)65歩しかありません。
65同銀同桂同飛62飛に54桂は気持ちがよく
64飛42桂成65飛41成桂同銀でどうか。乱れているのでこれは後手が選ばない気がします。
とすれば、69飛には後手は24歩で、75歩同歩74歩65桂同銀76歩73歩成61飛59角のほうの変化でどうか。ここで68歩があります。
67飛の形ならこの手がないのですが。68同飛86角でうまくいきません。先手は75歩の前に59角の工夫ができるので、タイミングを見てどうかと思います。
ということで、67飛も69飛も一長一短で、違いがわかれば互角になるでしょう。
△ 56歩もやってみたいです。
56同歩同金までは良いとして
後手から35歩は45歩があるのでやりすぎでしょう。24歩45歩53銀55銀54歩46銀
23銀47銀32金38金61飛
ゆっくりするならこれくらいでしょうか。
攻めを考えれば47銀で66角としてこの図を目指します。
56金が離れているので難しいですか。攻めに使えば46銀が離れてしまいます。難しい戦いです。
△ 左からはうまくいかない(反撃もある)ので、55銀としてみます。
55同銀同角ならうまいです。65桂88角87歩66角57桂成でどうか。
57同角68飛成同角55銀26桂
うまく銀を取られたようでもこの桂馬は厳しく、先手有望です。64飛と打たれても65歩が利くので怖くありません。
あるいは65桂に44銀もあり
77桂成(不成か?)62飛成同金33銀成同角25桂
角を追いかけて飛車で両取りを狙います。これは互角。
55銀には65桂ではなく65飛のほうが難しいです。
飛車交換はやりにくく、66銀61飛65歩には75歩
75同銀65飛66銀61飛65歩では千日手かもしれません。
○ 55銀と行く前に45歩の工作が有力です。
53銀55銀なら
前にやった56金より形がよくなります。これは先手十分。
45歩には同桂同桂同銀で、素朴に46歩54銀と追い返して55銀
今度は65飛というわけにはいきませんね。銀を取られて王手です。55同銀もまずいので65銀か65桂か。
65銀には54桂
54同銀62飛成同金54銀
これは後手陣が弱体化していて先手十分。
65桂ですが
88角87歩66角には57桂成くらい。
57同金65銀に84角
67歩同飛66歩同銀76銀
62角成に同金なら68飛
あるいは62角成に67銀成も52馬同金67金
どちらでも先手が有利です。
形勢が互角なので難しい変化が多かったですが、後手の攻め駒が3枚あることから、反撃が強いのです。
実戦の75歩や、67飛や69飛とした後の75歩でも互角がやっとです。手筋が多く出てくるので、変化を追いかけてみてください。どこかで役立ちます。
26桂の筋が実現しそうなので、この変化に飛び込みたくはなるのですが。
力戦派なら56歩ですが、金が離れるのであまりうまくいきません。やはり玉が堅いほうがいいです。
55銀を本戦に考えて、でもさばききれないと思ったら、45歩から工夫して角筋を通して王手になるようにしてから55銀が有力です。
22玉型の左美濃は振り飛車の角のラインに入るので負担が多いです。だから天守閣美濃にするのです。44銀33桂ではいい形とは言えません。もっとも藤井システムで天守閣美濃自体が絶滅してしまいましたが。左美濃は振り飛車穴熊や石田流や角交換振り飛車に対する時くらいでしょうか。
先月28日の名南将棋大会からSさんとYさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得ですが後手に持ち歩があるのでカウントせず、損得なしとします。
玉の堅さは同程度としたいところですが、後手玉は26桂から34桂の傷があります。横から攻め合いなら後手玉のほうがやや堅いのですが。少し先手玉のほうが堅いのではないかと思います。
先手の攻め駒は66銀。で1枚。
後手の攻め駒は73桂62飛42角で3枚。
総合すれば互角です。
大局観として
後手陣の傷が目につきますね。両方の桂馬の頭です。また、55角といければ73桂に当たりますし、うまく動けば先手が有利になります。しかし後手のほうが攻め駒が多い、というか攻め駒3枚が使えるようになっているので下手に攻めると反撃があります。感覚だけではなく少し読みを入れないといけないでしょう。
× 実戦は75歩でした。やりたくなる筋です。
75同歩74歩76歩から一直線の取り合いになりました。
73歩成77歩成62と68と52と同金
問題図からこの局面まで読んで、どちらが駒得かを間違わずに判断しなければなりません。読めますか?
読みが得意でなければ、先手が取れるのは73桂62飛52金の3枚、後手が取れるのは77角68飛の2枚。でも後手はと金が残るから、もう少し進めば(と金が49金あたりと交換になるので)少し駒損だ、というように数えます。持ち駒を含めて頭の中で考えるのは大変ですから。
実戦はこの局面から飛車の打ち合いからの攻め合いで後手が1手勝ちになったのですが、26桂がありますね。67角も56歩。
67角が先手で入っているのも大きいですが、34桂はそれ以上の手です。24飛の受けはやる気がしませんし(やれば大変ですが)、31角34桂21玉も心細いです。これなら先手が勝っていたでしょう。
では75歩で先手がよいかといえば、75同歩74歩に65桂同銀と捨てて76歩が厄介なのです。
76同銀で飛車交換は角銀の位置が悪く、88角には87歩73歩成61飛79角86角
桂馬をもらって と金ができて、でも角をさばかれては大変です。26桂は24歩から23玉でかわせますし、ここで65銀を助けるのが難しいです。69飛は68歩、67飛は77歩成、66飛は75角です。
難しいところはありますが、やや後手が指せる変化ではないかと思います。
△67飛は前の変化を踏まえて角を広くする工夫です。
24歩なら75歩同歩74歩76歩59角
こういう意味の飛車浮きですね。
ですから24歩ではなく82飛で、これに59角なら
85歩同歩同飛
86歩同角87飛
59角成85飛49馬
という作ったような手順があります。
なので82飛には55銀なのですが
86角66角95角
44銀同歩84歩
この局面、先手は83銀、後手は78銀というどちらもあまり打ちたくないような手があって、やるべきかどうかよくわかりません。互角でしょう。
また、82飛には64歩同角75銀というのも手筋です。
しかし後手に2歩あるので、66歩同飛65歩64銀66歩73銀成84飛
桂馬はとっても銀が働きませんし、飛車を打たれれば取り返されます。これは後手がよさそう。
△ 69飛は似たような手ですが
82飛64歩に同角とできず(連打の歩が足らない)65歩しかありません。
65同銀同桂同飛62飛に54桂は気持ちがよく
64飛42桂成65飛41成桂同銀でどうか。乱れているのでこれは後手が選ばない気がします。
とすれば、69飛には後手は24歩で、75歩同歩74歩65桂同銀76歩73歩成61飛59角のほうの変化でどうか。ここで68歩があります。
67飛の形ならこの手がないのですが。68同飛86角でうまくいきません。先手は75歩の前に59角の工夫ができるので、タイミングを見てどうかと思います。
ということで、67飛も69飛も一長一短で、違いがわかれば互角になるでしょう。
△ 56歩もやってみたいです。
56同歩同金までは良いとして
後手から35歩は45歩があるのでやりすぎでしょう。24歩45歩53銀55銀54歩46銀
23銀47銀32金38金61飛
ゆっくりするならこれくらいでしょうか。
攻めを考えれば47銀で66角としてこの図を目指します。
56金が離れているので難しいですか。攻めに使えば46銀が離れてしまいます。難しい戦いです。
△ 左からはうまくいかない(反撃もある)ので、55銀としてみます。
55同銀同角ならうまいです。65桂88角87歩66角57桂成でどうか。
57同角68飛成同角55銀26桂
うまく銀を取られたようでもこの桂馬は厳しく、先手有望です。64飛と打たれても65歩が利くので怖くありません。
あるいは65桂に44銀もあり
77桂成(不成か?)62飛成同金33銀成同角25桂
角を追いかけて飛車で両取りを狙います。これは互角。
55銀には65桂ではなく65飛のほうが難しいです。
飛車交換はやりにくく、66銀61飛65歩には75歩
75同銀65飛66銀61飛65歩では千日手かもしれません。
○ 55銀と行く前に45歩の工作が有力です。
53銀55銀なら
前にやった56金より形がよくなります。これは先手十分。
45歩には同桂同桂同銀で、素朴に46歩54銀と追い返して55銀
今度は65飛というわけにはいきませんね。銀を取られて王手です。55同銀もまずいので65銀か65桂か。
65銀には54桂
54同銀62飛成同金54銀
これは後手陣が弱体化していて先手十分。
65桂ですが
88角87歩66角には57桂成くらい。
57同金65銀に84角
67歩同飛66歩同銀76銀
62角成に同金なら68飛
あるいは62角成に67銀成も52馬同金67金
どちらでも先手が有利です。
形勢が互角なので難しい変化が多かったですが、後手の攻め駒が3枚あることから、反撃が強いのです。
実戦の75歩や、67飛や69飛とした後の75歩でも互角がやっとです。手筋が多く出てくるので、変化を追いかけてみてください。どこかで役立ちます。
26桂の筋が実現しそうなので、この変化に飛び込みたくはなるのですが。
力戦派なら56歩ですが、金が離れるのであまりうまくいきません。やはり玉が堅いほうがいいです。
55銀を本戦に考えて、でもさばききれないと思ったら、45歩から工夫して角筋を通して王手になるようにしてから55銀が有力です。
22玉型の左美濃は振り飛車の角のラインに入るので負担が多いです。だから天守閣美濃にするのです。44銀33桂ではいい形とは言えません。もっとも藤井システムで天守閣美濃自体が絶滅してしまいましたが。左美濃は振り飛車穴熊や石田流や角交換振り飛車に対する時くらいでしょうか。
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