アッパーカット! アップアップガールズ(仮)
その歌を聴くとある季節を思い出せる曲というものがある。「アッパーカット!」を聴くと去年の夏を思い出せる。少しずつ新たな居場所を開拓しつつあったあの頃に。
アプガの立ち位置というものがこの一年でだいぶ変わった。二年前の夏はハロプロのカバーをやるしかなかった状況から、持ち歌がだいぶ増えて自分たちのカラーみたいなものが確立されてきた一年だったのではないか?この一年でいろんなアイドルと対バンをしてアイドルという海の広さを体感してきた彼女たちは、既にひとつのカテゴリーの枠ではなく「アップアップガールズ(仮)」としての歩みを始めている。
嬉しいことに8月10日にアプガはエイベックスの「Idol-nation」に出場し、代々木第一体育館のステージに立つ事が出来た。昔のハロプロにとって「夏の代々木第一体育館」は毎年恒例の祭の場であったけれど、今はそれは遠い過去のことになっている。そのステージにアプガは上がった。ハロプロから出て行くことになってからは苦労もたくさんあっただろうけれど、ハロプロの夏の聖地に上がることが出来たのだから、もはやそれは思い出話みたいなものなのかもしれない。
この曲が去年アイドルヲタに注目を浴びたのは、歌詞の通りにアプガが上を向きながらもがいている姿とリンクしていたからかもしれない。そういう長い旅の途中感はいっぱい詰まっている曲。アイドルヲタは感情移入出来る存在が好きだから、アプガのそういうサクセスストーリーに乗っかってみたいと思ったヲタが現れ始めたと思ってみている。
モーニング娘。は「国民的」な人気を得た時点で、結成時の「敗者復活から誕生したグループ」という肩書きは消えてしまったが、ハロプロ内ではその後ついに継承されることのなかったそのコンセプトが、ハロプロではなくなったグループであるアプガによって継承されたことは興味深い。しかも、それはハロプロの肩書きが付かなかったことによって生まれたのは皮肉である。
今後のアプガはいつまでもそんな呪縛に縛られることもなく、自らの魅力で上がっていくと信じるけれど、そんなモーニング娘。誕生以来の敗者復活娘。らしさは、さりげなく残し続けていってほしいと思います。
TIFレポートの続きです。
パワースポット
会場 ENJOY STADIUM(フジテレビ湾岸スタジオM1スタジオ)
時間 21:00~21:15
突然の暴風雨にテントに避難していたけれど、いつまでもここにいる訳にもいかず、20時を少し回ったあたりで少し雨が弱くなってきたのをみて、湾岸スタジオ内に戻る。次の目的は21時からのパワースポット。場所はエンジョイスタジアム。
中に入るとテクプリが歌っていた。明日のステージが解散ステージになるテクプリ。もちろんそれを観るつもりなのに、すでに胸が熱くなってくる。
続いてはDoll☆Elementsのステージ。昨年TIFで観た時よりもファンの数が増えている。楽曲的には今風な王道路線なので自分の趣味からは少しはずれるけれど、こういう路線はライブで観ると盛り上がりが感じられて楽しくはある。メンバーも可愛らしいし、こういうアイドルは市場に必要なのだと改めて思う。アイドルとは楽しいことは正義なのではないかと時々感じるのであります。
君のハートに解き放つ! Doll☆Elements
http://www.youtube.com/watch?v=KcsVJpkSZQs
AメロからBメロの流れが好きな曲。メジャーデビュー曲でもあります。
そのままのポジションで次のグループを観る。次はBe Flourish。申し訳ない事に今回初めて名前を知ったので予備知識がないまま観始めたら、これが面白かった。エヴァンゲリオンの主題歌「残酷な天使のテーゼ」のカバーも歌ったり、いわゆる打ち込み系ながらなかなか魅せる聴かせるステージ。会場にいる生粋の地下系の若いヲタにはあまりウケていないようだったけれど、それはきっとメンバーがお姉さんだからだろうか?そこは残念に思う。
プレパレード Be Flourish
http://www.youtube.com/watch?v=sxrXXq2dMjw
パワースポットの出番になった。東京の地下系では注目度の高いほうにいるグループ。観客も前方に詰め始める。
先ほどのDOLL FACTORYでのステージの時より少し緊張も解けたのか、メンバーの笑顔も自然な感じになっていた。「夜中の3時」で幕を開けたステージは、良い意味で普段のスタイルで進行していく。普段持っている力をどれだけ披露出来るかもフェスの醍醐味。特にこのステージは、日頃応援している人達への感謝をこめた晴れ舞台とも言えるものだから、ある種お祭感覚な高揚感が大切でもああった。
アイドルブームのおかげと、バンド不況のあおりで都内の小さなライブハウスは毎日アイドルの対バンライブを開催して店を切り盛りしている。そのため東京の地下系アイドルは連日のステージをこなす事になっている。決してなだらかな道ではない明日を見つめ、一人でも多くのファンが増えるように歌い続けている。アイドルというジャンルは決して華やかなだけではなくて、それでもアイドルに憧れてステージに立つ女の子が次々と生まれていく。
たくさんグループが存在する東京地下アイドルシーンから、このTIFのステージに立てるグループもほんの一握り。パワースポットのメンバーもそれが心からわかっているから、このステージに立つことを目標として公言してきて、今ここに立っている。TIFは単なるアイドルのお祭というだけでなく、そこに辿り着くまでの物語もグループの数だけ存在している。
パワー上昇 パワースポット
TIF2013 一日目に観たアイドル(観た順)
おはガールちゅ!ちゅ!ちゅ! キャラメル☆リボン lyrical school Cheeky Parade Negicco BiS アフィリアサーガ バニラビーンズ めろでいーリアン みにちあ☆ベアーズ フルーティー♥ パワースポット しず風&絆 GEM アイドルカレッジ 多国籍軍 Doll☆Elements Be Frourish パワースポット
TIFレポートの続きです。今回は紹介するグループが多いので、それぞれに動画のURLを貼っておきます。
Smash Play Live
会場 DOLL FACTORY(フジテレビ湾岸スタジオM2スタジオ)
時間 18:25~19:45
バニラビーンズを観たあと、ゆりかもめでテレコムセンター駅に戻り再び湾岸スタジオへ。時刻は16時を回った。
夕方になっても熱気の衰えないTIF、湾岸スタジオの1階にあるドールファクトリーは入場規制が発生していた。一応並んでみるものの、目当てだったpaletのステージには間に合わず、思案の末に向かいのエンジョイスタジアムに行く。こちらは入場規制は無しで入れた。
中に入ると、ちょうどめろでぃーリアンのステージが始まっていた。彼女達のTIFに賭ける情熱はただならぬものであるようで、非常に気合いが入っている事が客席からよくわかる。めろでぃーリアンのステージを観るのは初めてではないが、前に観た時よりずっと良かった。キビキビした動きに好感。
4season太陽 めろでぃーリアン
http://www.youtube.com/watch?v=wJnyYgTFBrQ
一旦外に出て、17時からのスマイルガーデンでの、みにちあ☆ベアーズのステージを楽しんだ。毎年少しずつ成長していくメンバーの姿が頼もしくなってきた。
スマイルガーデンから戻り、再びドールファクトリーの入場列に並ぶ。楽しみにしていたLinQは観られなかったけれど、その次の18時からのフルーティー♥のステージに入場出来た。
フルーティー♥は北海道で活動するグループ。このあとから、いろんなグループが立て続けに出てくる「Smash Play Live」という企画ステージになるためか、場内はいろんなグループのヲタTを着た人がいる。ただし、TIFのようなこういう風に複数のグループが出る、いわゆる対バン形式では、出番となったグループのヲタに前方の場所を譲るのがマナーになっているので、今は前方は青いフルーティー♥Tシャツを着た人が多い。グループのTシャツの色が揃っているのでサッカーのゴール裏みたいな風情がある。
フルーティー♥ヲタは楽しく場を盛り上げ、緊張気味なメンバーを鼓舞した。ある曲で間奏にヲタが「北海道から全国へ~」で始まる口上を叫ぶのだけれど、初見の人でも叫べるようにヲタが大きな紙に口上を書いて掲げている。周りのヲタは紙が見えるようにしゃがんでいる。ここの現場はとにかく楽しさを大切にしているようで明るい雰囲気。メンバーも明るい。好感度アップ。
フルーティー♥
http://www.youtube.com/watch?v=yaR0YYAH20A
フルーティー♥のステージが終わり、ここからは「Smash Play Live」というステージ。80分の間に5組のグループが歌う。最初に出てきたのは東京のパワースポット。昨年末のワンマンライブで「目標はTIFに出る事」と宣言したそのステージに立つ事が出来たメンバーは、やはり緊張の面持ち。トークの声もトーンが高い。しかし、歌は元気に歌い上げた。ステージをしっかり見せる事が出来れば初出場組は合格点。一通りの演目を終えたメンバーの顔は、安堵と充実感の入り交じった清々しい笑顔だった。
それな! パワースポット
http://www.youtube.com/watch?v=PWkzH9XzDuE
続いては名古屋のしず風&絆。昨年のTIFはガンダムの前での彼女達のステージがファイナルステージだったので懐かしくもあり、去年よりも大きく見えるメンバーの姿に自信のほどを垣間見た。
喋るときはフニャっとした可愛らしさを前に出していた姿が、歌になるとノリノリのロックになるのが面白い。このギャップが魅力なのだろうなと思いながら拍手を送った。
つくしん暴 しず風&絆
http://www.youtube.com/watch?v=LekMqWYl4LE
続いてはエイベックスのアイドルストリートから結成されたGEM。彼女達のステージを観るのは二回目だけれど、楽曲も耳に残るし、ステージスキルも感じられるし、良い感じ。うまくメディアに乗っかっていければ売れそうな雰囲気はある。アイドルヲタ的にはどうなのだろうか?と気になりつつ、じっくりと歌とダンスを堪能した。また観たいです。
Speed up GEM
http://www.youtube.com/watch?v=B_PIv78bWFs
次はアイドルカレッジ。何気に第一回から出場を続けるグループ。そのキャリアを十分感じるのは、曲的には王道路線ながら危なっかしさのないステージである事。安定感あります。
彼女達の持ち歌では一番知られていそうなナンバーは、いろんなグループにカバーされている「いちごパフェ」。カバー版も今までにいくつか見てきたためか、オリジナル版に感激する。やはりオリジナルはさすがオリジナル。
いちごパフェ アイドルカレッジ
http://www.youtube.com/watch?v=flZtr5BWZIo
この企画のトリとなるのは多国籍軍。パワースポットと同じ事務所に序属しているが曲の方向性は違うもので、元気をテーマに歌うパワースポットに対してこちらは愛をテーマにしている。そしてカッコイイステージング。三人という人数を活かして切れと幅を使ったダンス。初めて彼女たちを観たであろう観客も釘付けになっていた。アイドルは可愛いだけでなくカッコイイもあるから面白い。
愛の環境研究センター 多国籍軍
http://www.youtube.com/watch?v=N7fs0_21j3M
ステージが終わると20時少し前。このあとは少し芝生広場でライブを観て涼もうと思っていたけれど、外は強風、そして激しい雨。たまらず近くのテントに避難。しばらく雨宿りをして、少し風雨が弱まったところでエンジョイスタジアムに移動する。当然の事ながら芝生広場のスマイルガーデンのライブは中止となったのでありました。
TIFレポートの続きです。
バニラビーンズ
会場 HOT STAGE(Zeep Tokyo)
時間 15:20~15:50
太陽光線との闘いであるスマイルガーデンから一旦離れ、再びZeep Tokyoに行く。ゆりかもめの車内の冷房が心地良い。空も海も青い。
会場に入るとステージにはアフィリア:サーガが立っていた。彼女達も第一回目からの参加だが、第一回目の頃はまだ彼女達を知っている人も今ほどおらず、申し訳ないことに私もTIFで存在を知った。魔法使いという設定に「いかにも」な匂いを感じながらも、曲が結構好みだったので第一回目に観た地下系では一番好印象なグループだった。
プリンスホテルの宴会場に設けられたステージで、アキバ系をひとまとめみたいな扱いでライブをさせられていた。そんなあの日のステージの何倍も大きなZeepのステージに今は立ち、あの日の何倍もの人数の声援を受けている。これがアイドルという物語の醍醐味なのかもしれない。
ワタシ☆LOVEな☆オトメ! (TIF2010)
http://www.youtube.com/watch?v=PWcZAQxLhW4
あの日、宴会場で歌った曲からも何曲か披露して、しかも最後のほうの盛り上げ時にそれらの曲を歌った彼女達の心意気に大きな拍手が贈られた。
アイドルの曲というと盛り上がらなければいけない!なんて風潮がある。アイドル音楽って定義が一つではないクロスオーバーなジャンルなのに、そういう一元的なアプローチで楽しむのは勿体ない。
バニラビーンズが現れた。会場は思っていたより埋まっている。アフィリア目当てな観客の多くは退場したが、まだ結構な観客数が残っている。勿論、その中には次のグループを観るために入っている人も少なくないだろうけれど、多くの人が曲のリズムに合わせて手拍子を打ったり、ノッっている。そういう空気はステージ上のメンバーにも伝わってきたようで、トークでは低姿勢で「観客の多くは自分たち目当てではない」という切り口で話を進めていこうとするが、あえて「みんなバニラビーンズ目当てなの?」と客席に振る。結構大きなリアクションが起こる。私も手を上げたのでした。
バニラビーンズの音楽は少しずつアイドルヲタにも浸透してきている。バニラビーンズが歌っている歌が好きな人が年々増えていった結果、バニラビーンズもこうして大きなステージで大きな拍手を貰うまでの存在になっている。
ゆったりとした時間が流れる会場内に、シンプルな振り付けを真似る人もいれば、静かに体を動かす人もいる。騒ぐばかりがアイドルライブではない。ジャンルを越えたところにあるアイドル音楽というジャンルを再確認しながら、粋なひとときを過ごす。
バニラビーンズ / チョコミントフレーバータイム (MV)
TIFレポートの続きです。
BiS 新生アイドル研究会
会場 SMILE GARDEN(フジテレビ湾岸スタジオ前芝生広場特設ステージ)
時間 13:45~14:05
Zepp TokyoでNegiccoのステージを堪能したあとは再びゆりかもめで移動、湾岸スタジオに戻った。テレコムセンター駅前のコンビニで昼食を仕入れてから、物販コーナーを見て回る事にする。昨年はめぼしい品物が品切れ続出していたコンビニも、今年は準備万端でTIFを迎えてくれたようで品揃えはバッチリだった。
物販コーナーは昨年と同様に、湾岸スタジオと道路を挟んで斜向かいになる国際交流館の裏で行われている。各アイドルか関係者がテントの中でCDやグッズを売り、購入者にはその場でチェキだったり、国際交流館前に設けられた握手会エリアでの握手会に参加出来るなどの特典が付く。メンバーが売り子だったりもするし、同じ事務所の他のグループのアイドルが売り子だったりもする。ちなみに、握手会エリアでの握手はライブの合間での開催とあってタイムテーブルに沿って行われているので、公式サイトを見るか、リストバンド交換時にもらったタイムテーブル表を見て時間を確認する必要がある。
物販での各事務所の対応は様々で、アイドルやスタッフが立ってチラシを配っているところもあれば、スタッフも静かに座っているところもある。事務所によっては、TIFに出場しない自社のアイドルたちに、リストバンドのチェック無しで観覧できる無銭エリアである湾岸スタジオ前の芝生広場や、周辺の歩道などでチラシ配りをさせているところもあった。TIFに賭ける情熱の度合いは各社いろいろであります。
そんな無銭エリアである芝生広場にやってきた。TIFの良い所は、こういうフェスらしさ溢れるオープンステージを設けている事。そのステージ、スマイルガーデンは無銭だからと出し惜しみするような事はせず、人気グループのステージから、スペシャルコラボ企画までいろんなタイプのステージが観られるエリアです。
太陽がジリジリと照りつける中、ステージにはBiSが現れた。二日目にあるBiSのメインステージは、なんとしても観たいテクプリのラストステージと時間が被ってしまったので、不本意ながらこのステージでBiSを堪能する事にする。
新メンバーが加入して2ヶ月というBiSだけれど、コンビネーションとか、そういうものはメインテーマではないから、そこは多少前のめりになりながらも飛ばしていく。ちょっとしたトークでも既に新メンバーはキャラを出しまくって笑いをとっているし、大したものであるなと頼もしくなりながら、最後に歌ったニューシングル「DiE」を聴いた。
Aメロの出だしをたとたどしく歌う新メンバーのテンテンコの姿と歌声が妙に歌詞と音とリンクして耳に突き刺さる。「上手い」とか「可愛い」という選考基準で選ばれた子では絶対に表現出来なかった音がそこにあった。歌詞や音の持つ世界観を表現するためには、必ずしも技巧を持っていることが必須ではない。
BiS / New Single「DiE」ライブムービー
BiSのステージが突然の嵐のように過ぎ去っていった。もっと観たい衝動に駆られるが、持ち時間が決まっているので、これは仕方がない。それ以前に太陽が強く照りつけていてとにかく暑い。Zeep Tokyo目指して再び移動する。せわしないけれど、これもフェスの醍醐味でもある。ゆりかもめの一日乗車券が大活躍なのである。
TIFレポートの続きです。
Negicco
会場 HOT STAGE(Zeep Tokyo)
時間 12:15~12:45
湾岸スタジオの屋上は暑いのがネックではあるけれど、その見晴らしの良さと吹いてくる風の心地よさで去り難き気分に襲われつつ、エレベーター待ちの列に加わる。下りエレベーターは上りの時よりは早く乗る事が出来た。ちなみに、列に並ぶ前にトイレに行ったけれど、ここは昨年は閉鎖していた。今年は使えるようになったのは良かったと思う。下に降りないとトイレがないというのは、ちょっと問題であったから改善されたわけだ。
湾岸スタジオからゆりかもめのテレコムセンター駅は近い。ゆりかもめの一日乗車券を新橋駅で買ってあるので、それを利用して次の会場Zepp Tokyoのある青海に移動する。たった一駅だけど、暑い中を徒歩移動するよりはずっとラク。一日乗車券は800円で、新橋駅からテレコムセンター駅まで往復すると運賃合計は740円だから十分すぎるほどお得な切符だ。
昨年のHOT STAGE(TIFにおけるメインステージの事)だったZepp ダイバーシティは入場規制に引っかかる事があったけれど、今回はすんなり入れた。場内ではCheeky Paradeが歌っている。途中からだけれど存分に堪能する。
略称チキパと言われる彼女達のステージは、さすがエイベックスと思える安定感がある。お姉さん格のSUPER☆GiRLSよりは少しシリアスな雰囲気を漂わせながら、うまくアイドル成分もミックスしている。そのバランスは、メンバーの事や曲がわかってくると楽しいのだろうなとは思えた。半年ほど前にも観ているけど、その時より更に良くなっていると思える堂々たるステージング。
ミックスと言えば、ここのヲタがやっているMIXはよそとは違うオリジナルであった。これは面白い。グループに関係のある言葉を叫ぶのであればMIXはアリだとは思う。
BUNBUN NINE9' / Cheeky Parade
チキパのステージが終わり、スクリーン上にアイドル関連のCMが流れるインターバルを挟んで次はNegicco。Negiccoを観るためにZeppにやってきたのであります。若いヲタが多いチキパから雰囲気は一転、激しくノルよりも歌を楽しむというスタンスに感じられる空気に変わるNegicco現場。
一曲目に最新シングル「アイドルばかり聴かないで」を持ってきてDD観客のハートを掴んだNegiccoは、あくまでゆったりとした鼓動でステージを進めていく。それがとても心地良い。私は激しくノルのも好きな方だけと、じっくりアイドルの姿を見ながら歌を聴くのもとても好きだ。緑と白で出来たネギサイリウム(公式グッズだそうだ)を振るヲタの人達もなんだか温かい。トークで間違いをしてしまったメンバーにも優しい笑いが起きる。
これは聞いた話だけれど、Negiccoの常連ヲタさん達はライブでは、なるべく新規らしきファンを前に譲るそうだ。イマドキの他のアイドル現場ももっとこういう雰囲気になっていけば心地よい場になると思うし、Negiccoに於けるこういう雰囲気はいつまでも続いて欲しい。
そんな現場の雰囲気を象徴するのが、Negiccoの代表曲「圧倒的なスタイル」の間奏でのラインダンスだ。みんなで肩を組みメンバーの「右、左」という合図に合わせて足を出す。なんともホノボノとしたその光景はまさにNegicco現場の空気が表れたお約束であり、そういう空気が客席の皆が歌をちゃんと堪能している事にも繋がっているのだと思えたのだった。それはなんとも言えない豊かな満足感で会場をあとに出来る、そんな爽やかな後味の良さにつながったのでした。
圧倒的なスタイル/Negicco ~@2012.11.04代官山LOOP~
松浦亜弥さんが結婚した事を発表しました。
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2013/08/04/kiji/K20130804006354700.html
ファックスによる発表でしたが、文章を読むと二人の絆が感じられてきました。私がいいなと思ったのは、「私の青春には、すべて彼がいます。悲しいこと、辛いこと、嬉しいこと、楽しいこと全部です」という言葉です。
一人の女性の青春のすべてに一人の男性がいる。人生に於いて、たった一人しか存在しないポジションにその人がいる。それは、確かに良い日も悪い日も、すべてを近くに受け止めてきたという事でもある。
松浦さんの青春は決して華やかな月日ばかりでもなかったと思いますが、だからこそそばにいる人が尊い存在であったのでしょう。
dearest.
松浦さんは藤本美貴さんの結婚に際し、自らの持ち歌であるこの曲を歌い贈りました。この曲は自分にとって尊い人のための曲でもあるからこそ。
松浦亜弥さん、末永くお幸せに。そして、これからより愛のこもった素敵な歌を届けてくれると楽しみにしております。
今日のBGM あなたと生きてく - 谷村有美
TIFレポートの続きです。
lyrical school
会場 AZURE STAGE(フジテレビ湾岸スタジオ屋上)
時間 11:05~11:20
おはガール ちゅ!ちゅ!ちゅ!のステージが終わり、急いで屋上へと上がるエレベーターの列に加わった。朝、湾岸スタジオにリストバンド交換のために到着した時に既に長い列が出来ていた。この会場での開催はもう三年目。屋上ステージの爽快感を多くの人が知ってしまったのと、知ってしまった人による口コミが伝わっての結果がこの行列か。
エレベーターは二基しかないが、15分くらい並んでいたところでなんとか乗る事が出来た。しかし、屋上に上がった時にステージのある最上部に上がる階段の所で既にステージが始まっている事を音漏れで知る。本日二組目のアイドルとなる筈だったキャラメル☆リボンは最後の曲の途中から観ることが出来た。
続いての登場はlyrical school(リリカルスクール)。名前だけ見ると制服を来た女の子たちによるAKBの亜流を連想してしまいそうだけれど、そうではない。
lyrical school / そりゃ夏だ! (MV)
以前から観てみたいと思っていたグループで、CDも持っているのでとても楽しみにしていた。青空をバックに、明るく楽しいトークを挟み、軽妙なノリでステージを魅せる。私が過去2年間この屋上ステージで観てきたアイドルは青空に負けない爽やかな正統派アイドルたちばかりだったけれど、青空が似合うのは正統派アイドルポップスだけでなく、こういう変化球的なグループも合うのだと気づかされた。
それはつまり、屋上という異空間ステージで歌えば誰でも似合うのだ。そう思いかけたがそれは違う。彼女達が青空に歩み寄って、爽やかに明るくステージを作り上げていたからなのだと思う。そういう柔軟性を持っているから、サブカル的なアプローチを持っていようが、このTIFのステージに呼ばれても輝けるのだなと、青空の下でとても健康そうな笑顔を見せていたlyrical schooのメンバーを見て思った。これもひとつのアイドルスタイルだと成立するくらいに、今のアイドル界は成熟している。
今回からしばらくのあいだ、TOKYO IDOL FESTIVAL 2013(以下、TIFと略)の感想をお送りします。同時に複数の会場でライブが行われるため、ステージの回り方は一人一人が異なる事になりますので、あくまで自分が観たステージをベースに感想を語っていきたいと思います。
おはガール ちゅ!ちゅ!ちゅ!
会場 ENJOY STADIUM(フジテレビ湾岸スタジオM1スタジオ)
時間 10:15~10:35
私が今年のTIFの会場に着いてまず最初に足を運んだのが「おはガール ちゅ!ちゅ!ちゅ!」。彼女達は名前でわかる通り、テレビ東京系列で放送中の朝の定番番組「おはスタ」で活躍するおはガールから結成された三人組。まあ、それだけならばよくあるテレビの企画ものユニットというだけなのだけれど、彼女達はとても曲がいい。そして、その曲をうまく自らのキャラクター性とフィットさせていて、可愛さを(番組のメインターゲットである)子供から(制作側からすれば想定外な)大きなお友達まで、みんなが楽しめるユニットになっているのだ!
そんなおはガールの曲は、元JUDY AND MARYのギターTAKUYAが書いている。キャッチーでポップな曲作りは流石だ。やはり一時代を代表するアーティストクラスのミュージシャンは違うなと思ってみたり。
アイドルフェスのステージとあって、子供向けな演出は特になく、新曲のサビの振り付け講座という王道な企画を展開するあたり、大きなお友達向けにうまく立ち回っている。まだ朝とあって動きがやや重い観客も、これが良いウォーミングアップになったのか、ここからは声だけでなく動きのキレも出てくるのでした。
新曲のPV
http://www.youtube.com/watch?v=Oa-NzGSNGSk
よくよく考えてみれば、朝イチのステージにテレビの朝の番組のアイドルが出てくるとは小粋な演出。メンバーが客席に向かって行なう挨拶「おーはー」も、朝だけにリアル過ぎてテンション高まる。良いスタートだな今年!なんて思いながらステージを楽しんだ。
締めは「こいしょ!!!」。この曲の持つ爽やかでアッパーな感じは、アイドルの王道であり、そこに起因する永遠のテーマを具現化しつつ、さらに新体操のリボンで芸を見せるという小技も加えて、ステージパフォーマンスとは歌やダンスを意味するだけではないのだという主張もほんのりと感じさせてくれるものであります。それは、ひたすらプロフェッショナルなステージにも思えて、テレビというファクターはアイドル少女を一人前のプロに磨いていくのだなと、しみじみ思うのでありました。
おはガールちゅ!ちゅ!ちゅ!「こいしょ!!!」PV フルサイズ
きっかレン - グリコ乳業「カフェオーレのうたスペシャルミュージックビデオ」[公式]
吉川友ちゃんはエッグ時代から歌には定評があったし、声優もこなしたから表現力も身についている。歌の方向性だって、柔も剛もこなせる器用さを持っているのはMilky Way時代から感じている。だからこそ、外向けの仕事をどんどんやって表現の幅を更に広げてほしいと思っていた。
キッカがキマグレンと共演する!素晴らしいニュース。今をときめくミュージシャンとの共演。ハロプロではこういう仕事が見られなくなって久しいが、メジャーな立ち位置に立つという」事は違う事務所に所属している人との共演が増えるという事でもある。キッカはもうハロプロではないけれど、それゆえに「メジャー」を手に入れた。
なんて事を書いていると嫌味みたいだけれど、そうではなくてハロだってもっと他事務所の人とコラボをやるべきだと思うのだ。アイドルとのコラボに抵抗あるならば、いわゆる「アーティスト」と呼ばれる人とコラボするのが良い。そこは事務所に頑張ってほしいなと思う。
キッカが凄いのは、キマグレンと共演してもあまりヨソ行きな感じがしない事だ。これはキッカの天真爛漫さが功を奏しているのだろうか。「きっかレン」として出演しているラジオを聴いたけれど、普通に溶け込んでいた。メンバーの一員に思えるような頼もしさがあった。思えば、そのくらいの心の強さがなければ外部事務所のアーティストと共演するのは難しいのかもしれない。こういう企画に大事なのは、不自然さが見えないようにする事。キッカは自然体でこのコラボを楽しんでいる。歌詞に出てくるように白黒つけずに、あくまで自分のペースで泳ぎ、形を見せている。
キマグレンのボーカルに溶けて埋没しない芯の強さを感じるキッカのボーカルは、想像以上にキッカがステップアップしている証でもある。これを機に知名度上がると良いなと思っています。