新垣里沙さんは常に名脇役である。今回のツアーでもソロで歌う箇所はそれなりにあり、その場面はちゃんと記憶に残るパフォーマンスなのに、決して主役にはならないし、主役の立場を喰ってしまう事もない。
ガキさんは安倍なつみさんに憧れてこの世界に入ってきた。モーニング娘。のエースに憧れていた女の子だったのだから、エースである事の大変さと自分の適性も理解しているのだろう。
ステージできちんと歌やダンスをこなしながらも、あくまで自分は愛ちゃんを気持ち良く送り出してあげるために力を尽くしているのだ。そんな心の叫びが聞こえてきそうな、真摯な表情で踊るガキさんを見つめていた。大丈夫、そんなガキさんに熱い視線を送り、熱心に応援している人もちゃんといる。そこがグループアイドルの良いところでもある。
男装した女性アイドルが三人並んで歌うナンバーを一人でこなし、みんなの熱い視線を浴びる事から始まった今回のステージ。一回一回に悔いなきよう、昼公演から飛ばすリーダー。そんなリーダーの汗まみれの表情を見ながら周りのメンバーも力が入っている。
卒業公演までの一緒にいられる時間を噛みしめるように大事に感じながら、高橋愛リーダーは歌い、そして踊る。
大切な事は未来より現在。今ここでベストなステージを常に魅せる事。
自信と目標に溢れている人の顔は美しい。
途中、ガキさんと思い出のあの曲を歌った。スクリーンには、その曲を歌っていた9年前の春ツアーの映像。愛ちゃんは9年前もいい表情で歌い、踊っている。
実際は背が小さいあなたは、なんでステージだとあんなに大きく見えるのだろう。卒業したあとも、もっと大きく見えるように。まだまだ走るのは終わらない。これからが新たな勝負のスタートだから。