日曜日、中野サンプラザの上空は雲に覆われて白かった。ここ数日、春らしく穏やかな青空が続いていたの に、今日は青空が見えないなんて。私は残念に感じながら、会場前に咲いていた桜を眺めていた。
ブルーな人が去っていく日に、空はブルーではないのは、みんながブルーにならないようにと空が気を遣っているに違いない。
入場列が凄い。何重にも折れ曲がり歩道にまではみ出している。ハロプロ中野公演では久しく見ていない「人のボリューム感」がそこにある。女の子の姿がやたら多く、年齢層も幅広く平均年齢が若い。あらゆる事が新鮮な気分なまま、私は中に入る。
開演時間を17分押してコンサート夜の部が始まった。ステージの両脇に設置されたモニターにあかりんが映し出され、メンバーによる思い出語りが入ったVTRが流れる。これだけでも市販品並みのクオリティだ。さすが女優事務所、見せ方をよくわかっている。そして、VTR終了と共に幕が開く。
ステージには六基の白い階段。階段の上には白い柱が建っていて、そこには巨大なメンバーの写真と名前が貼ってある。その階段から白いドレスに身を包んだメンバー登場。インディーズデビューシングル「ももいろパンチ」が一曲目。
六人はいつも通りに歌い、いつも通りに踊る。強く激しく踊る。あかりんが言う「泣いてもいいです。でも涙を流しても笑顔で」と。笑顔で歌うから、観客も笑顔で楽しまなくてはいけない。でも、そんな事を言ったら余計に寂しくなるじゃないか。案の定、ももかが泣き崩れそうになっている。
ももいろクローバー「ピンキージョーンズ」ライブat石丸電気2010.10
二千人規模のホールの会場で単独公演をするのは初めてな筈なのに、六人はなんと力みのなくしなやかな事か。二階席からだと躍動する動きの流れがよくわかる。多少荒削りな部分もあるけれど、こんなに動けて、こんなに魅せるグループはありふれたものではない。
一曲、一曲がとても早く感じる。ちゃんとフルコーラスな筈だけど、気持ちが高ぶっているのは観客の方なのだ。ステージに向かって気持ち一直線な観客は、イントロでMIXなんて気が散る行為はやらないし、BメロでのPPPHではオーイングなどというステージを見ていなくても出来るコールはせずに、ちゃんとソロをとってるメンバーの名前を叫ぶ。その応援スタイル、慣れ親しんだハロプロでのそれと同じだ。
ももいろクローバーはサブカルチャーの申し子なんかでも何でもない。「アイドル」なんだ。私は清々しい気持ちでステージの彼女達を見つめた。
~続く~
最新の画像[もっと見る]
- アドレナリン・ダメ 3年前
- ハシサコリン、ヨイ 3年前
- 松原ユリヤを応援しています 3年前
- 武道館への道 3年前
- 22年の時を超えて今 ~I WISH~ 3年前
- ハロプロの未来が見つかる 3年前
- 旅立ちを前にしたあなたへ 8年前
- 旅立ちを前にしたあなたへ 8年前
- 「過去記事を振り返る」 矢島舞美誕生日 18歳のまいみぃの心 11年前
- モーニング娘。'14 11年前