12月に横浜アリーナからモーニング娘。メンバーが三人卒業していきます。過去にもlこの会場で卒業した娘。メンは三人います。後藤真希さん、安倍なつみさん、飯田圭織さん。後藤真希さんが卒業した日の公演で起こったある「祭」の事は今でも忘れません。
今、ハロプロでは毎ツアー毎に「サイリウム祭」が行なわれていると言っても過言ではありません。「誕生日」、「地元凱旋」、「ツアー最終日」。それらは確かに観客のテンションを高める要素ではありますが、その都度行なわれる「サイリウム祭」という名の作られた儀式はもはやただのイベントに過ぎません。慣れ過ぎてしまって、そこに感動などないのはヲタもメンバーも同じ。
このブログをスタートさせた頃より過去に行なわれた公演を、改めて振り返りながら綴る企画。今回は2002年9月23日、横浜アリーナで開催されたモーニング娘。コンサートの話です。
この日の公演は、モーニング娘。三期メンバーである後藤真希さんの卒業公演でもありました。後藤さんの17歳の誕生日であるこの日、華々しく彼女は卒業していく事になっています。会場は開演前から異様な雰囲気に包まれ、開演20分前くらいから早くも客席から「ごっちんコール」が起こり始めました。グループのエースメンバーが去っていくというモーニング娘。初の事態に、観客の誰もがそわそわしていたのでしょう。
私はこの公演のチケットを取る事が出来ず、あるファンサイトの掲示板でチケットを余らせているという方を知り、その方から譲ってもらい観る事が出来ました。
会場前に店を構えたアンオフィシャルグッズを売るテキ屋さんがこんな貼り紙を掲示しています。
「黄色サイリウムあります」
これが何を意味するのか? このコンサートが行なわれる二ヶ月ほど前、事務所からハロプロユニットの再編が発表されました。タンポポ、プッチモニ、ミニモニ。とモーニング娘。が関わるユニットはすべてメンバーチェンジが行なわれました。その中でもタンポポのメンバーチェンジには多数の反対意見がヲタ内で飛び交いました。
タンポポは売上ではプッチモニに負けていたけれど、娘。ヲタの思い入れ度では上回っていました。みんなの愛着が詰まっているタンポポ。しかし、メンバーチェンジは予定通り行われてしまいます。現在のメンバーが立つ最後のステージは、後藤真希卒業コンサートと決まりました。
しかし、現タンポポ最後のステージと言っても特別な事が行なわれる気配はありません。
そんな時、事務所は何もしないなら観客の手で何かをしたいという意見がネットの掲示板に書き込まれました。会場をタンポポ畑で埋めつくしたい。そんな思いがヲタを駆り立てた。ネットを見ないで来場した人のために配布用にと、問屋から高輝度サイリウムを箱単位で買ってくる優しき人も現れ、あとはこの盛り上がりの中、当日を迎えるだけとなった。
都内の東急ハンズなどで、黄色サイリウムが品切れ続出となっているという情報も入ってきた。
コンサートの中盤、ステージには黄色い衣装に身を包んだタンポポの四人が現れました。その瞬間、センター席、アリーナ席からたくさんの明るい光を放つ高輝度サイリウムが輝き始めました。すべて黄色です。スタンド席もかなり多くの人が用意していました。勿論、自分も黄色サイリウムを光らせます。
会場が黄色に染まっていきます。ビックリして言葉を失うメンバーの目には涙。口コミだけで広がっていった「タンポポ祭」はこうして大成功を収めるのでした。
乙女 パスタに感動~王子様と雪の夜(タンポポ)
ハロプロで初めて、いや世界で初めて(?)のサイリウム祭である「タンポポ祭」がその後のサイリウム祭と大きく異なるのは、この祭が「贈る」ためのイベントではなく、そこに「抗議」の気持ちが入っていた事でしょう。モーニング娘。を応援している全国の50万~100万人近いファン(当時の売上にプラスαして概算)の気持ちを無視した事務所のユニット再編に対する、「自分達は納得していないのだ。これくらい今のタンポポを愛しているのだ」という気持ちが込めてあるサイリウム祭だったのです。
時は流れて、その後たくさんのサイリウム祭が行なわれてきました。メンバーの卒業であったり、引退をしていくメンバーを贈るサイリウム祭は印象に残りますが、それ以外のものはハッキリ言ってしまえば一過性のものであり、一部の人間の自己満足でしかないと考えています。
たとえ懐古主義者と言われようが、あの日横浜アリーナに咲いたタンポポ祭のようなサイリウム祭はそうあるものではなく、ツアーの中で記念日の祭として行なわれているサイリウム祭とはまったく別物であると考えます。感動は押し付けて得られるものではないのです。
<タンポポ祭についての矢口真里さんの当時のラジオの発言(簡単な解説付き)>
http://www.geocities.co.jp/PowderRoom/7161/tanpopo.htm
最近見ることはなかったんですが、久しぶりに見ようかなって思いました。
卒業の時とかはやっぱり今までありがとうって意味をこめてやったほうがいいなぁとは思うんですけど、凱旋の時とかはいらないんじゃないかなぁって最近思ってます。
たまにしかやらないからやってもらった時感動するのではないのかなって思ってます。
DVD持ってらっしゃるんですね。今でもこの日のコンサートの事はよく憶えています。ステージの真横でメンバーの表情はよくわからなかったのですが、タンポポ祭、後藤真希さん卒表と非常に盛り上がったステージでした。
サイリウム祭は本当に特別な時だけにしないと、卒業の時は何をやればいいのだ?という事になってしまいますね。
コンサートで、ペンライトの光の渦を見ていると「この一つ一つの光の下に、いろんな思いを抱えたファンの人がいるんだなあ・・」と感慨深い思いになることがあります。
でも、お気に入りさんだけを見ている子やバックの子にしか興味の無い子とかいたりして、なかなか一つになるって難しいなあ・・と思うのです。
会場全体が一つのメッセージを投げかける姿は私の理想のライブのあり方の一つです。経験されてうらやましい。
一つ一つの光は小さく、ステージから見たら意味の無いものに見えるかもしれません。でもそこには、無理してきている受験生や仕事に疲れた社会人・・一つ一つ物語があり、思いがあることを、ステージに立つ人たち、作る人たちにもわかってほしいなあと思います。
なんだか、すごく書き直して、いっぱい考えたのに、だめだめでした。すごく感動したのですけど・・・うまく伝えられなかったです。ごめんなさい。
書き直しを何度もして書いていただき、その気持ちに感謝いたします。行間も読み、自分なりに解釈いたしましたから安心していただけたらと思います。
この公演、今こうして動画を観ているだけでも胸が熱くなります。現場は画像以上に綺麗だったんですよ。あちこちから驚きの声が上がっていたくらいです。
ハロプロヲタって、世間的には良いイメージがないみたいですが、こういう一体感とか凄いし、歌番組などで他の歌手の方にも声援を送ったり、そういう所はとても素晴らしいと思っております。
そのような観客の皆さんが一人ひとり、この場に来るまでのストーリーがある。お金だってかけてる。だからこそ、コンサートは一期一会の尊いものなのでしょうね。
今回あらためてこの記事を久し振りに読んで当時の熱気を思い出しました。今でもあの時客席が一斉に黄色に染まった瞬間を鮮やかに思い出せます。
個人的には今のサイリウム祭乱発な状況は好ましく思っていないのです。でも、今更止められなくなっているのも事実。「恒例行事」になってしまっているからメンバーも心から感動はしていないのが伝わってくる。
そういう現在を切なく思います。「造花」まさにそうですね。