高橋愛ちゃんにとっての最後のハロプロコンサート。今、ゆっくりとひとつの時代の幕が下ろされたような気がいたします。
元々モーニング娘。は「アイドル」になりたい人を集めたグループではなかったとはいえ、現在の立ち位置はアイドル。しかし、アイドル=歌やダンスはそこそこ、或いはイマイチという図式からの脱却というテーマに取り組んできた。それが高橋愛体制のモーニング娘。であり、高橋愛体制のハロプロでありました。そこにはアイドルのセオリーから少し逸脱した要素も取り込まれていきますから、当然のように拒絶反応を示してモーニング娘。やハロプロから去って、他のアイドルへ移っていくヲタもいた訳です。
その反面、このモーニング娘。だから好きになったという新規ヲタも少しずつ現れた事から、やってきた事は必ずしも間違いではなかったとも言えそうではあります。
今まで中野サンプラザでのハロプロコンサートの客層と言えば、コアなヲタばかりという印象でした。それぞれのグループの単独コンサートでは見かける女性客や親子客が中野では少なく、年齢層も高めな客席。
ところが今回は、女性客も結構多くて年齢層も幅広い。私が観た公演は前後に三人も一人で来ている女性ヲタさんがいました。ハロプロコンサートの雰囲気も徐々に変わりつつある。
私はハロプロやモーニング娘。が高橋愛をまさに「イメージキャラクター」にしているとも言えそうなほど、歌やダンスのスキルアップに力を入れてきた事は正解だったと思っています。接触サービスが人気へのバロメーターに繋がる時代は長くは続かない。やはりアイドルは、何かしらの突出した魅力があって人気が出るもの。それが、ルックスであったり、バラエティ能力であったり、セールスポイントは色々ある。そういったポイントから、様々な磨くべきポイントがあるとして、モーニング娘。が目指してきたポイントはメンバーにとって財産になる事でしょう。歌やダンスを磨く事はステージ能力に直結しているのですから。
次のハロプロコンサートには高橋愛ちゃんは居ません。私は、歌やダンススキルアップはもはやハロプロにとって、モーニング娘。にとって必修項目になったと思っています。当然身に付けるべきポイントとして「当たり前」になった。そして、そこにプラスして新たな方向性が掲げられる事を期待しています。
それこそ、現在のハロプロ、現在のモーニング娘。の形をブチ壊すくらいの新しい形を見せてもらえたら、まだまだ素敵なワクワクは続きそうな気がします。
ハロプロコンサートでモーニング娘。の新曲を歌う高橋愛ちゃんはあまりにもカッコ良かった。彼女はバラエティ適性が低いとされてきて、それがモーニング娘。人気衰退の要因のようにも言われてきた。テレビに呼ばれる頻度が下がってきたからです。
でも私は違うと思う。誰がいようと、モーニング娘。はテレビに出られなくなっていったであろう。テレビは旬のものを紹介する媒体に過ぎないから。でも、その状況で活動をし続けていくための一つの形を作り上げる事が出来た高橋愛体制のモーニング娘。は決して失敗作ではない筈。
今後の後継者育成、つまり新人募集という面に於いても、歌やダンスを力入れてやっていきたいというアイドル志望の女の子は多い。そういう女の子達の憧れを作り上げる事も出来たのではないかと。
これからに悲観する事はありません。むしろ、これまでの形に新たなスタイルが加味されていくとしたら、それは楽しみ以外の何物でもないのですから。