フリージア工房 国道723号店

ハロプロメンバーを応援してアイドル音楽を愛するエッセイブログ

キラキラチューン

2013-05-03 23:45:34 | アイドル etc

 今日、横浜の山下公園で行われた「でんぱ組.inc」のフリーライブを観てきました。会場は渋谷のAXや或いはZeep系のライブハウスならば一階が埋まるくらいの集客でした。
 メンバーはほとんど二十代と言われるでんぱ組.incですが、客層としては十代と思われる人が多く、応援の中でもコールよりMIXのほうが声が出ているという現場でした。そういう雰囲気も「今時の潮流」と言えるのかもしれませんが、アイドル現場に於いて十代のファンを掴みやすい雰囲気にはどこかしら共通点があるような気がします。何か空気か違うのです。

 騒げる、騒ぎやすい空気。割とアバウトな雰囲気。そういう空気ってハロブロにもありそうで実はない。以前のスマイレージにはそのような空気は感じました。だから当時、メンバーと同年代のファンか集まってきたのだと思うのです。個人が個人の楽しみ方を出来る空間、悪く言えば応援に一体感がないとも言えるのでしょうか。でも、楽しみ方としては「まとまりがある」事が正解だとも言い切れず、見方を変えれば個人が自分なりの楽しみ方を出来るという点では応援歴の長さとか知識は重要ではなくなるので、入りやすい現場とも言えるのかもしれません。アイドル自体の活動歴が長いと応援してきた人間の妙なまとまりを生みやすく、応援歴の浅い人がとっつきにくい。そして、新参者が知らない昔が多いという事も入りにくい要因になるだろうとは思います。
 でんぱ組.incも活動自体はもう既に何年もやってきているし、昔から応援している人もいるけれど、ファン層の広がりを見せ始めたのは割と最近なので「最新系な勢い」みたいなものを嗅ぎつけて、そこに集まってくる人が増えつつあるのでしょう。コールは揃わなくても、気持ちは前のめりな観客が多かったのは応援する気持ちがまだフレッシュな証明なのかもしれない。

 でんぱ組.incの曲は自己紹介ソングもあるくらいなだけに、「等身大な私達的」な曲が多い印象です。実はこれ、アイドルソングの基本系でもあるのだけれど、同時にそういう作りは聴く側に親近感を与えるので若いファンが付くのも当然でもあると言えます。でんぱ組.incメンバーの平均年齢よりも若いファンが目立つのも、そういう楽曲の世界観が実年齢を超越して「私達とあなたたちの世界」をそこに作り上げ共有していく。それは、でんぱ組.incが秋葉原のライブカフェから生まれたグループである所以であり、だからこその距離感なのかなとも思います。これは、同じように店舗発で構築されたアイドルグループでも同じように出来る訳でもなく、作り手側も「あなたたち」に近い感覚がなくては成立せずに、「提供する側と消費する側」の心理ゲームに終わってしまうように思うのです。

 そんな感じで不思議な距離感な自由空間でメンバーの作り上げるステージは、それは一種のパントマイムのようにも感じられて、この独特な世界は今後さらに支持者を増やしていくだろうという確信めいたものを感じさせてくれたのでした。夕暮れ時のちょっとした白昼夢のような記憶をキラキラと残しながら。


でんぱ組.inc「キラキラチューン」Music Clip


コメント
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